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殺意 の商品レビュー

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2018/11/15

ある殺人犯の手記風フィクション。 旧友からの1本の電話により、旧友への殺意が芽生えた真垣徹。 芽生えた殺意は確実に真垣の中で育ち、三年間の時を経て開花し、冷静且つ粛々と犯行が行われた。 殺人の動機を語らない真垣は、裁判にて心理状態、精神鑑定、家庭環境など、あらゆる考察...

ある殺人犯の手記風フィクション。 旧友からの1本の電話により、旧友への殺意が芽生えた真垣徹。 芽生えた殺意は確実に真垣の中で育ち、三年間の時を経て開花し、冷静且つ粛々と犯行が行われた。 殺人の動機を語らない真垣は、裁判にて心理状態、精神鑑定、家庭環境など、あらゆる考察がなされるも、現状の枠の中では到底理解しがたい理由と、世を超越した思考をもつ真垣には無駄な時間だけが過ぎていくばかりであった。 収監された真垣は、刑務所で己の殺意について真意を見出していく。 ある殺人鬼が出来上がるまでのプロセスを描いているような怖さが感じられる。 医学がどんだけ進歩しても、人の心を100%解読し、裁判で量刑を決めるのは永遠に無理なことかもしれない。

Posted byブクログ

2012/10/21

読み終えて、ただただぞっとする。 真垣徹の心のつぶやきがずーっと最後まで続く。 動機はない。あるのは殺意だけ。 きっかけはあるがそれはスイッチに過ぎず 衝動的でもない。 探ろうとしても難しい本でした。

Posted byブクログ

2009/10/07

一本の電話、的場の何気ない一言によって蒔かれた殺意の種が3年間かけて花開く、それが一貫して真垣の一人称で語られる。 正直、しんどい。 話が行きつ戻りつ、またこのエピソード・・?と思うことがけっこうあった。 真垣の、冷静なようで理解しがたい精神構造にも辟易した。 殺人者として目覚め...

一本の電話、的場の何気ない一言によって蒔かれた殺意の種が3年間かけて花開く、それが一貫して真垣の一人称で語られる。 正直、しんどい。 話が行きつ戻りつ、またこのエピソード・・?と思うことがけっこうあった。 真垣の、冷静なようで理解しがたい精神構造にも辟易した。 殺人者として目覚めるラストにはぞっとする。 でも今まで読んだ乃南アサの作品の中では一番好きじゃない。

Posted byブクログ

2017/12/12

長編。殺人を犯した主人公の内面や動機を知りたい読者をイライラさせながら進み、半ばからわずかな進路変更に気づき、それがやがて本筋に辿り着いている奇怪さに気づく。回想を小出しに、心理の読解が主で、登場人物も少なく、初めから終わりまで一貫した芯の強さを説明されて、劇的な変化が欲しくなっ...

長編。殺人を犯した主人公の内面や動機を知りたい読者をイライラさせながら進み、半ばからわずかな進路変更に気づき、それがやがて本筋に辿り着いている奇怪さに気づく。回想を小出しに、心理の読解が主で、登場人物も少なく、初めから終わりまで一貫した芯の強さを説明されて、劇的な変化が欲しくなってくる。それを我慢しつつ進むといろんなヒントに引っ張られ、段々ラストに期待が膨らむ。大きなびっくりはないけれど、嵐の前の静けさのようなクライマックスは凄みがある。

Posted byブクログ