論語の読み方 の商品レビュー
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論語の入門書。著者の聖書の本を読んで、ついでに論語の方も読んでみた。 論語の内容は自分自身の道徳として断片的に知っていても、系統立てての知識ではなかったので、この本の内容は大変参考になった。でも判っていても、実践するのが難しい。 各章の目次は以下の通り。 1章いま、なぜ『論語』なのか―戦後民主主義の「常識」を乗り超えるために 2章偉大なるリアリスト 孔子の素顔―乱世にひたすら秩序を求めつづけた「偉人」の生涯 3章「有教無類」生涯学びつづける精神―実人生を豊かにする知恵こそ「学問・教育」の本当の目的 4章「礼楽」人間社会繁栄の方法―社会と個人を共に律する「秩序」の在り方 5章「信」人間性を見抜く基準―二千五百年来不変、孔子の説く「社会人失格」の条件とは 6章「下学」人間を創りあげる基盤―「集団」に自己を活かす秘訣と品性を高める心構え 7章「上達」人望を得るための条件―社会のリーダーとして信用される人物像とは 8章「仁」人それぞれの歩むべき道―自己を完成さす「生涯教育」の方法は、いかにあるべきか
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「巧言令色鮮なし仁」論語といえば40年近く前に高校の漢文で習ったこの章句と、巻頭の「朋あり遠方より来たる、亦た楽しからずや」くらいしか知りませんでした。人生の教訓、道徳の古典といった硬いイメージしかなく、特に親しみもありませんでしたが、数年前にたまたま手にして以来(なぜ手にしたの...
「巧言令色鮮なし仁」論語といえば40年近く前に高校の漢文で習ったこの章句と、巻頭の「朋あり遠方より来たる、亦た楽しからずや」くらいしか知りませんでした。人生の教訓、道徳の古典といった硬いイメージしかなく、特に親しみもありませんでしたが、数年前にたまたま手にして以来(なぜ手にしたのか理由は思い出せない)すっかりその魅力に取り憑かれて、愛読書ともいえるような身近な読み物になりました。 私にとっての論語の魅力は、孔子とその弟子たちとの関係を中心に、リアルな人間ドラマが描かれているところです。高い志や理想ばかりではなく、多くの挫折や悩みや悲しみが描かれ、それにもかかわらず人生は学びであり、学ぶことは楽しいという孔子の優しく明るいメッセージが伝わってくるところです。 山本七平「論語の読み方」も、等身大の人間孔子に焦点を当てて その魅力を様々な角度から語っていて、深く共感しました。 あたかも孤独な長距離走で伴走者を得たような気分です。 また論語を読み返すのが楽しみになりました。
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論語とは何か、どういうものなのかを解説した本 現在の日本は世代をまたがった共通の古典をなくしてしまった。だが、共通の規範がなければ信頼感は得られない。論語は我々日本人のベーシックになっている点も多いが、内容が誤解されている点が多々あり、それらも紐解いていく 聖書などのように時代、人によって解釈が異なっていく点が非常に面白い。だが、聖書まで解釈が困難なものはなく十分に読み解ける。また儒学自体が日本などで異なった解釈で固いイメージがついてしまったものも、実は違うということが書かれており、非常に面白い。 論語で気に入ったものを一つ抜粋。 「予めそれを教えないでおいて、いきなり死刑にする。これを虐という。放任しておいていきなり実績を示せと責任を追及する。これを暴という」日本は相当に暴虐な社会である
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『論語』の内容を、現在の教育の現場から失われてしまった「徳育」の本として読み解いています。 『論語』は生涯学びつづけることの大切さを説いている書物だと著者は考えます。裕福になるために学問をするのではなく、あくまでも学問のために学問をすることを孔子はすすめました。ただし、だからと...
『論語』の内容を、現在の教育の現場から失われてしまった「徳育」の本として読み解いています。 『論語』は生涯学びつづけることの大切さを説いている書物だと著者は考えます。裕福になるために学問をするのではなく、あくまでも学問のために学問をすることを孔子はすすめました。ただし、だからといって象牙の塔にこもって訓古注釈に励むことを良しとしたわけではありません。学問は社会的実践に結びついていなければならないというのが、彼の考えでした。 たとえば孔子は、礼楽を学び重んじなければならないといいます。しかしそれは、煩瑣な作法を墨守することをすすめたのではありません。日本社会は、「法・契約的秩序」に基づいている西洋とは違い、「礼・楽的秩序」に基づいているとして、このような社会を円滑に運営していくための精神を孔子は説いたのだと著者は主張します。こうした社会では、礼とは外的拘束であると同時に内的規範であり、礼にしたがうことを通じて人格が陶冶されることが重要だと考えられます。 孔子にとって「教え」は単なる「知識」ではなく、社会人としての実践的な規範の意味をもつものでした。こうした実践的規範を内在化することによって、人格的な完成である「仁」へ向かってたえず歩みつづけていくことの大切さを説いているのが、『論語』という書物だと著者は語っています。
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勝手に作り上げていた論語に対するイメージを良い意味で打ち壊し、再編集してもらったような感じだ。特に孔子という人の温かい人柄を浮き彫りにした。論語に対する関心を一段と高めてくれた。
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