ブラックロッド の商品レビュー

古橋秀之(著者)

2022/07/25

10代の頃に繰り返し読んで、ある意味人生を狂わされてから再々…読。

格好良すぎる文章のリズム、多国籍の世界観。
サイバーパンクという言葉も知らなかった頃から、ギブスンも読んだし攻殻もはまったけど、やっぱりこの作品は別格。
心に永遠の中学二年生がいて、ブラックロッドのような作品を求め続けている。

すべてのオタクに読んで欲しい小説。

2021/01/18

造語とオカルティズム、東西の宗教語を上手く融合させた名作。
とはいえ、この世界にイスラームが登場しないのもむべなるかな。

「アザーンの平和的文化利用すら攻撃した宗派が、戦術利用に転化できるわけなかろう」

でFAかな。

2017/06/14

第二次世界大戦後、オカルトが科学と結びついた世界の積層都市《ケイオス・ヘキサ》の光の届かない最下層を舞台に不死のヴァンパイアと名無しのブラック・ロッドが活躍するバトル・サイバーパンク小説。仏教・アミニズムを交えた独特な世界観の解説にかなりのページ数を費やしている。出て来る登場人物もその世界の文化を背負っていて人物描写よりも文化描写の方が多い。なので設定・解説＋物語少しといった印象を受ける。ネタバレになるが後半のシャドーのハメ方は不自然に見える。下手なミステリー小説のようだ。そこ以外は魅力的な世界観・キャラが活躍して楽しい。
作者があとがきで語っている『私』のアイデンティティの問題は取ってつけたような形でほとんどないも等しい。
チャンバラ小説。３部作らしいので続きも読んでみたい。というよりもこの一作じゃ完結していない。

2012/05/11

いやー、痛快痛快。非常に面白かったです。
世界観が仏教的サイバーパンクってところかな？
一応、各種宗教的神秘学みたいなことも盛りだくさんだけど、メインは仏教かな。
この世界観はかなり良いというか、好きです。
そして一気に駆け抜ける面白さ。
短編集的に細かく分かれているのもいいところ。
お勧めの一冊です。

2010/11/04

古今東西和洋を問わずオカルト的なものを全てぶち込んでごった煮にした闇鍋の如く、たいへんに濃厚かつ味わい深い１冊です。10年くらい前に読んだものを、再読。やーーーーっぱり面白い。荒唐無稽でありながら十分に説得力のある描写、上手い構成、そしてあらゆるところに散りばめられたサイエンスとオカルトとエレクトロニクスとゴシックホラーとミリオタ用語の素晴らしいマッシュアップ造語。
攻殻機動隊、ヒラコー先生のヘルシング、ブレラン未来世紀ブラジルマトリックスのようなディストピアものSFが好きな人は、きっと、ハマるのではないかと、思います。