神経症の時代 の商品レビュー
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どういうわけか、アジア経済の研究家が専門外の分野を書いた本。大正時代の心理療法大家・森田正馬(マサタケ)の生涯と倉田百三の精神障害への治療、森田の弟子・岩井寛の人生。淡々と「あるがまま」の治療方法を語る森田そして著者に非常に不思議さを覚えます。日本にこのような大家がいたのだということを初めて知りました。
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(1996.06.15読了)(1996.05.25購入) わが内なる森田正馬 (「MARC」データベースより)amazon 日本医学界から黙殺されつつも独自の療法「森田療法」を創始して倉田百三ら多くの神経症者を救った名医・森田正馬。苦闘と凄絶に満ちた彼のいきざまに迫る。第5回開高...
(1996.06.15読了)(1996.05.25購入) わが内なる森田正馬 (「MARC」データベースより)amazon 日本医学界から黙殺されつつも独自の療法「森田療法」を創始して倉田百三ら多くの神経症者を救った名医・森田正馬。苦闘と凄絶に満ちた彼のいきざまに迫る。第5回開高健賞受賞作品。
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20代に司馬遼太郎、30代に北杜夫、それぞれ運命的な出会いであった。 40代半ばにして、この本に出会い、この出会いもまことに運命的だと思う。 森田正馬(もりたまさたけ)の、あるがまま、やるくりしない、という考え、というか、教えに、ああ、そうなのか、それでいいのか、と安堵する気持...
20代に司馬遼太郎、30代に北杜夫、それぞれ運命的な出会いであった。 40代半ばにして、この本に出会い、この出会いもまことに運命的だと思う。 森田正馬(もりたまさたけ)の、あるがまま、やるくりしない、という考え、というか、教えに、ああ、そうなのか、それでいいのか、と安堵する気持ちを覚えた。 関連する本を読んでみたい。
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フロイトやユングなどに比べると、圧倒的に知られていない森田正馬(まさたけ)の森田療法。 生きている上で不安や不快を感じることのは自然なことで、生きていく上で欠かすことのできない心理であるが、それが不快であるが故に「あるべきではない」と遠ざけようとあがき、計らうのが人情。森田療法の後継者である、高良武久は、神経症者の救済法法として、むしろ不安を生の必然的な心理として患者に素直に受容させることとしている。そして、この受容を効果的になさしめる最良の方法は「仕事」にほかならないということだ。 安全、安心を完璧なまでに求める現代の日常も、そういう意味では神経症に陥っているのかもしれない。日常の中にある不条理を認め、受け入れた上で、これに持ちこたえるだけの強さを持たなければ。その為には、色々な形で仕事をすることだ。 後継者である岩井寛氏の死に直面しながら、その生を全うする姿は森田療法の具現化ひとつでもある。生の最後まで、不安と不条理を受け入れながら、仕事を全うする姿は感動的だ。
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内国産の森田療法をめぐるドキュメント。極度の神経症をこの治療によって克服した大正期の作家倉田百三から、森田本人を経て、森田の後継者でありながら癌で早世した岩井寛まで。一心理療法の域を超えた、死生思想として捉えられる。 著者は保守系の経済学者だが、外部とは思えぬ熱さである。
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