草原の記 の商品レビュー
蒼き狼に続くモンゴルもの。蒼き狼はチンギスカンを中心とする話だったけど、こちらはツェヴェクマさんというある女性を中心としたエッセイのような本。 モンゴルがどういう歴史で今の形にあるのか、人々はどう周りの世界に翻弄されたのか、淡々とした文章ながら、この薄い一冊にずっしりと来るものが...
蒼き狼に続くモンゴルもの。蒼き狼はチンギスカンを中心とする話だったけど、こちらはツェヴェクマさんというある女性を中心としたエッセイのような本。 モンゴルがどういう歴史で今の形にあるのか、人々はどう周りの世界に翻弄されたのか、淡々とした文章ながら、この薄い一冊にずっしりと来るものがあって、多分忘れられない一冊になりそう。味わい深い一冊。
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モンゴル好きの司馬遼太郎の本。モンゴルの自然・風土と人の性質を描いたもので、最後は結構泣かせる。ああ無常です。
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モンゴルは少しだけ馴染みがあるが、実際にはそのほとんどを知らない国です。 この本を読んだ事で雄大な高原と空が独特の文化とそこに住む人の誇りになっている事が伝わってくる。
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街道をゆく、モンゴル紀行に通訳として出てきたツェベクマさんという女性の半生と草原を描いた話。 とても好きなお話です。 短編なので昨夜の夜のお供に。 文化大革命で離れていた旦那さんを見送る下りがなんとも、、、尊敬。 DVDの街道をゆくにも出演されてて、感慨深かったです。 大...
街道をゆく、モンゴル紀行に通訳として出てきたツェベクマさんという女性の半生と草原を描いた話。 とても好きなお話です。 短編なので昨夜の夜のお供に。 文化大革命で離れていた旦那さんを見送る下りがなんとも、、、尊敬。 DVDの街道をゆくにも出演されてて、感慨深かったです。 大好きなので、★は5。
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財宝が何であろう 金銭が何であるか この世にあるものはすべて過ぎ行く 永遠なるものとは何か それは人間の記憶である 人間はよく生き、よく死なねばならぬ それだけが肝要で、他は何の価値もない チンギスハーンの子孫、オゴタイハーンの言葉 大草原に憧れて、出会いに導かれて、...
財宝が何であろう 金銭が何であるか この世にあるものはすべて過ぎ行く 永遠なるものとは何か それは人間の記憶である 人間はよく生き、よく死なねばならぬ それだけが肝要で、他は何の価値もない チンギスハーンの子孫、オゴタイハーンの言葉 大草原に憧れて、出会いに導かれて、モンゴルへ行ってきた 今でも遊牧をして生活をする人がいて 狩猟や釣りを日常的に行う人もいる 動物の糞を燃料にしてテントに泊まり、星空の下で寝、 夜明けとともに起きる そしてまた放牧と、狩猟と、釣りをする ビルの雑踏の中で、毎日パソコンとにらめっこしている現状とは違う、 全く違った生活を体験したくて、モンゴルの友人訪ねた モンゴルは本当に空と草原が壮大で綺麗、それを見て育ったからか、 人の心も広くて穏やかで親切。 食事は小麦粉と羊の肉がメインだけど、美味しかった。 そして何より友人と一緒にいって、ふざけたり、綺麗なものを一緒に感動したり、 時間と感動を共有出来たのが一番。 また行きたいと思う、次は狩りをしに。 お世話になった友人の家族、一緒に行った人に感謝しよう。 旅の詳細は後ほど 本当に楽しかったなー A ship in a harbor is safe, but that is not what a ship is built for.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『モンゴル紀行』で通訳だった不思議な魅力をもつ女性ツェベクマさんの話。でも話がすぐ横道にそれるので少々げんなりしてしまった。まあ必要な歴史観なのだろうが。寡欲なモンゴル人を象徴する言葉、オゴタイ・ハーン「財宝・金銭がなんであるか。この世のあるものはすべて過ぎゆく」「永遠なるものとはなにか。それは人間の記憶である」。そして草原の匂い漂う壮大なモンゴルの風土と照らし合わせて、歴史に流されない一人のモンゴル人女性を描いていた。冒頭の『空想につきあっていただきたい』読み終わってからその意味を理解した
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旧制大阪外国語学校(現大阪大学外国語学部)で蒙古語学を専攻した、司馬遼太郎の心のふるさと?モンゴルについて語ったエッセイ。 いや「モンゴル」、というよりも、草原? 儒教に基づく農耕文明の華である、漢民族よりは匈奴、契丹と 蔑まれたが、彼らはチンギスハーンの時代から、元にいたるま...
旧制大阪外国語学校(現大阪大学外国語学部)で蒙古語学を専攻した、司馬遼太郎の心のふるさと?モンゴルについて語ったエッセイ。 いや「モンゴル」、というよりも、草原? 儒教に基づく農耕文明の華である、漢民族よりは匈奴、契丹と 蔑まれたが、彼らはチンギスハーンの時代から、元にいたるまで、 アジアから中央アジアそして遠くヨーロッパまで版図を拡大した。 その地域に根付いた文化もあったし、彼らは文化の伝播役ともなった。 しかし、驚くべきほどのかの民族の物欲のなさ。 なんか読んでて、肩の力が抜ける、ホットできる作品でした。
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司馬遼太郎の年来の心のふるさとであるモンゴルについて語った紀行であり評伝である。 モンゴル民族は、著者の言葉を借りれば、「奇跡的なほどに欲望すくなく生きて」きたのである。 このふしぎな民族を象徴させるように、13世紀に帝国の基礎を築いたオゴタイ・サーンと現代史の非情を淡々と生...
司馬遼太郎の年来の心のふるさとであるモンゴルについて語った紀行であり評伝である。 モンゴル民族は、著者の言葉を借りれば、「奇跡的なほどに欲望すくなく生きて」きたのである。 このふしぎな民族を象徴させるように、13世紀に帝国の基礎を築いたオゴタイ・サーンと現代史の非情を淡々と生きぬいた知的な女性「ツェベクさん」対比的に登場させ、心奥の詩の散文化された文章として、自由な座談調で書かれている。 モンゴルに始まりモンゴルで終わった著者の文体の芸が完成された作品となっている。
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久しぶりに司馬遼太郎。短い文章だけどつたらるものが多い気がして、モンゴルの壮大な風景画目に浮かんできました。モンゴルに行きたくなった!
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この本を読んで、漢民族と草原の騎馬民族の考え方が根本的に違う根っこの部分が、始めて納得できた。 司馬御大はエッセイも素晴らしいが、この本の書き出しは絶妙だと思う。 以下に引用する。 「空想につきあっていただきたい。 モンゴル高原が、天にちかいということについてである。」 この2行...
この本を読んで、漢民族と草原の騎馬民族の考え方が根本的に違う根っこの部分が、始めて納得できた。 司馬御大はエッセイも素晴らしいが、この本の書き出しは絶妙だと思う。 以下に引用する。 「空想につきあっていただきたい。 モンゴル高原が、天にちかいということについてである。」 この2行だけで、中国史を好きな人なら、様々なことが脳裏を駆けめぐり、思わず自分も司馬御大と一緒に空想してしまうことだろう。
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