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砂の本 の商品レビュー

3.6

14件のお客様レビュー

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2018/01/06

2009年2月23日~25日。  相変わらず面白い。  特に「贈賄」「砂の本」にはゾクゾクした。  併せて収録されている「汚辱の世界史」も面白いのだが、ちょっといま一つだったりもした。  吉良上野介の章なんかは、日本人作家が書いたようにも思えて、別の意味で面白かった。

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2013/08/21

「他者」 70過ぎのボルヘスが20歳に見たない頃の自分自身と会うという、ドッペルゲンガー。嘘か本当かわからない話。同一人物なのに、年齢が違うとわかりあえないか。 「ウルリーケ」 作者(老年)がウルリーケという女性とイギリスのヨーク市で出会い、一夜をともにするまで。 「会議...

「他者」 70過ぎのボルヘスが20歳に見たない頃の自分自身と会うという、ドッペルゲンガー。嘘か本当かわからない話。同一人物なのに、年齢が違うとわかりあえないか。 「ウルリーケ」 作者(老年)がウルリーケという女性とイギリスのヨーク市で出会い、一夜をともにするまで。 「会議」 謎の世界会議の一員になる。結局、会議の目的は果たされなかったが(しかしそれこそが目的だったかもしれない)、解散する最後の夜が貴重なかけがえのない体験になったという話。 「鏡と仮面」 王様に詩を献上する詩人は、最後にはほんの数語のみの(一行?)究極の詩に到達し、彼は自殺し、王様は物乞いになって放浪するようになったという。 「汚辱の世界史」 ボルヘスが語る忠臣蔵もある。 p234 川に死体を投げ込むということはp132(「円盤」)と共通

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2012/10/17

特に強く心に残ったのは、 「砂の本」より、 他者 ウルリーケ 鏡と仮面 砂の本 ★ これらとは一生つきあっていきたい。 「汚辱の世界史」は澁澤風。 「エトセトラ」は別。 無限。円環。夢。運命。セルフと他者。絶対。終わりと始まりの連結。

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2012/06/17

現実と非現実。幻。読んでいるうちによくわからなくなってくる。読んだ後にふわーっと考えに耽ってしまったり、取り残されて戸惑ったりする。たまに読んで、異世界に浸りたくなる。んー やっぱ買っとこうかなあ。

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2012/05/20

 ”砂の本”、”汚辱の世界史”から成る短編集。だが”砂の本”自体が掌編の集まりであり、”汚辱の世界史”も史実の人物の紹介と掌編による作品なので、単に短編集と書くのは違うかもしれない。  ”砂の本”は13の掌編とボルヘス自身による後書きを加えた構成である。通い慣れた公園で過去の自分...

 ”砂の本”、”汚辱の世界史”から成る短編集。だが”砂の本”自体が掌編の集まりであり、”汚辱の世界史”も史実の人物の紹介と掌編による作品なので、単に短編集と書くのは違うかもしれない。  ”砂の本”は13の掌編とボルヘス自身による後書きを加えた構成である。通い慣れた公園で過去の自分と出会ってしまう”他者”。無いはずの物を在ると信じ込み、積み上げてきたものを放り出しても追ってしまう”円盤”。読むたびにページの組み合わせが変わっていく本が出てくる”砂の本”。それら奇妙な設定に惹き付けられるが、その物語から浮かび上がってくるのは人の弱さや醜さである。人の業、人間臭さを感じてしまう。  次に”汚辱の世界史”では、上述のように史実と掌編から構成されている。その掌編は架空の人物と出来事を史実のように記述する。すると史実の文章と掌編の文章の区別が曖昧になっていく。史実と架空が互いに浸食を始め、史実がまるで物語に、物語がまるで本当にあった出来事のように錯覚を起すのだ。現実が揺さぶられていく感覚が読書を通じて伝わってくる。

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2012/05/30

作品集「砂の本」+「汚辱の世界史」+α。 『伝奇集』より読みやすかったけど、 なんというか……シュール。 一般的な意味合いとはちょっと違うニュアンスで。

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2011/08/03

もう一つの代表作である短編集。伝奇集の代表作が「バベルの図書​館」なら、こちらは表題となっている「砂の本」でしょうか。第一​ページや最終ページを開けることができないし決して読み終えるこ​ともできない、という恐ろしい(?)本の話。

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2011/08/02

短編集『砂の本』と、歴史上の悪党を取り上げた列伝風の散文集『汚辱の世界史』を収録。ボルヘス3冊目。この作品でも繰り返される〈円環〉、〈無限〉といった幻想的なモチーフに酔いしれる。収められた物語はどれも魅力的で、強烈なイメージ。その短さをもったいなく思うこともしばしば。 博識っぷり...

短編集『砂の本』と、歴史上の悪党を取り上げた列伝風の散文集『汚辱の世界史』を収録。ボルヘス3冊目。この作品でも繰り返される〈円環〉、〈無限〉といった幻想的なモチーフに酔いしれる。収められた物語はどれも魅力的で、強烈なイメージ。その短さをもったいなく思うこともしばしば。 博識っぷりにも圧倒されるものの、やはりどこか胡散臭さも感じてしまう。まあ、そこが魅力でもあるんだけどw。 「円盤」、「砂の本」、「学問の厳密さについて」あたりが特に好き。

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2011/04/05

ようやく読み終わった。だいぶ時間がかかってしまった。 この本は、限られた時間に読むべき本ではない。何時までとか、この時間内だけとか、そういう決められた時間にさらりと読むに相応しくない。たっぷりとした時間を有している時に " さあ これから読むぞ " と心を決...

ようやく読み終わった。だいぶ時間がかかってしまった。 この本は、限られた時間に読むべき本ではない。何時までとか、この時間内だけとか、そういう決められた時間にさらりと読むに相応しくない。たっぷりとした時間を有している時に " さあ これから読むぞ " と心を決め、どっしりと構えて読むような本である。私はそう思う。 小説でも物語でもなく文学である。

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2010/04/17

むちゃくちゃ難しいです。「考えるな 感じろ」ってことですかね。「砂の本」(wikipediaを予言したような話)よりも、冒頭の作品「他者」が印象に残ってます。全てが煙に巻かれるような作品群。

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