筑紫哲也のこの「くに」のゆくえ の商品レビュー
『この「くに」の冒険』の前に発表された一冊。 「ニュース23」にて、多事争論といふ、新聞で言へばコラムのやうなコオナアを活字化したものが中心であります 「まえがき」によると、1995年の阪神淡路大震災から僅か二か月後の出版らしい。まだオウムが事件を起こす前のタイミングのやうです。...
『この「くに」の冒険』の前に発表された一冊。 「ニュース23」にて、多事争論といふ、新聞で言へばコラムのやうなコオナアを活字化したものが中心であります 「まえがき」によると、1995年の阪神淡路大震災から僅か二か月後の出版らしい。まだオウムが事件を起こす前のタイミングのやうです。 筑紫哲也さんは、「くに」といふ言葉に重きを置く。この「くに」は「国家」といふ意味ではありません。昔は地域社会をさう呼びました。「くにから出てきてからウン十年」なんて、年配者にはまだ「くに」の意識がありました。若い人はどうでせうか。 すべて経済的物差しで測る現在、「くに」は田舎といふ概念に収斂されたやうな気がします。 筑紫さんは週末は東京に殆ど居なくて、全国各地の「くに」を見てきました。確かに過疎に苦しむ自治体は多いですが、地元の努力により、自立してゐる土地もあるさうです。 そんな所は、人口が少ない為、都会と同じやうな運営は無理。やはり農業・畜産業・漁業などが中心になりますが、人々は豊かなのです。従つてスーパーもコンビニもありません。必要ないからです。それを以てGDPがどうのこうのといふ中央の人達は少しずれてゐる、とまあそんな事も筑紫さんは述べてゐます。 立花隆さんは常々筑紫氏の事を「筋金入りのリベラリスト」と評します。今の世間が大きく右傾化する今、リベラルは「左翼」と同義語みたいに捉へる人も殖えてゐるやうです。筑紫氏は自分の意見が大勢と異なることを承知の上で番組を続けてゐたのです。これは相当のエネルギイが必要ですよ。多事争論で少数意見を述べる時は、「今日は苦情の電話が殺到するぞ」と予告してスタジオ入りしてゐたさうです。 筑紫氏はわたくしにとつて羅針盤のやうな存在でした。もし存命なら、現在の政権をどのやうに評するでせうか...... http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-785.html
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