モロイ の商品レビュー
『ゴドーを待ちながら』を読んで、とても良かったので、こちらに手を伸ばした。 改行しない文体はそれほど気にならなかったが、読み進めていくうちに、自分の頭の中もおかしくなっていくような気がして、気分が悪くなって読むのをやめた。嫌な気持ちになりながら読まなくてもいいや、と勇気を振り絞っ...
『ゴドーを待ちながら』を読んで、とても良かったので、こちらに手を伸ばした。 改行しない文体はそれほど気にならなかったが、読み進めていくうちに、自分の頭の中もおかしくなっていくような気がして、気分が悪くなって読むのをやめた。嫌な気持ちになりながら読まなくてもいいや、と勇気を振り絞って。
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なぜかはわからないけどある瞬間に無性に読みたくなって、読むとものすごく心が落ち着いて、けどそれがどうしてだかはやっぱりわからない、というのが最後まで続いた。会社の昼休憩に読んで泣きたくなるような心地さえした。 この小説をなにかの枠組みにおさめたり、それらしい言葉で形容したりするこ...
なぜかはわからないけどある瞬間に無性に読みたくなって、読むとものすごく心が落ち着いて、けどそれがどうしてだかはやっぱりわからない、というのが最後まで続いた。会社の昼休憩に読んで泣きたくなるような心地さえした。 この小説をなにかの枠組みにおさめたり、それらしい言葉で形容したりすることにはあまり意味があると思えないけれど、自意識の小説だ、と思いながら読んだ。たとえば「すっかり参っていた(48頁)」と書いたときのモロイの述懐に代表される、語ること、さらには語ることでそのたびにこぼれてゆくもの、そうして最終的にはその語り手である自身、そういうものへの意識が絶えずこの小説には絡みついている。 モロイが庭に横になって男たちにまたがれていきながら消えてしまった自転車に言及するところと、モランが息子と自転車に乗って転ぶところがめちゃめちゃ好きだった。
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改行の重要性を感じる。 とめどなく考えが移ろっていくモロイの頭の中が面白い。 物語がどう収束していくのかが謎すぎる。
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ベケットの小説三部作の第一作は『ゴド待ち』と同様二部構成。後半のモラン編はまだ通常の小説の構成を取っておりその行動の滑稽さや情けなさを笑うこともできるのだけど、全編改行を挟むことなく内面の独白が延々と続く前半のモロイ編は圧巻だった。ここでは世界を構造として理解する能力が失われてし...
ベケットの小説三部作の第一作は『ゴド待ち』と同様二部構成。後半のモラン編はまだ通常の小説の構成を取っておりその行動の滑稽さや情けなさを笑うこともできるのだけど、全編改行を挟むことなく内面の独白が延々と続く前半のモロイ編は圧巻だった。ここでは世界を構造として理解する能力が失われてしまった様で、思考は形を成したと同時に次の思考の入口となり、そして入口としての役目を果たし終えた途端に次々と解体されていく。眠れない夜のとりとめのない思索というより、記憶を飛ばして二日酔いを迎えた時の酩酊感と言うべきか。恐るべし。
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モロイは足が黒くコチコチになって曲げることができませんが、それが左足なのか右足なのか分かりません。窓の外に月が見えても、部屋が動いたのか月が動いたのか分かりません。モロイは母親の元へ向かっていますが、母親がどこにいるかしりません。そもそも母親の名前も知らないし、自分の名前も思い出...
モロイは足が黒くコチコチになって曲げることができませんが、それが左足なのか右足なのか分かりません。窓の外に月が見えても、部屋が動いたのか月が動いたのか分かりません。モロイは母親の元へ向かっていますが、母親がどこにいるかしりません。そもそも母親の名前も知らないし、自分の名前も思い出せません。刑事モランはモロイを探して旅立ちますが、見つけてどうするのか知りません。そもそも自分の職業がなんなのかもよく分かりません。 これを評価することは難しいですが、とりあえず読んで爆笑しました。
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高校のとき読んだ。ベケットってことだけは覚えてた。 久々に読んでみた。 なんで当時はまらなかったのか謎。 ベケットの文章は中毒性が強い。 最初から最後までふらふらしてるモロイ。 モランは途中から墜ちていく。 類似点も対比も興味深いし、反復のおかしさっていうものがあって好き。...
高校のとき読んだ。ベケットってことだけは覚えてた。 久々に読んでみた。 なんで当時はまらなかったのか謎。 ベケットの文章は中毒性が強い。 最初から最後までふらふらしてるモロイ。 モランは途中から墜ちていく。 類似点も対比も興味深いし、反復のおかしさっていうものがあって好き。 ベケットの作り出す、執着に近い”あえての馬鹿らしさ”とでも形容すればいいのか、そういうユーモアはたくさんの作家がやろうとしていたことだろうけれども、成功している作家はとても少ない。 昔夜型生活送って、夜は一日中街にいて昼ドトールとマックで寝てた。そんな日々をなぜか思い出した。
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ベケット『モロイ』読了。 興奮しているのが、脳みそのどの部分なのかがよく分からない。 でもたのしい。 ベケットと同じ誕生日なのが今さらながらにうれしい。 読み終えるのにずいぶん時間がかかった。 『ゴドーを待ちながら』を読んだときの 冬で寒くて家に帰って急いでお湯で手を...
ベケット『モロイ』読了。 興奮しているのが、脳みそのどの部分なのかがよく分からない。 でもたのしい。 ベケットと同じ誕生日なのが今さらながらにうれしい。 読み終えるのにずいぶん時間がかかった。 『ゴドーを待ちながら』を読んだときの 冬で寒くて家に帰って急いでお湯で手を洗って寒さを溶かすような感覚 はなかった。 場所も時間も人も動く。 数年前の「ベケット・サミット」懐かしいなぁ。
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某図書館の閉架受付の女の子が抜群に可愛い。ただそれだけの為に隣の隣の街の図書館まで足繁く通ってこの類の本を閉架から取ってきてもらう。こういう男の見栄は非常に情けなくていいと思う。話はたったこれだけでなにも進展はない。諸君、書を捨て街に出よう。
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