自我と無意識 の商品レビュー
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読書会課題本。かなり久しぶりの再読。今改めて読んでも、フロイトやユングは元祖トンデモと思う。訳は比較的平易だが、ユング特有の用語や言葉遣いに慣れてないと、かなり大変だろうとは思う。じっくり読むなら心理学辞典などを傍に置いた方が良いだろう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
集合的無意識、アニマ、ペルソナなど、心理学で有名な概念について知ることができます。 (ゲーム『ゼノサーガ』の考察のために購入しました。) ・集合的無意識 何もないところから、ヒョイと湧き出してくるように感じる無意識が、実は、そうではなく、人間の脳という共通した規格から生まれるために、必然的に類似しているという概念は、大変合理的に感じました。 ・アニマとペルソナ アニマとペルソナは対立物であり、補償関係にある。 ペルソナは「ひとりのひとが、何ものとして現れるか」ということに関して、個人と社会との間に結ばれた一種の妥協である。 アニマは自律的コンプレックスであり、男性においては、女性というものの無意識集合的なイメージである。無意識との関係組織。注意すべきこととして、自分の内面、魂=アニマではない。
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一回読んで腹に落ちなかったので、もう一回。 集合的無意識と、阿頼耶識の共通点を考えるために読んだんだけど、ユングのさりげない例えとか、症例の紹介が面白くてたまらない。 『誰しも内に、罪人と天才と聖人の何がしかをもっている』というのは、人間のあり方を上手く表現しているなあ。...
一回読んで腹に落ちなかったので、もう一回。 集合的無意識と、阿頼耶識の共通点を考えるために読んだんだけど、ユングのさりげない例えとか、症例の紹介が面白くてたまらない。 『誰しも内に、罪人と天才と聖人の何がしかをもっている』というのは、人間のあり方を上手く表現しているなあ。人間って、みんなが少しずつ狂っているものであるという表現をした人もいたけど。 女性患者が、ユングを恋人として頼ってしまうという症例に関しては、もう、なにその客観的な表現は…。最終的に離れて行った女性への未練の裏返しなのかとも勘ぐってしまう。 集合的無意識と個人的意識の間で曼荼羅の要素が出てきたのも面白い。人種を超えて共通するものを人間が持っている可能性というのは考える楽しさを与えてくれる。 個人的には、この本を読んで、人格が変わる瞬間というのに興味を持った。自分にもこういう瞬間が訪れるかと想像して、楽しむ。
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ユングの著書の中でも、とりわけ無意識や自己、そういったところを扱っているということで。 やはり、彼はフロイトと袂を分かつべきだった。フロイトが無いけど在るものに気付いたのなら、ユングはそれはなぜ存在してしまったのか、考えようとしている。フロイトはその存在を考えることなく、前提とし...
ユングの著書の中でも、とりわけ無意識や自己、そういったところを扱っているということで。 やはり、彼はフロイトと袂を分かつべきだった。フロイトが無いけど在るものに気付いたのなら、ユングはそれはなぜ存在してしまったのか、考えようとしている。フロイトはその存在を考えることなく、前提として認め疑うことがなかった。それに比べてユングはそれを疑ってしまった。もうフロイトからはみ出ざるを得ない。それどころか、心理学者というところからもはみ出ざるを得ない。彼が心理学の中で異彩を放つのは、心を超えた、意識を超えた、存在を超えた真実在をみてしまったから。彼もまたわかってしまったひとの部類に入ると思う。(彼のことばで言うなら、「感じて」しまった) 哲学や宗教と一線を引くために、あえてそういったところに言及していないが、彼が考えたことは何千年も前に哲学や宗教が同じことを考えていた。たまたまそれが自己であったりいわゆる心理学的言葉を使っているだけで、宗教や哲学が語る魂を彼もまた考えていたのだ。仏教ではひたすら統合を求める(悟り)一方で、彼は分離(自己実現)を志向する。一見逆なことをしているが、やっていることはどちらも同じ。論理を超えた存在。自我と無意識、ペルソナとアニマ/アニムス、その対立を超えたところにある自己。見事なまでに弁証法。 そうしたものの働きは呪術として、錬金術として歴史的に形をとってきた。オカルトを研究していたのではなく、オカルトによってそれを喩えたに過ぎない。 最後に彼も述べているが、科学を超えた純粋な「思考」としてこの著書は存在する。(ただし、彼の言うところの思考は意識を働き。「思考」とは自己の働き) ただ、彼の「感じる」や「男性的」「女性的」ということばはひどく誤解を招いてしまうように感じられた。「感じる」は「わかる」ということであって、「五感」のことではない。五感を感じているその存在のことだ。「男性的」「女性的」というのは意識と無意識といった「相補性」を表すための便宜上の概念だ。また、彼もまたソクラテスのように鮮やかに騙している。自己のもたらす働きを述べながらも、自己そのものについて何一つ語っていないのだ。どうしてもそれが知りたい。
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文化庁長官を務めた故・河合隼雄さんがユング派心理学の心理療法士でしたが、そのユング派心理学の始祖であるユング自身が自らの考える心理というものを解説した、いわば入門書的な自著が本書にあたるようです。読解が難しいですが、個性のうちの独創性というものの養い方が読み方によってはわかるよう...
文化庁長官を務めた故・河合隼雄さんがユング派心理学の心理療法士でしたが、そのユング派心理学の始祖であるユング自身が自らの考える心理というものを解説した、いわば入門書的な自著が本書にあたるようです。読解が難しいですが、個性のうちの独創性というものの養い方が読み方によってはわかるようになります。
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心理学のイロハも知らず河合さんの「ユング心理学入門」を読んで満足しているだけの自分には所々難解に感じました。
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比較的平易。 ユング関連の書物では三冊目に読んだものであるが、この本を最初に据えれば、前二冊の理解も容易になっただろうと思われる。
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書は、ユングが多年にわたる経験から得た所見をできるだけ平易に、なんの予備知識も持たない読者に解き明かそうと努めたものであって、ペルソナ、アニマ、アニムス、自己といったユング心理学の基礎概念について、これほど丹念な説明を加えた自著は他にほとんどないといってよい。
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