ヨーガとサーンキヤの思想 の商品レビュー
ヨーガ・スートラに関する詳しい解説がある。 この巻では六派哲学の中で先後関係および協同関係をもつ思想であるヨーガ学派とサーンキヤ学派とを同時に扱っているが、サーンキヤ先ヨーガ後でなく、ヨーガ先サーンキヤ後としているのがわりと独創的(中村自身にもそうするだけの狙いがあると書いている...
ヨーガ・スートラに関する詳しい解説がある。 この巻では六派哲学の中で先後関係および協同関係をもつ思想であるヨーガ学派とサーンキヤ学派とを同時に扱っているが、サーンキヤ先ヨーガ後でなく、ヨーガ先サーンキヤ後としているのがわりと独創的(中村自身にもそうするだけの狙いがあると書いている)。また、クンダリニ系のいかにもヨーガ的な概念が、初期ヨーガ文献にあったわけでなく割と後になって創出されてきたものだという話も知ることができた。 この本に限らないが、インド哲学で仏教哲学以外のものを読んでいると、いかに仏教哲学がインド哲学全体の中のone of them でしかないか、ということと、同時にその仏教哲学が、ついにインドに根付かなかったにもかかわらず10世紀ごろまで重要な理論的プレーヤーを輩出し続けてきたか、ということがよく見出されて、そこがある種の戦史ものの群像劇めいていて、読み手として面白い。ウパニシャッド六派、ジャイナ、仏教、さらには文法学者まで入り乱れてインドの人文を弁証法的に練り上げていった歴史がそこにあり、中村元含むインド哲学者・インド文献学者はそれを体系的に紹介してくれる。ありがたいことだと感じいる。
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