ヨーロッパぶらりぶらり の商品レビュー
―――ぼくはしあわせでも不しあわせでもなくて、いつもふつうだな――― 貼絵画家で有名な山下清が初めてヨーロッパを訪れた旅行記。 同行の式場先生との会話があたたかく面白い。 まいにち書き留めた日記と、同行者が撮りためた写真と、自身で簡単にスケッチしたものを日本に持ち帰り、素晴らし...
―――ぼくはしあわせでも不しあわせでもなくて、いつもふつうだな――― 貼絵画家で有名な山下清が初めてヨーロッパを訪れた旅行記。 同行の式場先生との会話があたたかく面白い。 まいにち書き留めた日記と、同行者が撮りためた写真と、自身で簡単にスケッチしたものを日本に持ち帰り、素晴らしく繊細な点描で作品にしている。 そのいくつかが、本書にも掲載されているが、景色や建物の細かい描写は何度も何度も見返したくなる。 人物は苦手というが、味があって私は好きだ。 文章は、こんなにまとまっていないらしい。どうやら「」や句読点は先生があとから添削して入れているらしい。もっとずらずらだらだらと書かれた原文らしい。 しかし、優れているのは、その表現力と発想力だ。 自分のことを「頭のたりない」とすぐ言うところも人柄を感じて笑ってしまう。 何にでも疑問を持ち、式場先生に質問する。返ってきた答えに納得することもあれば反論することもある。ただし、反論するときは先生に言わず、心の中で「〜とぼくは思うけど、〜となるだろうからやめとく」のような対処が子どものようで面白い。 すごく真面目で繊細なのだと思う。 ヨーロッパから帰って飛行機の中で日本を見て、 「みんなぼくと同じような顔をした日本人なので、なにかきけばすぐ返事をしてくれる。(省略)どこへ行ってもひとりぼっちのような気がしない。(省略)ぼくは自分が日本語をしゃべれるのが大したことのような気がした。」 と書いている。 ヨーロッパに行ってとても楽しかった反面、日本に帰ってこれてよかったことがふつふつとにじみ出ている。 山下清の素直さが旅を通じてとてもよくわかり、あたたかい読了感だった。
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「裸の大将」で有名な山下清さんのヨーロッパ旅行記。 作者と引率者の式場先生とのやりとりがおもしろい。 常識にとらわれず、感性のままに表現する作者の 自由奔放ぶりが楽しかった。 大人になるということは窮屈で、作者のような シンプルな生き方がうらやましくもある。
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山下清本人によるヨーロッパを中心とした海外での旅を綴った一冊です。 ※本人が書いたというと正確ではないので補足すると「ので」「ので」と文章が続き、句読点を使うのが嫌いだったようです。そのため、読者に読みやすいよう清画伯の弟さんなど近しい方々の協力で原文を大切にしながら校正をしたそ...
山下清本人によるヨーロッパを中心とした海外での旅を綴った一冊です。 ※本人が書いたというと正確ではないので補足すると「ので」「ので」と文章が続き、句読点を使うのが嫌いだったようです。そのため、読者に読みやすいよう清画伯の弟さんなど近しい方々の協力で原文を大切にしながら校正をしたそうです。
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山下清が担当医?の式場先生に連れて行ったもらった、約1ヶ月のヨーロッパ旅行記。 私はかつてのTVドラマを見ていない世代なので、この旅行記で初めて山下清という人を知りました。 普通の人とは違う触覚で世界を見ていた人なんですね、すごく新鮮で、尖っていた神経がほぐされました。 日本の旅...
山下清が担当医?の式場先生に連れて行ったもらった、約1ヶ月のヨーロッパ旅行記。 私はかつてのTVドラマを見ていない世代なので、この旅行記で初めて山下清という人を知りました。 普通の人とは違う触覚で世界を見ていた人なんですね、すごく新鮮で、尖っていた神経がほぐされました。 日本の旅行記もあるようなので、こちらもすぐ読んでみたいと思います。
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人の書いた旅行記なんかはものすごく好んで読むのだけど、山下清さんの旅行記も読み応えがあった。自分の感じたままに記されていて、この人の旅はこうゆうものだったんだな、と素直に読めた感じ。はぁ、放浪したいと思いました。
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すごい記憶力。 おもしろすぎ。裸と立小便にこだわるあたり、天才的な風来坊なんでしょうか。子供の頃にはじめて彼の花火の切り絵を百貨店の展覧会で見て、衝撃を受けたなあ。 その後、はだかの大将をテレビで見て「天才ってのはこういう人のことを言うのだ!」と思った。 同じクラスにいた、い...
すごい記憶力。 おもしろすぎ。裸と立小便にこだわるあたり、天才的な風来坊なんでしょうか。子供の頃にはじめて彼の花火の切り絵を百貨店の展覧会で見て、衝撃を受けたなあ。 その後、はだかの大将をテレビで見て「天才ってのはこういう人のことを言うのだ!」と思った。 同じクラスにいた、いつも鼻くそほじってるS君も天才だった。言ってることは支離滅裂(でもいつもユーモアが!)、立体図形の展開図は5秒で描いちゃう。フケを机に落としてためてたH君も科学については天才。恐竜も虫も植物も星も石の名前もなんだって教えてくれる。 世の中には天才がいっぱいいるなーと思ってた。楽しい世の中だと思った。それを最初に教えてくれたのは山下清画伯です! 日本が西洋の真似、でも便利ならいいのだ、とってもいい意味でのグローバルな見方をできる清さんったら!
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裸の大将こと貼絵画家山下清のヨーロッパ紀行文。 元々紀行文は好きなんです。それは筆者の感覚を通してその地を感じることの面白さなんですね。山下清と世間の感覚のズレが面白みを生むのだけど、そのズレている当の本人がそれを書いているのがすごい。 自分を客観視し、見聞き体験したことをそっく...
裸の大将こと貼絵画家山下清のヨーロッパ紀行文。 元々紀行文は好きなんです。それは筆者の感覚を通してその地を感じることの面白さなんですね。山下清と世間の感覚のズレが面白みを生むのだけど、そのズレている当の本人がそれを書いているのがすごい。 自分を客観視し、見聞き体験したことをそっくりそのまま表現する文章の面白さに感服しました。その再現性は画伯の作風に通ずるものもあるのでしょうかね。
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