江戸切絵図貼交屏風 の商品レビュー
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私は辻さんの文学が好きで、結構読んでいるが、今回が1番感心しなかった。 辻さんは、巻末に「物語の面白さを取り戻したい」という気持ちを持って書いたことを表明されている。 全7編の物語全てが藩のいざこざがあり、敵討やなんだと同じようなテーマの変奏になっているが、私には逆に退屈に感じられた。 辻さんは東京育ちで江戸への愛着があると言っているが、その江戸の風情や情緒を描くのは成功している。現に、東京で生活する私の心の琴線に触れるから。 そういう江戸の生活こそ見ていたいと私の希望と、辻さんのこの小説の狙いが大きく外れたゆえに、私の不満の原因があるのだろう。 それにしても、一介の与力が、藩の内部事情が詳しく分かったりするのだろうか?と常々疑問だった。
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どちらかといえばヨーロッパの薫りがある辻邦生さんの江戸もの。しかも捕物帳。 言葉使いにやや難があるが、それが気にならないぐらい小説として一級品。 この小説話題にならなかったのかなあ…。 (解説が鈴木博之先生というのも素晴らしい!)
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ふと見かけ、久しぶりに辻邦生さんの端正な文章が読みたくなって買いました。 しかし・・・・。 捕物としては失敗でしょう。謎が謎になっていない。 江戸情緒を描いたものとしても、もう一つもの足りません。 このくらいの作品なら、何も辻さんでなくても。そう思える作品ばかりの気がしま...
ふと見かけ、久しぶりに辻邦生さんの端正な文章が読みたくなって買いました。 しかし・・・・。 捕物としては失敗でしょう。謎が謎になっていない。 江戸情緒を描いたものとしても、もう一つもの足りません。 このくらいの作品なら、何も辻さんでなくても。そう思える作品ばかりの気がします。
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(「BOOK」データベースより) 刀を捨てて浮世絵師になった歌川貞芳。彼の描く艶やかな美人画には、数々の悲恋、心中、仇討ちの秘話が、さらにその背後には幕藩体制の軋みが隠されていた。湯島、根津、向島…江戸の賑わいと四季のめぐりの中で、懸命に生きる人々の息づかいを甦らせる短篇連作。町...
(「BOOK」データベースより) 刀を捨てて浮世絵師になった歌川貞芳。彼の描く艶やかな美人画には、数々の悲恋、心中、仇討ちの秘話が、さらにその背後には幕藩体制の軋みが隠されていた。湯島、根津、向島…江戸の賑わいと四季のめぐりの中で、懸命に生きる人々の息づかいを甦らせる短篇連作。町と人と絵とが鏡のように映し合う三曲一双屏風。
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