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橋のない川(第7部) の商品レビュー

4.1

10件のお客様レビュー

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2024/05/01

胸がきゅっと詰まる。 地主から年貢を取られ自分らには米も何も残らず、シャバシャバの玄米粥を啜る。 そんな窮屈な人らの願いは農地解放された時、米を売って金持ちになることではないのだ。「白飯に炊いて…腹一杯、食いまんネ。そしたら、もう、極楽や。」 人の心の美しさは、図り知ることがで...

胸がきゅっと詰まる。 地主から年貢を取られ自分らには米も何も残らず、シャバシャバの玄米粥を啜る。 そんな窮屈な人らの願いは農地解放された時、米を売って金持ちになることではないのだ。「白飯に炊いて…腹一杯、食いまんネ。そしたら、もう、極楽や。」 人の心の美しさは、図り知ることができない。 章の終わり一文が自然の素朴さを歌うようで、毎回ため息の出る美しさだった。

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2023/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 小学校で先生が「人間に一番近い動物は?」。大半は「猿です。」一部の生徒は「エタです。」住井すゑさん(1902.1.7~1997.6.16)の「橋のない川」に橋を架ける作業、お疲れ様でした。第6部で一旦筆を置いたものの、90歳で第7部を完成! 「橋のない川(七)」平4.9刊行、399頁。ご本人は8部、9部への意欲を持たれていました。第7部は孝二とまちえに注目して読みました。きっと川に頑丈な橋が架かるものと信じ、全3670頁を読み終えました。大河小説でした。

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2020/11/22

読み始めは、咀嚼し辛い感情だったが読み進むにつれ、40年前がどんどん膨らんできた。怒涛の想いで一気読み。住井さんが30年余にわたり書き続けた大河のうねりは滔々と泊る所を知らない・・それどころか「福祉」というカテゴリーで21C の社会で新たな視点で対峙している。最終巻と言えども筆者...

読み始めは、咀嚼し辛い感情だったが読み進むにつれ、40年前がどんどん膨らんできた。怒涛の想いで一気読み。住井さんが30年余にわたり書き続けた大河のうねりは滔々と泊る所を知らない・・それどころか「福祉」というカテゴリーで21C の社会で新たな視点で対峙している。最終巻と言えども筆者死去によるそれでピリオドが打たれたわけだが、新たな書き手に期待はしない(風と共に去りぬの様に換骨奪胎の可能性)牛久の沼から下界を見下ろし小森の行方を微笑みつつ❓憂いの❓面持ちで眺めている事だろう。 昭和2年と言えば日本が最も暗黒の時間に突入して行く前夜・・それから令和に至る時間は生き証人もいるし、法の仕組みも変わっている。何といっても大日本帝国が消え、日本国になった。水平社はもとより、天皇制、家族観、農業形態etc  天地がひっくり返っている。 しかし、この時間があって、今に連なることを次世代にぜひとも伝えたい。 孝二、熊ちゃんはもう存命じゃないだろう・・信吉が言った「末代の栄誉」はもはや死語なのだ。

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2018/12/24

前作からほぼ20年ぶりという刊行。差別の実態を明らかにする小説として累計400万部のベストセラー。七巻全部読んで良かったと思うがかなり長い。また、差別反対・天皇制反対・真に平等な社会に向けた人言解放という主張に意を唱えるつもりはないが、主張が偏りすぎる箇所があり、読みにくい。とこ...

前作からほぼ20年ぶりという刊行。差別の実態を明らかにする小説として累計400万部のベストセラー。七巻全部読んで良かったと思うがかなり長い。また、差別反対・天皇制反対・真に平等な社会に向けた人言解放という主張に意を唱えるつもりはないが、主張が偏りすぎる箇所があり、読みにくい。ところどころに出てくる”ぬい婆ささんの喝破で十分なきがする。

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2013/08/07

自分が偏見の中で生きていると自覚できた小説でした。 知らず知らずに自分優位になったものの見方をしているという 恐ろしさに気づきました。 幸せは、目に見えないということも改めて知りました。

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2012/09/10

表紙裏 水平社結成から2年、秀昭や和一は全国に広がった運動の中心となって奔走している。小森の人々の意識も、根底から変わりつつあった。刈り入れ前の稲を差し押さえようとする地主に対抗し、孝二ら青年たちは夜の稲刈りを決行する。一方、運動に対する理不尽な弾圧は強まっていく。皇太子狙撃事件...

表紙裏 水平社結成から2年、秀昭や和一は全国に広がった運動の中心となって奔走している。小森の人々の意識も、根底から変わりつつあった。刈り入れ前の稲を差し押さえようとする地主に対抗し、孝二ら青年たちは夜の稲刈りを決行する。一方、運動に対する理不尽な弾圧は強まっていく。皇太子狙撃事件の顛末を息をつめて見守る、孝二たちの憤りと憂いは尽きない。20年ぶりに書き下ろされた待望の続編。

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2011/12/29

明治になって階級がなくなっても、周囲からエッタと差別を受けながらたくましく成長して行く兄弟の生き様をえがいてるが、話の途中で終わった感がある。

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2011/02/16

これからどういう風に展開していくのか本当に楽しみであるのですが、それも叶わぬ夢です。漱石の『明暗』が水村美苗の『続 明暗』で続編が創作されたように『続 橋のない川』を誰かが創作することを夢見る。

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2010/03/27

明治から大正、そして昭和2年まできましたが、残念ながら未完です。どんな完結になったのでしょうか。 主要なメンバーは(孝二の家族)が亡くならないまま、未完になったので安堵感を感じますが。 個人的には、孝二のひ孫ぐらいの世代ぐらいまで描いて欲しかった(昭和後半ぐらい?)と思います。

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2009/10/04

最終巻。まだまだ「その後」が気になるところもあるのですが、作者が亡くなられた為これで最後です。ただそれがすごく心残りかと言うとそうでもなく、ずっと登場人物は生きていくわけですし、歴史は続いていくわけですから、「終わらない」小説なんだと思います。登場人物の息づかいが聞こてくるような...

最終巻。まだまだ「その後」が気になるところもあるのですが、作者が亡くなられた為これで最後です。ただそれがすごく心残りかと言うとそうでもなく、ずっと登場人物は生きていくわけですし、歴史は続いていくわけですから、「終わらない」小説なんだと思います。登場人物の息づかいが聞こてくるような、そんな本でした。

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