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「戦前」の思考 の商品レビュー

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2014/02/04

講演集。なので他の著書と比べて格段に平易です。というよりもいささかの単純化を感じるような。他の著書を理解するための手引書にするといいかもしれません。 《近代の超克》論的な思考とポストモダンの重なり、に関するはなしがとても興味深い。主体性批判自体は目新しいものではないけれど、9条と...

講演集。なので他の著書と比べて格段に平易です。というよりもいささかの単純化を感じるような。他の著書を理解するための手引書にするといいかもしれません。 《近代の超克》論的な思考とポストモダンの重なり、に関するはなしがとても興味深い。主体性批判自体は目新しいものではないけれど、9条と絡めるあたりが。あとは柄谷さんにとっての「文学」がいかなるものかをこの本で確認して、現代にあって柄谷さんの言う意味での「文学」はもう小説とかじゃないんだろうなっておもいました。サブカルとかもひっくるめた表象文化論とか哲学とかなのかなあみたいな。文学好きらしいエリート意識みたいなのでそれを嘆くのは簡単だけれども、もっと単純に、ああわたしが生まれてしまったのはそういう時代なんだ、と。時代のせいにしてしまってはいけない。いけないけれども、文学があらゆるものを含んだ時代、文芸批評が実質的に思想をになっていた時代、そういうのをわたしも体験したかったですほんとうに。

Posted byブクログ