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モンゴル帝国の興亡(下) の商品レビュー

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南宋を倒して、イスラ…

南宋を倒して、イスラムと結んだモンゴル帝国は、陸と海を結ぶ壮大な軍事・行政・経済の流通ネットワークを作り上げる。しかしそこには、内紛、天災、新興勢力の陰が…。巨大になりすぎた国家が迎えた結末とは?クビライ・カンの治世から、モンゴル帝国の崩壊、そしてその後。

文庫OFF

2024/03/23

「率直に言って、大元ウルスにとって、明は出来の悪い相続人であった。モンゴル時代、特にクビライ時代以後に芽ばえ、出現した多くのものを、明帝国は台無しにした。そしてその結果、世界史と人類史において東と西の力の逆転、西欧による東方と世界への侵略という、二つの重要な大転回を、無意識のうち...

「率直に言って、大元ウルスにとって、明は出来の悪い相続人であった。モンゴル時代、特にクビライ時代以後に芽ばえ、出現した多くのものを、明帝国は台無しにした。そしてその結果、世界史と人類史において東と西の力の逆転、西欧による東方と世界への侵略という、二つの重要な大転回を、無意識のうちに惹き起こした。明朝という政権は、ひどく『うしろ向き』の存在であった。」 モンゴルが現れる前と後とで、中華帝国のみならず、世界の国家や民族のあり方にも大きな違いがみられる、というのは、本書で何度も実例つきで述べられているところで、単にモンゴルの歴史を追うだけでなく、それが世界にいかなる影響を及ぼしたかと絡めて書かれていて大変勉強になった。 その中でも個人的に気になったのは最近ウクライナへの侵攻で何かとホットなロシア。ロシア聯邦とロシア帝国の根源を調べようと思って新書を漁ってみたことがあったが、知りたい情報がなく、それが本書の地図をみていると、ロシアがモンゴルの支配下にすっぽり収まっていて、ロシアどこ行ったと一人で不思議だった。モンゴル出現以前のルースィーはとるにたらない存在で、モンゴル解体後にロシア帝国としてモンゴル領北部に拡大したらしい。しかも初めは東がその力点の向かうところで、西によっていくのはむしろ後のことらしく、中学校の時にロシアは欧州ではないと習ったのが妙に合点がいった。(それが理由か否かはさておき。) この本を読んでいて後半あたりからチラチラ頭に浮かんでいたのが高坂正堯の『国際政治』(中公新書)で、それによると、産業革命前後で国の規模、国力は明らかに差があるらしい。工業化の結果として労働者が政治に参加するようになると、国民という意識が生まれ、今までの搾取する者とされる者という対立関係でははかれなくなったという。 本書ではモンゴルの出現を境に世界の様相が変わったと説いている。『国際政治』の中で触れている世界の変わり方とは全く異なるが、どちらも大きな転機であったという意味で興味深く感じた。

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2023/10/22

チンギスとクビライくらいは聞いたことある。ヨーロッパまで攻め込んで、嵐のようにやって来て嵐のように去って行った、みたいな話は読んだような。 いやはや、その間、その後にめちゃくちゃ権力闘争とか人間ドラマとかあるやん。こんなんもっと高校の世界史の教科書にでも載せてくれたらええのに。 ...

チンギスとクビライくらいは聞いたことある。ヨーロッパまで攻め込んで、嵐のようにやって来て嵐のように去って行った、みたいな話は読んだような。 いやはや、その間、その後にめちゃくちゃ権力闘争とか人間ドラマとかあるやん。こんなんもっと高校の世界史の教科書にでも載せてくれたらええのに。 この本以外にほぼ知識ないけど、著者のスタンスがアンチ漢民族にちょっと寄ってない?とは思いつつ。まぁ完全中立なんてあり得ないしそう言うものと思えばええねんけど。

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2014/04/02

チンギスやクビライの華々しい活躍は色々知る機会もありますが クビライ後の元や他のチンギスの血統に連なる諸ウルスが どうなったのか分かりやすく説明されていて 大変面白く読めました。

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2013/01/24

ブログに感想書きました→http://d.hatena.ne.jp/victoria007/20130124/1359021936

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2012/03/12

1206年にモンゴル高原を平定したチンギスからはじまり、その後約450年にわたってユーラシア大陸を制覇したモンゴル帝国の歴史はとても面白い。私は知らなかったが、モンゴルによって歴史上はじめてヨーロッパと中国が経済的につながり、経済・文化・人材が盛んに交流した。ヒト・モノ・カネが陸...

1206年にモンゴル高原を平定したチンギスからはじまり、その後約450年にわたってユーラシア大陸を制覇したモンゴル帝国の歴史はとても面白い。私は知らなかったが、モンゴルによって歴史上はじめてヨーロッパと中国が経済的につながり、経済・文化・人材が盛んに交流した。ヒト・モノ・カネが陸路だけでなくはじめて海路を通して流通した。交流することにより経済は豊かになり国は富んだ。モンゴルは国作りの構想として、ひらかれた国作りを実施した。能力・実績主義による人材登用で、人種や文明の違いに関係なく仕事を任せ、帝国の維持と反映に努めた。 今までモンゴル帝国は野蛮で残酷だ、と勝手に思っていたがぜんぜん違った。大きな誤解をしていた。 ひとつの国のはじまりから盛衰、そして終わり、歴史を追うことは、個人や組織や国のこれからを考える上でとても面白い。

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2010/11/23

[ 内容 ] 陸と海を結んだ巨大帝国の軍事・行政・経済システムと、その終焉…。 巨龍、墜つ。 [ 目次 ] 陸と海の巨大帝国(世界の改造者 草原のゆらめき ほか) ゆるやかな大統合(内陸争乱から東西和合へ 帝国の経済システム) 解体とその後(天暦の内乱 沈みゆくモンゴル世界 モ...

[ 内容 ] 陸と海を結んだ巨大帝国の軍事・行政・経済システムと、その終焉…。 巨龍、墜つ。 [ 目次 ] 陸と海の巨大帝国(世界の改造者 草原のゆらめき ほか) ゆるやかな大統合(内陸争乱から東西和合へ 帝国の経済システム) 解体とその後(天暦の内乱 沈みゆくモンゴル世界 モンゴルの裔たち) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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