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寺田寅彦の生涯 の商品レビュー

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2023/02/25

 寺田寅彦の伝記・評伝で,珠洲市民図書館にあった1冊(市民図書館には2冊しかなかった)。  先に紹介した伝記とは違い,こちらは,ちゃんと科学者としての寺田寅彦のことも章を割いて書かれている(「理化学研究所および寺田物理学」,本書247ぺ~287ペ)。どんな研究をどんな弟子たちとし...

 寺田寅彦の伝記・評伝で,珠洲市民図書館にあった1冊(市民図書館には2冊しかなかった)。  先に紹介した伝記とは違い,こちらは,ちゃんと科学者としての寺田寅彦のことも章を割いて書かれている(「理化学研究所および寺田物理学」,本書247ぺ~287ペ)。どんな研究をどんな弟子たちとしたのかが分かった。  本書は,寅彦の人生を年代を追って綴っているというわけではない。著者があるテーマを設けて,そのテーマに関する情報を集めてきてまとめているのだ。だから一つ一つの章が,読み切りものとなっているので,読みやすいといえば読みやすい。ただ,読みながら寅彦の年表でも作成しようかと思うと,時間が前後していて,なかなか大変ではある。実際,わたしは,伝記を読むときには常に年図を作っているのだが,今回もきれいにはできなかった。残念。  ところで収録された文章の「初出」には次のようなものがある。「信濃」「熊本の下宿」「厳父・利正」「父と娘」「悪妻ということ」「女のこと」「漱石との関係」「寅彦の金銭感覚」「Kのこと」「絵と津田青楓」「寅彦と書風」  本書の章立てが,この初出の文章のとおりになっているわけではないし,これ以外にも新たな文章は収められている。  内容は大変豊富なので,寅彦の人となりがよーく分かるであろう。  それにしても,58歳だなんて,早世だったなあ。

Posted byブクログ