水晶のピラミッド の商品レビュー
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おもしろかったけど、いや、うーーーーーーん、これってどうなんでしょう……と読後モヤモヤ。 おもしろかったのは確か。だけど、前半部分の、交互にある古代エジプトとタイタニックの部分、こんなにいるかな? 「文明の溺死」っていうテーマというかなんというか、作品中に必要な部分ではあったんだと思うけど、量が多い。多い。 物語はおもしろくて、初めから悲劇が目に見えているから読み進めるのがちょっと辛かった。なのに、結局、全然本筋と関係なさすぎて拍子抜けというか…… ミクルとディッカとかマジで何にも関係ないじゃんか?! アヌビスも奇形の人とか、うーーーーーん。 文明批判でベトナム戦争批判からませてるのかな? いやしかしうーーーーーーーん。 トリックも、ちょっとなーー。最初のブラフのトリックでいいじゃん……。ピラミッドをポンプとするのはともかく、ホースとポンプでどうにかするとかさ、そういうのはまだ可能じゃん。はめ殺しの窓が枠ごと外れるとか、正直しょぼいなって思ってしまった。あと突然出てくる双子とかさ…… これまでのが衝撃的だった分、期待が大きすぎるのかもしれないけど、ちょっと残念だった。 犬が死んじゃったのは悲しかったね……。とても気持ちわかる。 人が死んで悲しい時、その人の嫌だったところを思い出したりすることもできるけど、犬や猫では楽しい思い出しかないものね。
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ピラミッドにまつわる雑学が出てくるのが個人的には面白く思う。この本と前後して似たようなトリックの小説を読んでしまったので、トリック自体はそれほどアッと驚くものではなかった。
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エジプトの話とタイタニックの話がとにかく長い。面白いけど、真相とは別に関係ない。 そしてエジプトの話はすごく救いがない… ミクル=アイーダ=レオナ×アヌビス=ディッカという構図?を仄めかしたかった? 御手洗が出てきてからは、さっさと物事が進んでスピード解決!ピラミッドを使った壮大なトリック!と表向きに思わせておいて、真相は手動。
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重厚長大という四字熟語がぴったりの、まるで辞書のような小説であったが、少しも疲労を感じさせなかった。 リーダビリティに関してはもう云うことはないだろう。冒頭のエピソードから、結局事件には直接関係は無かったのだが、物語に幻想味を持たせるためのファクターとなる古代エジプトの挿話とタイタニックの挿話がそれ自体1つの短編として機能するほどの質を備えている。 よく考えてみたら、なんと贅沢な一冊なんだろう、これは!!
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島田氏、また凄い本を書きよって。 『暗闇坂の人喰いの木』を読んだ時はスケールの大きさにびっくりしたけど、本作品はその比じゃない。 なんせ、古代エジプトの話と、タイタニック沈没の話と、現代の話がない交ぜに構成され、そこにピラミッドの謎が入り込んでくる。 現代に怪物も出てくるし、これ、さすがに収拾つかないのでは…と不安にさせられた。 アメリカのとある島に造られたクフ王のピラミッドをそっくり模した建造物で殺人が起こる。その現代ピラミッドに付属する塔の7階で溺死体が見つかるのだ。そこに『暗闇坂の…』に登場したレオナが絡んできて、レオナが御手洗に解決を依頼して、やっと御手洗登場。 ピラミッドに関する諸説の話は凄く興味深くて、専門書を読んでみたくなった。 『暗闇坂の…』の石岡君のスコットランド旅行記が、本作品ではエジプト旅行記に代わる訳だけど、これまた素晴らしい紀行文で、ギザに行きたくなる。島田氏、異文化に触れた人の感銘を表現するのホント上手い。 古代エジプトのターンも、田舎の娘が都会に出てくる高揚感とか、ギザの美しさとか、景色が目の前に浮かぶような文章で、なかなか読ませてくれた。ここに出てくるピラミッドの原型の様子はおそらく一説に基づく創造なんだろうけど、凄く説得力あった。 結局現代パートとのリンクはほのめかす程度のものだったけど、読み物として面白かった。 現代ピラミッドの下部に海からアクセスする通路や秘密部屋があることを御手洗が暴くあたりから「こんなの分かるか!」って気分にさせられて、現代ピラミッドの仕掛けを御手洗が解く場面では「バカミス!!!」とめちゃ突っ込みを入れた。殺されたはずのリチャードの声が幻?えっ、御手洗そんな非科学的な説明で済ませるの??みたいな。 しかし! そこからの大どんでん返しで本作品は逸品の仲間入りですよ。 まぁこれも突拍子もないし(禁断の双子オチだし)、密室のはめ殺し窓踏み外して脱出って!(褒めてる)とは思ったけど、ピラミッドポンプ説よりずっと現実味があって納得できた。 御手洗の頭の良さも堪能できたし。 レオナの突然の「ホモなの?」発言も良かった(?)。 島田氏の作品はいつも派手だ。 最終的には期待に応えてくれた、満足の一冊だった。
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本格推理小説の代表作家。ただトリックが大掛かりすぎて、実際には無理だろうというものが多い。でも面白いよ。
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古代エジプトの悲恋、タイタニック号の悲劇、そしてメキシコ湾の孤島に出現した巨大なピラミッドで起こる殺人事件! 三つの時代、三人の語り手によって語られる悲劇が、探偵・御手洗潔によって完結する! というわけで、本作も島田先生の十八番・「全然関係ない話に無理くり関係性持たせちゃう」...
古代エジプトの悲恋、タイタニック号の悲劇、そしてメキシコ湾の孤島に出現した巨大なピラミッドで起こる殺人事件! 三つの時代、三人の語り手によって語られる悲劇が、探偵・御手洗潔によって完結する! というわけで、本作も島田先生の十八番・「全然関係ない話に無理くり関係性持たせちゃう」スキルがいかんなく発揮されております(めっちゃ褒めてる)。 牽強付会も甚だしくない?と眉をひそめる向きもあるでしょうが、現代に出現した怪物が零したある人物の名前にまんまと慄然させられた私は、結局は島田先生の掌で転がされてるんだなと思いました(作文)。 古代エジプトで生き埋めにされたはずの人物が、現代のアメリカに異形のモンスターとなって出現した?! モンスターの目撃情報が相次ぐエリアの中心地にある謎の巨大ピラミッドは、何のために作られたのか?! そんなピラミッドを眼下に望む塔の天辺の部屋(密室)で、大富豪が溺死体となって発見される!!! 謎がてんこ盛りでお腹いっぱいです島田先生ありがとうございます。 島田作品に関しては、斜め屋敷にも代表されるトンデモトリックが魅力の一つなんですが(叩かれる要因の一つでもある笑)、今作はそのトリックのネタ出しの後で思いもよらない小粒(笑)トリックが披露されたのが可笑しかった。 これねー、島田先生、一部の偏屈なミステリスキーを挑発してるとしか思えませんよ(笑)。 「どんなあっと驚くトリックをこっちが考案しても、君達は粗探しするんでしょ?それなら僕こういうショボいトリック書いちゃうけどいいの?ん?」 って(笑)。 御手洗が最初に披露した「表向き」のアンサーにかなり早い段階で食いついたのが悔しい(笑)。 「ある場所」に溜まっていた水が海水だって指摘した御手洗と一緒にドヤ顔になった読者は私ですよクッソー(笑)。
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御手洗潔シリーズの大作。ボリュームもさることながら、古代エジプト、タイタニック、現代と続く時間と空間の広がりに圧倒されました。ミステリー要素も最後までわからない展開。そしてピラミッドの解釈に驚きです。
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ピラミッドが王の墓でなかったなら、何であるのか?このことを中心に展開するミステリー。確かに長いのですが、後半の謎解きとその展開は読ませます。
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今回も長いお話だったけれど全く退屈しませんでした。ただ前半の所がもう少し暗闇坂のようにのちのち関連するのかと思ったからそれは残念。最後はお見事 御手洗の愛犬が死んだことがショック…御手洗が欝になるのもわかるよ
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