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朝の少女 の商品レビュー

4.2

44件のお客様レビュー

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2024/12/15

自然豊かな島で暮らす朝の少女、弟の星の子。姉弟が反発しながらも、互いを思い合う。心温まるほのぼの物語かと思いきや、そこはかとなく漂う不吉な雰囲気。ラストで朝の少女はカヌーに乗ってやってきた異人に話しかけ、島の人へ紹介しようとするところで終わる。エピローグで、島に上陸したのがコロン...

自然豊かな島で暮らす朝の少女、弟の星の子。姉弟が反発しながらも、互いを思い合う。心温まるほのぼの物語かと思いきや、そこはかとなく漂う不吉な雰囲気。ラストで朝の少女はカヌーに乗ってやってきた異人に話しかけ、島の人へ紹介しようとするところで終わる。エピローグで、島に上陸したのがコロンブスで、島の人達の原始的なことに驚き、彼らは良き召使になるだろうと語っている。 2011/7/4

Posted byブクログ

2023/07/15

どこかの島に暮らす幼い姉弟の成長物語。大人になるにつれて忘れてしまう心の柔らかさを思い出させてくれた。波の音、空気の柔らかさを全身で感じながらのんびりと読みたい一冊... と思いきや、最後の最後で...

Posted byブクログ

2023/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

灰谷健次郎さんの本は実は初めて…! と言ってもこれは訳本なんやけど、とてもしっくりすぅっと心を撫でられる気持ちにたる言葉で訳して下さっている。 早起きが得意な、”朝の少女”と、夜が好きな”星の子”と取りまく家族の日常。 とてもピュアで美しいものしかそこにはなくて、人間の本来の、根っこの生きるうえでのきらきらした部分を掬い上げている本。 と思っていたら、一番最後のページで思わず息を呑んでしまう結末。 今わたしたちが生きてるこっち側の世界と、物語で読んだあっち側の世界、当たり前のことだけど、始まりと終わりがあって、何かの終わりに今があるのだと、背筋が思わず凍ってしまった。 ないものねだりだが、あっち側のほうが、幸せだったのではないか、少しそう思わずにはいられなかった。それくらい、美しかった。 ”名前がほんとうに身についたとき、人は名前通りの人になる。”

Posted byブクログ

2020/12/24

自然の中でのびのびと暮らす家族の優しい交流が描かれた最後、コロンブスを登場させて彼らの生活を破壊する予兆で終わっているのはなんとも苦々しい結末。 素朴な幸せを壊す文明ってなんなのだろう。キリスト教には身勝手さと傲慢さを感じずにはいられない。

Posted byブクログ

2020/03/24

5の自分の顔を知りたい少女にお父さんが瞳に写る彼女を見せてあげるシーンがとりわけ秀逸。 今と違って鏡のない世界で自分を捉えるというのは、こういうことだったのか……。

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2019/12/20

あの忘れてしまうような一瞬の輝いたとき。自然の中に住んでいた少年と少女がいた。 作者はインデアンの血を引くアメリカの方で、もう亡くなっているが、人類学や先住民研究者だったそうだ。 舞台はアメリカの未開の地。そこで暮らしている少女は早起きが好きなのでモーニング・ガール(朝の少...

あの忘れてしまうような一瞬の輝いたとき。自然の中に住んでいた少年と少女がいた。 作者はインデアンの血を引くアメリカの方で、もう亡くなっているが、人類学や先住民研究者だったそうだ。 舞台はアメリカの未開の地。そこで暮らしている少女は早起きが好きなのでモーニング・ガール(朝の少女)と名づけられている。 弟は夜が好きなのでスターボーイ(星の子)という。 朝もやから始まる昼の一日を自然の一部になって楽しむ少女と、夕暮れから海の音を聞いたり体を岩にしたりして遊ぶ少年がいる。 読んでいると、昔気づかないで過ごしてしまった、私の一時期、まだ人になっていなかった優しい頃に戻ることができる。それが僅かな一時期だったり、もう忘れてしまっている、人によっては経験することもなく通り過ぎてしまったそんな時があったのだろかと振り返るような、優しい時間が思い出される話。 少しずつ成長していく子供たちの心の動きもさわやかで、書かれていることは、今では難しい分野に通じるような、言葉にすれば難解なことになりそうな、自然と人のかかわりがやさしく子供向けに書かれている。 名前というものは不思議な、かけがえのない贈り物だ。人が自分につける名前、世の中に向かって示し、すぐに忘れられてしまう名前、いつまでもずっと残る名前もある。その人の歴史や足跡からきた名前、周りの人たちから贈られて受けとる名前もある。 あたし(朝の少女)の弟が、むかしハングリー(腹ぺこ)という名前だったことはだれも忘れないだろう。けれども今日みんなは前とはちがうあの子の言葉に耳をかたむける。星の子も、自分が大きくなっていて、もう子供みたいにはふるまえないことを知るだろう。名前がほんとうに身についたとき、人は名前どおりの人になる。(略) 「もう、いいのよ」 あたしは小声でいった。 「いって」 弟はやっと離れていった。でもそのまえに、あの子はあたしにだけきこえるような声でいった。これから先、あたしたちがふたりだけでいるときに、いつもあたしをそう呼ぶようになる名前を。あのこは小さくこういったのだ。 「ザ・ワン・フー・スタンズ・ビサイズ(いつもそばにいてくれる人)」 と、こんな風に素朴な、そして深い魂の物語が優しく語りかけてきます。 そこへやってくるものがあります。文化に触れた人たち、その将来は難しい問題をはらんでいます。 薄い本ですが詩集を読むような言葉から、自然の声が聞こえてきます。

Posted byブクログ

2017/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美しい自然と共に生きる純真無垢な姉弟。何気ない日常が2人それぞれの視点から美しく描写される児童文学かと思いきや、エピローグでどん底に突き落とされた。この先、彼らを待ち受ける未来を思うだけで胸が締め付けられる。こういった人々の犠牲があって、今の世界が作られているという残酷な歴史を、忘れてはならない。灰谷氏の訳による情景描写の美しさにより、自然の美しさ、そこに生きる人々の感性の豊かさと結末の残酷さの対比がより一層際立っているように感じた。

Posted byブクログ

2016/07/07

なんか詩的で夢見な感じだから 読んでられないかな…と思ったけど ラストの衝撃ってレビューを信じて我慢したら だんだん心地よく楽しめた。 と思っていたらのエピローグで 愕然とした。

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2015/01/19

わたしも。 衝撃的なエピローグは大事かもしれないけど、このお話の良さはエピローグに拠らない。 昔私は朝の少女だった。たのしみがいっぱいで、朝より先に起きていた。

Posted byブクログ

2015/04/02

う〜わ〜。 コメント難しい。☆評価し難い。 帯〜。安易に感動感動言うなや。 コレ児童文学ですか?ジワジワくる系? 教育ですか?戒めですか? 呪いですね。いえ、祈りでしょう。 哀しいよ。打ちのめされるわ! 灰谷さんの訳

Posted byブクログ