覇道 の商品レビュー

森祇晶(著者)

2017/04/14

広岡監督、森監督の時代のライオンズが好きだった。そのハイライトは、広岡時代の８３年の日本シリーズだが、森時代も様々なドラマがあった。本書では、著者の監督時代を時系列順に振り返っているが、「そんなこともあった」「こんなこともあった」という思い出がよみがえってきて熱くなった。
当時のライオンズに思い入れのない人には、そこまで熱くはなれないだろうが、長期間にわたって常勝チームの監督をしていた人の言葉は、組織論、人間論、戦略論など色々な面での含蓄に富んでいる。常に先を見て色々なことを想定して備え、ピンチのときでも長期的視点を持って耐え、合理的な思考で対応するといった点で、野球を離れた一般論としても十分に読む価値がある。出版から相当期間が経っており、新たに読む人もほとんどないだろうが、面白い一冊だった。