フッドリバーの一世たち の商品レビュー
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当時の日本政府に限った話ではない。為政者は他国と戦争を起こすときに「その国に移住している自国民」のことを考慮する必要がある。…と理屈では分かるし、事後は何とでも言えるが、現実問題としては非常に困難であることも想像に難くない。 タイミングも最低だった。 20世紀初頭に移住し、二世達が米国人として誕生・成長して帰国するという選択は難しい。更に成人し、米軍兵として従事している1940年代である。移住直後だったなら帰国という選択肢もあったろうし、あるいは一世達が亡くなる程時間が経過していたら、また全然違う筋書きになっていたろう。 本書の証言で判断する限り(出版物としてのフィルターはかかっているだろうが)、米国政府の対応は可能な限り人道的だったように思える。少なくとも当時(圧倒的に少人数とはいえ)日本にいた米国人あるいはそのお子さん達の扱いを考えると…。 もちろん限りなく行動の自由やプライバシーは制限されるが、長時間の果樹園労働から解放され、収容所内で初めてゆっくり英語習得に時間を割けた人。月々の衣料手当で通信販売を利用した人。なんだかなー。国力の差や国民性の違いだけでは語れない気がした。
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