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人間の条件 の商品レビュー

4.4

66件のお客様レビュー

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『全体主義の起原』と…

『全体主義の起原』とならびハンナ・アレントの代表作です。本書の特徴は、「人間の条件」の最も基本的活動力を《労働》と《仕事》と《活動》の三側面から考察しているところです。ここでアレントが言わんとすることは、近代以降《労働》が優位となり、《仕事》と《活動》が人間的意味を失ったこと、そ...

『全体主義の起原』とならびハンナ・アレントの代表作です。本書の特徴は、「人間の条件」の最も基本的活動力を《労働》と《仕事》と《活動》の三側面から考察しているところです。ここでアレントが言わんとすることは、近代以降《労働》が優位となり、《仕事》と《活動》が人間的意味を失ったこと、その結果として、現代は「公的領域」が喪失され、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」に支配されていることが危険であるということです。オルテガの大衆批判に通じるところがありますね。現代日本のかかえる問題でもあり、読む価値は十分ある

文庫OFF

アレントは人間の基本…

アレントは人間の基本的活動力として、「労働」「仕事」「活動」の三つに区分し考察をはじめている。特に現在“働く”という行動を、「労働」と「仕事」に分けたことは興味深い。 人間は生きていくために「仕事」をし、生命を維持してきた。そして次第に社会・経済が発展し、人間はその呪縛から解き放...

アレントは人間の基本的活動力として、「労働」「仕事」「活動」の三つに区分し考察をはじめている。特に現在“働く”という行動を、「労働」と「仕事」に分けたことは興味深い。 人間は生きていくために「仕事」をし、生命を維持してきた。そして次第に社会・経済が発展し、人間はその呪縛から解き放たれた。 それに代わって、「労働」が生み出す生産物を消費することが豊かであるとされていった。その結果、消費を促し、しいては環境問題を引き起こしている。本書は、政治思想、経済、環境問題という課題に対し

文庫OFF

条件づけられた人間が…

条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察してます。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになり、こうした「人...

条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察してます。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになり、こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすというのが要旨です。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、

文庫OFF

2026/03/22

すごい名著!ただ難解で解説が必要。科学万能主義への批判であり、人間はただ健康で長生きすれば良いという現代の健康重視の価値観に疑問を投げかけている。これが1958年に出ている事にもびっくり。ハンナアーレントの思想は、多くの人に触れて欲しい。

Posted byブクログ

2026/03/14

人間の存在について考えさせられた。許しと約束、しかしそれも自由。まさに、人生は自分次第という結論に帰着しそうで、でもそのなかに人間としての条件が残っている。頭が痛くなりそうなくらい考えた。しかし、難解だった。

Posted byブクログ

2026/01/26

ギリシャのテクストの読み直しつつ現象学的アプローチによって、人間の活動力には肉体的な必要に迫られて行う「労働」、世界の「人間の工作物」全体を保つための「仕事」、その世界を超え出でて、人間世界において人と人の対話が行われる「活動」に分かれるとする。人間の意識はその初めから、存在論的...

ギリシャのテクストの読み直しつつ現象学的アプローチによって、人間の活動力には肉体的な必要に迫られて行う「労働」、世界の「人間の工作物」全体を保つための「仕事」、その世界を超え出でて、人間世界において人と人の対話が行われる「活動」に分かれるとする。人間の意識はその初めから、存在論的に異なる世界で、異なる活動力を持つように規定されているのである。ただし、これはあくまで現象学的記述であって、価値的なヒエラルキーがこれらにあらかじめ埋め込まれていることはないし、また存在論的な先後関係もない。よってこの三者のヒエラルキーは人間の意識のなかで変わりうるのであり、アーレントは現代の「労働」優先に危機感を抱く。

Posted byブクログ

2025/11/11

人はなぜ社会の中で労働優位の中にいるのでしょうか。それは当たり前のことなのでしょうか。 本書は、労働優位と経済重視の行き過ぎた社会を半世紀以上前に警告していた恐るべき本です。 (町田祐一先生) 日本大学図書館生産工学部分館OPAC https://citlib.nihon-u....

人はなぜ社会の中で労働優位の中にいるのでしょうか。それは当たり前のことなのでしょうか。 本書は、労働優位と経済重視の行き過ぎた社会を半世紀以上前に警告していた恐るべき本です。 (町田祐一先生) 日本大学図書館生産工学部分館OPAC https://citlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000220147&opkey=B176282461038843&start=1&totalnum=10&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=0000000000

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2024/06/18

難しすぎた。 通っている図書館になく、他の図書館から借りてもらっている本なので、すぐ返すわけにはいかず。

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2024/08/11

内容にも納得やし、自分の経験と結びつけて考えられる話も多い。人の前に現れるという経験をしないと、と思う。なるほどな、の段階にはいけたので、その上での意見は?

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2024/02/14

アーレントの軽快な文章構成のおかげでスラスラ読み進められるが、一つの言葉に対して特有の意味をもたせる彼女のスタイルに慣れるまでが大変。 本著で考察される労働、仕事、活動という三つの題目が西洋の歴史のなかで、どのようにして各時代を渡ってきたのか、その経緯をアーレントは入念に考察す...

アーレントの軽快な文章構成のおかげでスラスラ読み進められるが、一つの言葉に対して特有の意味をもたせる彼女のスタイルに慣れるまでが大変。 本著で考察される労働、仕事、活動という三つの題目が西洋の歴史のなかで、どのようにして各時代を渡ってきたのか、その経緯をアーレントは入念に考察する。 古代ギリシャを筆頭に言語の起源を辿ることで、その「言葉」そのものの語源、根本に立ち返りながら、意味の変遷過程を見据え、現代性を再考し、今一度冷静に捉え直す。 プラトンやソクラテスによってテオリアが活動の上位に置かれ、それ以降の西洋史を大きく支配することに至るが、近代において生産消費の活動そのものがその上位の位置を奪うに至る。 デカルト的懐疑も、その内省という終わりのない精神的活動を促進させる原動力ではあったが そうしてアルキメデスの点を見出したことこそが、近代特有の有用性、つまり自然そのものを理解する以上に、その生成「過程」を対象に向ける契機へとつながっていく。

Posted byブクログ