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小説 出雲王朝挽歌 の商品レビュー

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2011/11/06

「死ぬまで此処にいてもいいし、明日にも此処を出て行ってもいい。それはお前の決めることだよ」  家を継ぐのは娘の役目。息子は、姉や妹の婿が来たら、居残って義理の兄弟に一生指図されるか、自分が婿になるために他所へ旅立つか、二つに一つ。十八歳になった『男』は腹違いの姉のことが好きだった...

「死ぬまで此処にいてもいいし、明日にも此処を出て行ってもいい。それはお前の決めることだよ」  家を継ぐのは娘の役目。息子は、姉や妹の婿が来たら、居残って義理の兄弟に一生指図されるか、自分が婿になるために他所へ旅立つか、二つに一つ。十八歳になった『男』は腹違いの姉のことが好きだった。だから、姉が婿を取ると聞いて、無性に腹立たしくなって吉備の国を出ることにした。 比婆の山々を越えて出雲にやってきた『男』は一人の少女に出会う。  「お告げが、そう言ったの。須佐の男が来る、須佐の男がお前を救う、って  ――ねえ、須佐の男でしょう、あなた」 『男』が持っているのは、残りわずかな干し肉と、一振りの剣だけ。一生下男の地位に甘んじるよりは、死んだほうがましだ…。決断のとき。ゆっくりとうなずいて『男』はいった。  「そう。私は須佐之男だ」 八岐大蛇と呼ばれる八人の男達を倒した須佐之男は、女郷長たちに近づき、鉄を作り、うるしの技法を学び、周辺の国邑を手中におさめていく。 そして、息子・大国主の努力によって、出雲は戦いを知ることなく繁栄する。 強大な倭が服従を出雲に迫ったとき、大国主ら須佐之男の子供達のとった行動とは――

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2009/10/04

記紀神話で言うところのヤマタノオロチ退治神話、国譲り神話を題材とした物語。婚姻、血縁関係が複雑なので、多少なりと日本神話に対する知識がないとしんどいかも。「神話」としてではなく、「出雲に生きた人々」に思いを巡らせることが出来ました。「出雲はいい国だ」(2005.05.29読了)

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