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遊女の足蹴 の商品レビュー

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2025/06/10

およそ五世紀頃のパータリプトラ、ウッジャイニー。古代インドの遊里を散歩しながら、遊女たちやその恋人たち、色とりどりの情景を描いていく美しくも楽しい四篇の戯曲。『カーマ・スートラ』のような教義書ではなく、これはひたすら文芸の精華であります。遊郭といってもこのバーナ劇というジャンルに...

およそ五世紀頃のパータリプトラ、ウッジャイニー。古代インドの遊里を散歩しながら、遊女たちやその恋人たち、色とりどりの情景を描いていく美しくも楽しい四篇の戯曲。『カーマ・スートラ』のような教義書ではなく、これはひたすら文芸の精華であります。遊郭といってもこのバーナ劇というジャンルには生活苦とか苦界というイメージは縁遠く、ルキアノスの『遊女の対話』のような戯作とはまた興味が異なる。 官能を歌っても「風流の遊び」という節度から外れることがない、愛らしく、時々シニカル、大体において反権威的というバランス感覚には、古典劇にもこうも鮮度の高い印象の作品があるのかとは、まず驚き。邦訳の文がまた洒脱で、わたしは年々あれこれに疲れきったら本書の再読は癒やし気分のようです。広く読まれてほしいものだと思います。

Posted byブクログ