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コミュニケーション不全症候群 の商品レビュー

3.9

20件のお客様レビュー

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80年代から増え始め…

80年代から増え始めた、他人とかかわり合う事を極度に恐れる若者たち…今、子供達の中で何が起きているのか、オタク文化に詳しい著者が語る。

文庫OFF

オタクなどを取り上げ…

オタクなどを取り上げながら現代の姿を読み解いています。現代を生きる苦しさのようなものを感じ、個人的には何度も読み返したくなる本ではありません。でも書かれてあることには全部ではないけれど頷けます。5年、10年、20年後の「現代」はどうなっているのか・・・想像するのも怖いです。

文庫OFF

「オタク」を捨てられ…

「オタク」を捨てられない男、ダイエットに走る女、病巣はどこにある?!中島梓の切れ味めっぽうするどい評論。

文庫OFF

2024/11/26

やや著者の主観とフロイト的解釈のフィルターが入りすぎている気もするが、オタク、ダイエット、BLを切り口に91年当時の世相を鋭い視点で切り取った読み応えのある一冊。 たしかに一理あるなと納得できる部分も沢山あり、また今なお続く社会問題に感じる部分も多かった。

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2024/04/20

1995年発行、筑摩書房のちくま文庫。現象はするどく看破している、しかし原因になると「選別される」側の適応というが、現在のネットの発達による「選別される」側にも「選別する」側にもなり、また選別圧力も一部では弱まった現在でも現象は変わっていないのはどう評価するのか。どうも原因の解説...

1995年発行、筑摩書房のちくま文庫。現象はするどく看破している、しかし原因になると「選別される」側の適応というが、現在のネットの発達による「選別される」側にも「選別する」側にもなり、また選別圧力も一部では弱まった現在でも現象は変わっていないのはどう評価するのか。どうも原因の解説する時に自分の経験などに寄せて考えすぎているのではないのか。結局この人は全てを自分に寄せていたのではないか。活動の後半で一部のシリーズものを覗いて、根強いファイン入るが一般受けしない作者になってしまったのは、それが原因ではないか。 あとがき:「あとがき‐遠くにいる友へ」(1991年7月17日)中島梓、解説:『解説「母の崩壊」の後で』犬塚英志、備考:1991年8月、筑摩書房より刊行、

Posted byブクログ

2023/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まともって何だ。中学生ぐらいから今まで漠然と考えてきたことだ。まともとは社会に適応できていることだと思う。そう考えるならば、私は社会に適応できていない、まともではない人間だ。 小説家でもある中島梓さんが書いた評論だ。30年前に刊行されたが、現在の社会や人間のことを思うと作中でまるで予言していたかのような言説も見受けられる。 ”私たちはみんなひとしなみに、コミュニケーション不全症候群であると思うが、それは必ずしも私たちの個体としての素質からきたものであるのではなく、むしろ、コミュニケーション不全症候群というかたちで私たちは現代という、適応不能が頂点に達した時代に適応しようとしているのではないかという気がする。” 『コミュニケーション不全症候群』p26 おタク趣味やダイエット、BL作品を好む少女。これらはいまの社会へ「過剰に適応」した結果だと中島さんは書いている。そして「過剰に適応」することが、なぜおタク趣味、ダイエット、BL作品の愛好につながるかも書いている。ここまで読んでいて不安に思った方へ断っておきたいのが、中島さんはおタク趣味やBL作品を好むことについて「そんなのおかしい」と非難しているわけではない。むしろ今の社会において、そうなってしまうほうが当然なのでは?とすら言っている。一方で「ダイエット」については警鐘を鳴らしている。それは明確に健康を害し、命の危険も迫ることだからだ。なぜ「ダイエット」をこんなにもやらなきゃ、と思う人が多いのか。また刊行当時は女性が「ダイエット」をしている風景が多いときだが中島さんは男性も「ダイエット」をするようになってきた。するようになるとも書いている。「ダイエット」というのは数値的に健康の心配があるからすることではなく、美容目的の「ダイエット」ということだ。少女(女性)を巡る「ダイエット」のあれこれも「過剰な適応」である。 少年や少女をここまで追い詰めるものの正体は何なのか。そしてその病巣である社会と向き合っていくためには。自分の病をしっかりと知ることと、知らないままでいるとどのようになってしまうのか。目次の最後の章にある『コミュニケーション不全症候群のための処方箋』で、それまで述べたことへの処方箋が出される。この章は中島さんが少年や少女に、そしてかつて少年や少女だったあなたへ向けてのやさしいく厳しく、たしかなメッセージを記してくれている。まともじゃなくたって生きてい期待!そう考えるあなたへの一冊。

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2020/05/08

積読にしようか迷ったんだけど、自分の中で、最初と最後の章、加えて一つの例として最初のオタクの章、それだけ読んだら、結構内容は網羅出来てるんじゃないか、と思えた次第。オタクのところで、繰り返し感が垣間見えてしまい、読み続けるのが辛くなった。本作での不全感は、『ケーキの切れない~』を...

積読にしようか迷ったんだけど、自分の中で、最初と最後の章、加えて一つの例として最初のオタクの章、それだけ読んだら、結構内容は網羅出来てるんじゃないか、と思えた次第。オタクのところで、繰り返し感が垣間見えてしまい、読み続けるのが辛くなった。本作での不全感は、『ケーキの切れない~』を合わせ読むと、少し見え方が違ってくるのかも、と思ってみたり。 

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2019/07/30

栗本薫の別名だとは知らなかった。著者が今の「オタク」「ダイエット」「やおい(今のBLとはまたちょっと違うと思う)」を言語化し、社会を掴み、彼ら(でもあり向かい合ってもいる私たち)はどのように生きていくべきか。 JUNE系やダイエット症候群の生き方精神の置き場や理論が断定と普遍化さ...

栗本薫の別名だとは知らなかった。著者が今の「オタク」「ダイエット」「やおい(今のBLとはまたちょっと違うと思う)」を言語化し、社会を掴み、彼ら(でもあり向かい合ってもいる私たち)はどのように生きていくべきか。 JUNE系やダイエット症候群の生き方精神の置き場や理論が断定と普遍化されすぎてどこまで正しいかはともかく、納得できるところもある。また、彼らは現代社会の負け組なのではなく、現代の暮らし考え方に適合した結果であり、それも一つの形なのだと思えた。語句の選び方、伝え方がドンピシャで流れるようで、文章が上手い人だった。 現代の若者像(オタク層)を考える上で、一度は読んでおきたい。何回も読み返したい。

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2015/05/04

オタク、拒食症・過食症、ボーイズラブ...。これらが引き起こす凄惨な事件や悲劇。社会全体の歪みの原因であるコミュニケーション不全症候群と、その立ち向かい方、心構えについて書かれた評論。もう24年前の作品です。 著者の中島梓は、SFやミステリー等を中心に書く作家の栗本薫氏が、評論を...

オタク、拒食症・過食症、ボーイズラブ...。これらが引き起こす凄惨な事件や悲劇。社会全体の歪みの原因であるコミュニケーション不全症候群と、その立ち向かい方、心構えについて書かれた評論。もう24年前の作品です。 著者の中島梓は、SFやミステリー等を中心に書く作家の栗本薫氏が、評論を書くときのペンネーム。要は同一人物ですね。 愛されたい、という現代の病。嫌われたくない、とも言い換えられそうですが、昨年の大ベストセラー『嫌われる勇気』を想像しました。 やはり20年以上前も今も、自分を周りを比較して、ダメな自分を勝手に膨らまして病的に陥ってしまう、と。これが現代病なのだと思います。 決して他人事ではなく、自分にも思い当たる節がありますし(だから『嫌われる勇気』を読んだわけですし)、それを「自覚」して行動するのが大事なんですね。 中島氏もいうように、自分を直視する勇気、自分を認識する勇気、これを忘れずにしたいと思います。 いつか自分の子供がこういうことに悩むときが来たら、是非伝えていきたい。 社会全体の問題も、こういうことの啓蒙が少しずつ世の中を変えていくのだと思います。

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2014/05/18

いま本屋にあふれるハウツー本。「できる人の○○」… 「できる人」ってつまり「好印象を持たれる人」? そんな事を思ったら本書191ページへ。 書かれてから20年近く経っているが、内容は古いどころか現代をするどく看破している。 ”この社会、現代という時代は基本的に病気なのだ。”

Posted byブクログ