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ミミズと土 の商品レビュー

3.9

13件のお客様レビュー

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『種の起源』で提示し…

『種の起源』で提示した進化論で著名なダーウィンの論文「ミミズの働きによる肥沃土の形成およびその習性の観察」完訳です。地味な書ですが、勉強になります。

文庫OFF

2024/10/18

素晴らしい本でした。 ミミズという小さい一存在が、多様な生物が交わる世界に与える甚大な影響とその広さにセンスオブワンダーを味わった。 土中の栄養分や土壌の形成に与えるミミズの役目ほど大きなものはない。 世界を巨視的な視点で捉えた『種の起源』とは打って変わった、極小の世界から捉える...

素晴らしい本でした。 ミミズという小さい一存在が、多様な生物が交わる世界に与える甚大な影響とその広さにセンスオブワンダーを味わった。 土中の栄養分や土壌の形成に与えるミミズの役目ほど大きなものはない。 世界を巨視的な視点で捉えた『種の起源』とは打って変わった、極小の世界から捉えるダーウィンの残した記録群に想像力を鍛えられました。

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2020/05/29

ダーウィンが亡くなる前年に発表した、ミミズについての研究論文。 ミミズの観察記録ではありますが、「進化論」で有名なダーウィンがなぜ革新的な結論を出せたのか、彼の思考方法がわかる本でもあると思います。 「一事が万事」とも言いますが、論文が発表された当時は取るに足らない存在と思わ...

ダーウィンが亡くなる前年に発表した、ミミズについての研究論文。 ミミズの観察記録ではありますが、「進化論」で有名なダーウィンがなぜ革新的な結論を出せたのか、彼の思考方法がわかる本でもあると思います。 「一事が万事」とも言いますが、論文が発表された当時は取るに足らない存在と思われていたミミズが地球の広大な大地を耕し続け、その景観を豊かなものにしていたとは誰も考えられなかったことです。 取るに足らない微細な変化を細かく検証していくことで、人間の寿命を遥かに超えた地球の歴史を読み解くそのスケール感こそ、ダーウィンが生物の進化を読み解けた理由なのだと感心しました。 思えば戦後焼け野原だった東京が、世界一の大都市になったくらいですから、人類が生まれる前から存在しているミミズの営みが地球上に豊かな土壌を作ったとしても全くおかしくないのかもしれません。 目まぐるしい時代ですが、ダーウィンのように大きなスケールで目の前のことを丁寧に拾っていくことが大事なのかもしれません。 内容についてですが、論文なので観察記録がずっと続きます。単位もインチ表記であったり、写真もないので、私のような門外漢には少し辛いです。最後の方は流し読みでした。 最後の「結論」の章と解説を読み、気になるところを本文から探してお読みいただくのが手っ取り早いかとも思いますが、ダーウィンの凄さ、面白さはやはりミミズに嫌われそうなくらいの観察だと思うので、我慢してでもお読みいただきたいです。そう思って読むと結構笑えます。 この研究の協力者の中にも2年にもわたってミミズの糞塊を集め続けたボランティアのご婦人が出てきますが、世の中捨てたものではありません。 ダーウィンは40年もこの研究を続けていたわけですから、300ページくらいはあっという間です

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2019/06/21

ダーウィンがミミズに関して書いているなんて知らなかったけど、これがダーウィンが亡くなる1年前に出版された最後の著作、すなわち集大成の書物であるという。 主題はミミズがつくる「土」についてである。 ミミズ1匹1匹は小さきものなれど、寄り集まって1エーカー(0.4ha)あたり1年...

ダーウィンがミミズに関して書いているなんて知らなかったけど、これがダーウィンが亡くなる1年前に出版された最後の著作、すなわち集大成の書物であるという。 主題はミミズがつくる「土」についてである。 ミミズ1匹1匹は小さきものなれど、寄り集まって1エーカー(0.4ha)あたり1年に10トンもの「肥沃土」を作り出す、という。 いわゆる肥沃土というのはミミズの排泄物なのであり、ミミズがその土を何度も何度も体を通過させることによって、イギリスのいい土の大半を作り出しているくらいの勢いなのである。 しかしさすがダーウィン。ミミズと土についての細密を極めた観察と実験と考察には目を瞠る。なるほど天才というのは天才的なひらめきだけではなくて、こういう地道な毎日の積み重ねの産物なのね、と唸りたくなる内容なのであった。

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2018/11/24

欲しくて親父にもらった本 小さな変化が膨大な時間をかけて、壮大な変化を遂げる、これは、進化論など、ダーウィンの関心の全てに通じる光景 ミミズが、土をのみ、排泄し、を何十年も何百年も繰り返すことで、岩だらけの土地が、平らな草原へと変わっていく、岩が、古代の遺跡が、土の中に沈んで...

欲しくて親父にもらった本 小さな変化が膨大な時間をかけて、壮大な変化を遂げる、これは、進化論など、ダーウィンの関心の全てに通じる光景 ミミズが、土をのみ、排泄し、を何十年も何百年も繰り返すことで、岩だらけの土地が、平らな草原へと変わっていく、岩が、古代の遺跡が、土の中に沈んでいく そして、肥沃な土地が表れる これは、一つの生き物が成し遂げることの出来る極北であって、風や海や川や地震にもならべられる仕事を、数センチの生き物が成し遂げる、という美し過ぎる光景 そしてそれを数十年を超えて観察する、というこれまた1人の人間に出来る事の極北のような仕事 フールオンザヒルが聞こえるぜ

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2014/09/22

ダーウィンの亡くなる1年前に出版された,彼の最後の書である.40年にわたるミミズの研究は一般にはまったく知られていない.彼のきめ細かく丁寧な実験や,発掘調査には読み進めながら固唾を呑む思いがする. ほんの小さなミミズが長い年月で土壌へ多大な影響を与える結論は,ほんの小さな変化の...

ダーウィンの亡くなる1年前に出版された,彼の最後の書である.40年にわたるミミズの研究は一般にはまったく知られていない.彼のきめ細かく丁寧な実験や,発掘調査には読み進めながら固唾を呑む思いがする. ほんの小さなミミズが長い年月で土壌へ多大な影響を与える結論は,ほんの小さな変化の積み重ねが生物界を変えていく進化論にもつながる. 巻末のグールドの解説もすばらしい.

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2011/07/29

カテゴリー的に,関連するテーマの本ですが『進化論』よりもおもしろかったです。ミミズというミクロな生き物が,何年もかけてマクロな土壌を変えていくさまを,何年間もかけてダーウィンが綿密に調べたことを詳細すぎるぐらいに説明しています。 これを読んだら知能をもっている(であろう)ミミズを...

カテゴリー的に,関連するテーマの本ですが『進化論』よりもおもしろかったです。ミミズというミクロな生き物が,何年もかけてマクロな土壌を変えていくさまを,何年間もかけてダーウィンが綿密に調べたことを詳細すぎるぐらいに説明しています。 これを読んだら知能をもっている(であろう)ミミズを踏みつけないように,注意しながら歩いてしまう感じになりそうです。 ダーウィン最後の著作ということで,本書の最後にグールドが書いているように,ダーウィンが『種の起原』執筆以前から考えてきたことが,最後に全体を凝縮した形でミミズに全てをこめて書き上げた本だということがひしひしと伝わってきます。

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2011/05/11

内容(「MARC」データベースより) ミミズによる土壌の侵食をていねいに観察し、ミミズが土を耕耘・改良に大きな役割を果たしてくれていることを客観的に、量的に実証する。生態学の古典的名著、偉大なダーウィンの最後の著作。

Posted byブクログ

2024/01/16

ダーウィンの最後の著作。 石を砕き草を運び肉をかじり土を飲み込んで地面を耕していく、ミミズたちのささやかで壮大な営みの話。 無駄なく土掘りに特化された体の説明をみると、気色悪かったミミズが美しく見えてくるから不思議だ。 なんかいいなあ。 観察して見つけたことを延々と書き連ねてあ...

ダーウィンの最後の著作。 石を砕き草を運び肉をかじり土を飲み込んで地面を耕していく、ミミズたちのささやかで壮大な営みの話。 無駄なく土掘りに特化された体の説明をみると、気色悪かったミミズが美しく見えてくるから不思議だ。 なんかいいなあ。 観察して見つけたことを延々と書き連ねてあるだけ(に見える)けど、それが炎天下の道に座り込んで夢中でアリをみつめる夏休みの子供みたいに真っすぐな熱意で気持ちいい。 それでいて実は計算された構成なのが心憎い。 順番に読んでいったものを最後にさかのぼるまとめで、「あ、これ、そういえば主題があったんだ」と思い出す。 「道理」とか「ルール」とか「基準」とか、なんという言葉で表せばいいのかよくわからないんだけど、ものさしがちゃんとある。 自分の正しさを持ってる。それを自分の中だけに収めずに、筋が通っているかどうかを確かめて、順々に道理を説いて、伝えようとしてる。それがいい。 改行を多用しない昔風の段組がよく似合ういい文章。 気持ちよく読めた。

Posted byブクログ

2010/08/12

ミミズのことなどどうでもいい、という生き方もあります。けれどもミミズがすこし気になる、という人生もあります。ミミズを気にかける人は、とるにたらないことのなかから、神秘をさぐる感性を秘めているのです。 本書はダーウィン畢生の大作です。弘之の訳もこなれています。観察をくりかえし、事...

ミミズのことなどどうでもいい、という生き方もあります。けれどもミミズがすこし気になる、という人生もあります。ミミズを気にかける人は、とるにたらないことのなかから、神秘をさぐる感性を秘めているのです。 本書はダーウィン畢生の大作です。弘之の訳もこなれています。観察をくりかえし、事実の集積に努め、推論を深める、という科学者らしいプロセスがよく伝わってきます。けれんみなどありません。読者へのサービスもありません。淡々と叙述するその姿勢に波長をあわせ、過去からの問いかけを静かにうけとめるのが、この本の味わい方だといえます。 本文に退屈を感じるのであれば、スティーヴンの解説から読むのもいいでしょう。ダーウィンと真剣に格闘してきた人の矜持を感じてください。ミミズについて学ぶというよりも、ミミズがダーウィンの遺作としてふさわしいものであったことの含蓄を、想像力を駆使して味わいましょう。

Posted byブクログ