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ももたろう の商品レビュー

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2011/07/15

日本の昔話301話を集めた全5巻の全集。ももたろうや一寸法師、はなさかじいなど、特に昔話に興味がない人でも知っているような話を含めて、主だったものはだいたい収録されています。1巻は正月から春、2巻は田植えの頃、3巻は夏、4巻は秋、5巻は冬といった感じにざっと季節ごとに振り分けられ...

日本の昔話301話を集めた全5巻の全集。ももたろうや一寸法師、はなさかじいなど、特に昔話に興味がない人でも知っているような話を含めて、主だったものはだいたい収録されています。1巻は正月から春、2巻は田植えの頃、3巻は夏、4巻は秋、5巻は冬といった感じにざっと季節ごとに振り分けられています。このシリーズでよいのは、できるだけ元の形に忠実に再話されていること。よく駅で売っている、アニメ風の挿絵がついた薄い昔話本を買うと、かちかち山でおばあさんが死ななかったり(ばばあ汁にしておじいさんに食べさせてしまうところがある意味この話のキモなのに!!)、タヌキが改心してみんなで仲良くなってしまったりしていてびっくりするのですが、この全集では偽善的な改作は一切ありません。これはそのうちの第3巻。この巻には沖縄の話がいくつか載っています。沖縄の話は本州の話とは毛色がちょっと違って、少しエキゾチックな感じがします。中で子どもに受けたのは『手斧(ちょうな)息子』。手足が刃物でできていて、友達と遊ぶたびに怪我をさせてしまうという「まことにあぶない子ども」が主人公です。およそあり得ない展開で鬼退治をし、最後は手足の刃物も取れてめでたしめでたしとなるのですが、「こんな話、絶対に思いつかない」と感心しました。1話1話が短いので、夜の読み聞かせ向きでもあります。(2010/10/6追記)10/5放送のNHKの爆問学問を見ていたら、テーマが昔話で、登場されたのが「小沢俊夫」先生。どこかで聞いた名前だなぁと思ってよく考えたら本書の著者でした。小澤征爾さんの兄で小沢健二さんの父なんだとか。そもそもドイツ文学が専門で、グリムの研究をされていたのだそうで。知らなんだ。

Posted byブクログ