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入り口を間違えた日本(上) の商品レビュー

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2014/08/04

「栗本慎一郎自由大学講義録」第4弾上巻。 加藤典洋の「「日本という身体」はどうつくられたか」では、「大」「新」「高」というキー・ワードをもとに、「日本的なるもの」の身体的・情緒的基盤を考察しています。 山口昌男の「敗者の歴史に学べ」では、江原素六、山中共古、大槻如電といった人...

「栗本慎一郎自由大学講義録」第4弾上巻。 加藤典洋の「「日本という身体」はどうつくられたか」では、「大」「新」「高」というキー・ワードをもとに、「日本的なるもの」の身体的・情緒的基盤を考察しています。 山口昌男の「敗者の歴史に学べ」では、江原素六、山中共古、大槻如電といった人物の業績を紹介し、旧幕臣などの「敗者」が官学アカデミズムの外部で活躍したことを明らかにしています。 田中克彦の「言語が「近代」を成立させた」では、近代になって広まった「言語専制主義」とも言うべきイデオロギーを解き明かしています。 吉見俊哉の「「道具」で責められた日本人」では、近代日本の学校教育における運動会を例に取り上げて、国家が身体をどのように管理してきたのかというフーコー的なテーマを論じています。 三戸公の「家なくして日本なし」では、日本的経営の背景に「家」という伝統的価値観が控えているということが語られていますが、現代ではこうした文化的要因を重視する説明に疑問が寄せられていることにも留意するべきでしょう。

Posted byブクログ