熊を放つ(下) の商品レビュー
すべてはうまく運ぶは…
すべてはうまく運ぶはずだった。ジギーが、動物園襲撃などという奇妙な計画を持ち出すまでは…。
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上巻を読んでいる時には、『イージーライダー』との相関性を思ったが、この下巻ではアーサー・ペンの"Bonnie and Clyde"(=『俺たちに明日はない』)のイメージと重なるものがあった。この映画も1967年の製作で、小説と全くの同時代だ。1960年代末はカ...
上巻を読んでいる時には、『イージーライダー』との相関性を思ったが、この下巻ではアーサー・ペンの"Bonnie and Clyde"(=『俺たちに明日はない』)のイメージと重なるものがあった。この映画も1967年の製作で、小説と全くの同時代だ。1960年代末はカウンターカルチャーの時代であり、既成の価値基準を崩壊させる運動が様々な芸術作品にも反映されていた。その意味では、この小説はまさしく時代の証言者でもあったのだろう。そこでは、何のために?といった問いよりは、ムーヴメントそのものの方が力を持っていたのだ。
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第二章はすこしまどろっこしい感じもしたが、第三章に入ってからは一気にペースが上がった。 ジギーが計画した動物園破りの計画をグラフが実行にうつすのだけれど、これがかなりハラハラしてもぅ見てられない。グラフのバカさ加減がある意味愛おしいというか、ここまで突き抜けたバカだと羨ましさすら...
第二章はすこしまどろっこしい感じもしたが、第三章に入ってからは一気にペースが上がった。 ジギーが計画した動物園破りの計画をグラフが実行にうつすのだけれど、これがかなりハラハラしてもぅ見てられない。グラフのバカさ加減がある意味愛おしいというか、ここまで突き抜けたバカだと羨ましさすら覚える。 ジギーのグラフにたいする第一印象「混乱して未熟」という言葉がこの物語全体をも現してるのかなー、と思った。 とてもおもしろい小説です。読む価値ありです。
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『ガープの世界』・『ホテルニューハンプシャー』と比較してしまうと、完成度という意味では見劣りしてしまうと思う。だけど、この処女作でのアーヴィングの試みには、胸を打たれるところがあった。迸っている、生きること、死ぬこと、愛すること。
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アーヴィングのデビュー作で村上春樹の訳! 個人的には、最強の組み合わせ。 が、上下巻の長い物語で、正直、途中で読むのが面倒になることも…。 第2次大戦後のオーストリア。 市庁舎(ラートハウス)公園で、大学生のグラフは、向かいのベンチに座ってラディッシュばかり食べているジギ...
アーヴィングのデビュー作で村上春樹の訳! 個人的には、最強の組み合わせ。 が、上下巻の長い物語で、正直、途中で読むのが面倒になることも…。 第2次大戦後のオーストリア。 市庁舎(ラートハウス)公園で、大学生のグラフは、向かいのベンチに座ってラディッシュばかり食べているジギーと出会う。 ひょんなことからオートバイを手に入れた二人は旅に出る。 川辺で鱒を釣り、農家からフライパンを盗み、寝袋から星空を眺めながら眠る、無計画で自由な旅。 ひとつだけジギーの頭にあった計画。それは、ヒーツィング動物園の動物たちを解放するというものだった。 後の作品にあるような、読者をぐいぐいと引っ張っていくパワーが弱いのと、「書きたいことがいっぱいあっておさまらないなあ」という感じがあり。 ただ、若者二人のまぶしさやはがゆさや優しさや不完全さに、どうしようもなくひきつけられる。 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と「モーターサイクル・ダイアリーズ」とを足した感じ、かも。
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凄かった。 グラフがO・シュルットをオオアリクイが入っている檻の中に入れてしまうところとかハラハラした。 そしてグラフはアジア・クロクマを放つ。 自由になった大猫たちはどうなったのか、、、グラフは再びガレンに出会えるのか、、、気になる。
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