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倒錯の死角 201号室の女 の商品レビュー

3.3

6件のお客様レビュー

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初期の、叙述トリック…

初期の、叙述トリックばりばりの作品。折原一の本当のファンはこーゆーのが好きなんだろーけど、自分的にはいまいち。叙述トリックのための叙述トリックのような気がして。

文庫OFF

2024/01/03

最初は江戸川乱歩の作品を思わせていたが、読んでいるうちに、なんかへんだぞと思わせてくる。 最後の方は、ドンデン返しで確かにそうだったと伏線を回収する、見事でした。 上京してアパートでの一人暮らしを始めたOLの真弓は、絶えず隣家から覗かれている不安を覚える。そして隣家に住むア...

最初は江戸川乱歩の作品を思わせていたが、読んでいるうちに、なんかへんだぞと思わせてくる。 最後の方は、ドンデン返しで確かにそうだったと伏線を回収する、見事でした。 上京してアパートでの一人暮らしを始めたOLの真弓は、絶えず隣家から覗かれている不安を覚える。そして隣家に住むアルコール中毒の翻訳家大沢は、屋根裏部屋からアパートを覗くのを密かな楽しみとしているのだ。二人が織りなすドラマの果ては? 二人が綴っていった日記が告げる驚愕の真相とは? 著者が自信を持っておくる第一長編。

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2021/04/11

著者の長編第一作。著者のトリックの傾向は聞いて知っていたものの見破れず。後半の怒涛の展開は必見。デビュー作でこの完成度とは恐れ入る。文句なしの面白さだった。

Posted byブクログ

2020/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

折原一氏の『倒錯』シリーズ第2弾である。今回はアパートに住む女性と向かいの伯母の家に住む中年独身の翻訳家との「覗き合戦」趣向のドラマで云わば此岸と彼岸の倒錯物語である。 このシリーズの特色は結局登場人物皆が狂気の底にどっぷり浸かってしまう不気味さがあるのだが、その狂気が故に引き起こる事の真相を受け入れるか否かで折原作品の是非が決まるのだ。 私の評価としてはどちらかと云えば非に傾いた中立の位置である。なんせ、自分の娘が殺害された1年を実の母親が忠実に辿る事で犯人を始末するというプロット自体が乱暴である。いくら若く見えるとは云え、短大卒の娘と錯覚させるという趣向は無理があり過ぎ。ここら辺があまりにも現実味がなくて拒否反応を起こすのだ。 ここで「現実味」と表現したが、云うまでもなく私はミステリ自体に現実味がないのは十分承知である。奇妙な館があったり、絶海の孤島で殺人があったり、そんな事、何処に現実味があるのかという話であるが、物語を作る上で最低限のマナーというのはやはり世間並みの常識は暗黙のルールで守るべきだと思うのだ。今回のようなトリックのメインとなるこのネタは、本格推理もので不可能犯罪を論理的に解くのに、いやあ、実は犯人は超能力者でした、宇宙人でした、物云う動物でしたなんていうのと大差なく、かなりの横暴だと思う。娘の殺害までの期間を寸分たがわぬ再現する、また日記を完全に憶えているなどという趣向は無理があり過ぎだろう。それまでのプロセスがいかにも折原らしいねちっこさで面白かっただけに残念である。唯一各人が狂気に陥る理由は納得できるのがまだ救いであった。

Posted byブクログ

2014/12/28

折原一の『倒錯の死角201号室の女』を読了。著者の第一長編とされているが、正確には『五つの棺』(文庫版では『七つの棺』に改題)が存在する。 アルコール中毒で覗き趣味の大沢と覗かれている女、そして大沢とアル中病棟で一緒だったコソ泥。この3人の視点が入れ替わりで描かれている。 そ...

折原一の『倒錯の死角201号室の女』を読了。著者の第一長編とされているが、正確には『五つの棺』(文庫版では『七つの棺』に改題)が存在する。 アルコール中毒で覗き趣味の大沢と覗かれている女、そして大沢とアル中病棟で一緒だったコソ泥。この3人の視点が入れ替わりで描かれている。 その視点の活用法がまた巧みである。手紙や日記などを組み込むことにより、読者を騙すことに一役買っている。 倒錯シリーズで使われているトリックは判っていたので、いつもに増して注意しながら読み進めたが、殆ど不審な点を見つけられず、最終的に自分では解けなかった。気づいた時には遅いのだ。 しかし騙される快感はやはり心地よいもので、爽快感すら覚える。これはミステリというカテゴリの、一つの醍醐味と言えるだろう。 この倒錯シリーズは今回が二つ目。ミステリを読み始めた三年ほど前に『倒錯のロンド』を読んだが、その時も面白かった。出来としては『倒錯の死角』よりも上だったかもしれない。但し、当時はまだミステリの知識が殆どなかったことも、驚きを増幅させた原因の一つであったのは間違いない。 シリーズ最後の一つ『倒錯の帰結』はどう騙してくるか。出来ることなら見破りたいが、そうでなくともいい。来年には読む予定なので、今から楽しみである。

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2013/05/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

翻訳家・大沢芳夫が覗いていた向かいのアパートの201号室に住む女が殺害されて1年。伯母の住む家に帰ってきた大沢。201号部屋に入居した清水真弓。彼女を覗き見る大沢。真弓が書く母への手紙。会社に慣れてきた真弓が恋をした上司の高野。高野との不倫関係。アル中病棟で大沢と一緒だったコソ泥の曽根新吉の尾行。真弓の日記を盗み見る曽根。失踪した高野の妻。大沢の伯母の発熱。地下室に監禁される女。曽根が目撃した大沢が埋めた女の遺体。妊娠した真弓。高野の豹変。真弓の母親ミサコの婚約。高野が仕掛けた罠。ミサコの変化。

Posted byブクログ