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永遠と不老不死 の商品レビュー

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2025/06/05

世界各地の神話や宗教から始まり役小角のストーリーと熊野三山が論じられます。 古代中国、インドやメソポタミアには不老不死薬の処方の記録もあるが、不老不死にあまり魅力がないことに昔の人々も気づいていた。むしろ「この世はいち速く過ぎるがその後にくる彼岸の生には限りがない。したがって死...

世界各地の神話や宗教から始まり役小角のストーリーと熊野三山が論じられます。 古代中国、インドやメソポタミアには不老不死薬の処方の記録もあるが、不老不死にあまり魅力がないことに昔の人々も気づいていた。むしろ「この世はいち速く過ぎるがその後にくる彼岸の生には限りがない。したがって死後埋葬される場所こそ『永遠の家』でなければならない」と考えたそうです。だからクフ王も始皇帝も立派な墓陵を作らせたのですね。 ここから話は宗教めく。今の世が仮の世で、大事なのは死後の世界。永遠の命を生きるのはあの世なのだから、浄土へ行こうと発想する。日本は昔から浄土は海の向こうにありという考えがあり、補陀落(浄土)渡海が始まった。 僧侶を一人だけ船に乗せて閉じ込めて、海に送り出す。現実的には自死になるが、これによって浄土へ行けると考えて、熊野だけでも何十人もの僧が送り出されている。 浦島太郎とかぐや姫の成り立ちの話も入ってくる。浦島太郎の最初の話は「日本書紀」に出てくるそうだ。5世紀にモデルは実在したようだ。これは本来、海上の浄土で不老不死を手にして戻ってきた男の話ではないかと著者は説く。 話を戻して補陀落渡海と聞いて、近世の出羽三山の真言宗系僧侶による即身仏ミイラを思い起こしたが、あれは贖罪や衆生救済が目的なので目的が違うようだ。 話は『不老不死』よりも『極楽浄土』がメインになる。なかなか読み応えのある本で読みながら書込みだらけになってしまった。

Posted byブクログ