組織の盛衰 の商品レビュー
組織の「死に至る病」…
組織の「死に至る病」として三つのことを取り上げ、例を挙げて検証。これからの組織のあり方について述べられています。
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組織では何がもっとも…
組織では何がもっとも重要なのか。こんな時代だからこそあらためて見なおしてみる価値はあるのでは。
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「段階の世代」で有名な堺屋太一氏の著作。好きで何回も読んだ本だが改めて再読。読みやすくコンパクトな文庫本だが、組織論の名著だと思う。 組織の良さの3要素「大きさ」「帰属意識と情報共通性」「目的達成能力」が相互矛盾する難しさがある点。 組織の死に至る病「機能体の共同体化」「環境への...
「段階の世代」で有名な堺屋太一氏の著作。好きで何回も読んだ本だが改めて再読。読みやすくコンパクトな文庫本だが、組織論の名著だと思う。 組織の良さの3要素「大きさ」「帰属意識と情報共通性」「目的達成能力」が相互矛盾する難しさがある点。 組織の死に至る病「機能体の共同体化」「環境への過剰適応」「成功体験への埋没」の3つ。 これを押さえておくだけでも、組織の健全性を見る目はずいぶん養われるだろう。 皆さんの所属組織の健全度はどうだろうか?
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企業や役所は、もともと「機能体」として作られた組織だが、組織そのものに、「共同体」化していく契機が埋め込まれているというのは、その通り。下部組織含め、構成員の満足が目的となってしまう。マネジメントは、その揺らぎを感じつつ、「機能体」としての「強さ」を最大限発揮するようにすること(...
企業や役所は、もともと「機能体」として作られた組織だが、組織そのものに、「共同体」化していく契機が埋め込まれているというのは、その通り。下部組織含め、構成員の満足が目的となってしまう。マネジメントは、その揺らぎを感じつつ、「機能体」としての「強さ」を最大限発揮するようにすること(企業なら、最小のコストで最大の利益を上げること)。確かになぁ。 面白かったのは、組織を動かす上で欠かせない人と、その評価。 漢の劉邦の言葉から、組織を動かす上では、①現場のトップ(将軍)、②参謀、③補佐役の3種類の人が欠かせないとのこと。③補佐役は、なかなか思いつかない。 さらに、プロイセンのモルトケの法則を取り上げ、参謀として最も要職につけるべきは、「能力大にして意欲小」なる者としている。能力・意欲ともに大の者の方がよさそうな感じもするが、こういう人間は、どこかでトップと衝突する可能性がある。 わき道にそれるが、モルトケの法則で思い出すのは、エクヴォルト男爵/ドイツ国防軍上級大将の言葉。 将校には四つのタイプがある。利口・愚鈍、勤勉・怠慢である。 ・利口で勤勉なタイプで、これは参謀将校にすべき ・愚鈍で怠慢なタイプで、これは軍人の9割にあてはまり、ルーチンワークに向いている。 ・利口で怠慢なタイプは、高級指揮官に向いている。なぜなら確信と決断の際の図太さを持ち合わせているからだ。 ・もっとも避けるべきは愚かで勤勉なタイプで、このような者にはいかなる責任ある立場も与えてはならない。 堺屋太一という人は、本当にスゴイ人だなぁと改めて思う。役所の中に、こういうことを考え、それを表現できる人がいたというのは驚き(今でもいるのだろうか・・・)。
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日本の会社組織の改善につながるヒントが書かれ 2回3回と読み返したい本。 組織の弊害に陥っている認識を得るためにも 経営者、従業員共に一読しておく価値のある本だと感じた。
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1.この本を一言で表すと? 組織が滅ぶ条件、組織が変革する要因について、著者がまとめた本。 2.よかった点を3~5つ ・「共同体」と「機能体」(p107) →この定義が本書の中で重要。 ・軍隊の二つの定義(p47) →自己完結性は知らなかったので、興味を持った。 ・「機能体...
1.この本を一言で表すと? 組織が滅ぶ条件、組織が変革する要因について、著者がまとめた本。 2.よかった点を3~5つ ・「共同体」と「機能体」(p107) →この定義が本書の中で重要。 ・軍隊の二つの定義(p47) →自己完結性は知らなかったので、興味を持った。 ・「機能体の共同体化」(p170) →とても理解しやすく納得できる。共同体化は「正論」で誤魔化されやすいと思う。 ・環境への過剰適応(p187) →常に変化を受け入れることが重要だと思う。 ・組織の欠陥を隠す予算不足と人材論(p212) →自分はいつもヒト不足を言っていたので考えを改めたい。 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・「利益質」の提言(p300)は理解できなかった。 ・全体的に6章は内容が浅く感じた。 3.実践してみようとおもうこと ・自分の考えが 5.全体の感想・その他 ・機能体の共同体化と、環境への過剰適応がキーポイントと思う。 ・帝国陸海軍が失敗ケーススタディーとして取り上げているが、様々な本で失敗例として取り上げられているのが面白い。
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ありそうで中々ない、組織論にフォーカスして深掘りした本。日本史から組織の盛衰に繋げている点がわかりやすい。機能体/共同体の概念などは、日本の民族性からできるタテ社会について理解を深めてから読むと、非常にしっくりくる。
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組織学の本として最初に手にした本である。組織とは、組織の条件とは、組織の上に立つ人間とは…様々なことをケーススタディから学ぶという視点に立ち、読める本だった。企業が迎えた時代を、どのようにして乗り越えるのか。どんな企業が衰退していき繁栄していくのかを記した書籍でした。 一番好きな...
組織学の本として最初に手にした本である。組織とは、組織の条件とは、組織の上に立つ人間とは…様々なことをケーススタディから学ぶという視点に立ち、読める本だった。企業が迎えた時代を、どのようにして乗り越えるのか。どんな企業が衰退していき繁栄していくのかを記した書籍でした。 一番好きな部分を以下に挙げておく。 石炭会社に集まった優秀な人材が、なぜ会社の衰亡を救えなかったか A、日本の企業が好んで採用する「優秀な人材」が、一流大学を出た成績優秀者であることが原因である。一流大学を優れた成績で卒業したことは、経営能力や商売上手を証明するものではない。頭がいいことを証明しているわけですらない。それによって証明されているのは、試験が上手であったということだけである。
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組織論というものはよく聞くが、組織『そのもの』にスポットを当てた本というのは思っていた以上に少ない。その少ない本の中で、いち早く組織そのものに目をつけた一人が堺屋太一氏である。失敗事例としての豊臣家、帝国陸海軍、石炭産業など軽く取り上げており、それだけでも読み物として面白い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
企業組織の改革と創造の示唆提供と組織論の体系を広めるために書かれたという書。1996年発表。組織の構成要素、良い組織の定義など体系的に組織の本質的な意味を切り出しているところは秀逸。1989年を「戦後型組織」の終焉として、3つの神話、土地・株は上がる、消費の拡大、雇用の保証の終わりを描いているが、まだ2010年代にも、それにしがみついている企業はあるのではないか。組織が「死に至る病」、機能組織の共同体化、環境への過剰適応、成功体験への埋没を、どうのがれるのかについて視点が持ち出されているが、もうすこし体系化できそう。「失敗の本質」と併読が、楽しい。
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