天国にいちばん近い島 の商品レビュー
とってもおもしろい旅…
とってもおもしろい旅行記です。体は弱いけど元気いっぱいのカチ(森村桂)が単身ニューカレドニアへ渡った体験がユーモアいっぱいに書かれています。時代はひとむかし前ですが、恥をかいたり笑ったり怒ったりという青春の輝きがまぶしいくらいです。原田知世主演の同名の映画はこの原作とは別物にな...
とってもおもしろい旅行記です。体は弱いけど元気いっぱいのカチ(森村桂)が単身ニューカレドニアへ渡った体験がユーモアいっぱいに書かれています。時代はひとむかし前ですが、恥をかいたり笑ったり怒ったりという青春の輝きがまぶしいくらいです。原田知世主演の同名の映画はこの原作とは別物になってしまっている印象でした。この本を発端にカチに恋するように次々と森村さんの本を読みました。作者の森村さんが最近亡くなってしまったことがとても残念です。
文庫OFF
新婚旅行前に、ニューカレドニアのイメージを頭に入れようとして読んだ。時期の問題か、あまり参考にならなかった。
Posted by
ぼくがこの小説を初めて読んだのは、いまから56年まえの中学1年生の時だった。当時の親友に薦められて読んだ。再読してみて、日本という国が戦後の復興を経て、先進国の一員として、庶民にも海外旅行などが現実性を帯びてきた時代の右肩上がりの雰囲気がよく出ている。作者の大らかな人間性が、ニュ...
ぼくがこの小説を初めて読んだのは、いまから56年まえの中学1年生の時だった。当時の親友に薦められて読んだ。再読してみて、日本という国が戦後の復興を経て、先進国の一員として、庶民にも海外旅行などが現実性を帯びてきた時代の右肩上がりの雰囲気がよく出ている。作者の大らかな人間性が、ニューカレドニアという地で開くことになる。人間賛歌の小説だから、人を元気にしてくれる。
Posted by
旅をして人生が変わるっていうのは、本当に運の要素が大きいのだなぁと思いました。 当時のニューカレドニアのような場所って今残っているのでしょうか?
Posted by
父親が昔語っていた『天国にいちばん近い島』は ここではなかろうか。 手紙を出し、ひっこりといけた島での話。 世話役の人からそっぽを向かれ、何故なのかわからず それでも生活し続けた「私」。 目的も果たせたし、生活もどうにかなったし 想像すると幸せな生活してますが、周囲を考えると ...
父親が昔語っていた『天国にいちばん近い島』は ここではなかろうか。 手紙を出し、ひっこりといけた島での話。 世話役の人からそっぽを向かれ、何故なのかわからず それでも生活し続けた「私」。 目的も果たせたし、生活もどうにかなったし 想像すると幸せな生活してますが、周囲を考えると 大丈夫? と聞きたくなる内容でした。 謙虚なのか図々しいのかさっぱり、なのが 生活で来た最大の武器、かもしれません。
Posted by
1984年アイドル時代の原田知世主演で映画化されたが、実は1965年の作品。内気な女の子が、亡くなった父の話していた「天国にいちばん近い島」を求めてニューカレドニアに行き成長する旅。 現地の方々の描写に時代を感じる。それなりに有名な作品だが再版されない理由はこれだろう。今の基準...
1984年アイドル時代の原田知世主演で映画化されたが、実は1965年の作品。内気な女の子が、亡くなった父の話していた「天国にいちばん近い島」を求めてニューカレドニアに行き成長する旅。 現地の方々の描写に時代を感じる。それなりに有名な作品だが再版されない理由はこれだろう。今の基準では差別用語が多い。 内気な娘がニューカレドニア行きの鉱石船の会社の社長に手紙を書くことから始まり、一本気に会社を辞めてまで1人旅に出る。なかなか思ったようにはいかないが、やがて現地の人々との交流を通じて成長して行く。 ヤシ林の先に誰もいない白浜と青空、透明な海。そこで死んだ父と間違いなく心が通じ合う場面に感動。 現地の方々の表現を除けば古臭さを感じさせないテンポ良い作品。
Posted by
南太平洋のニューカレドニアのこと。この本が元の同名映画が原田知世主演だった。 その映画は観ていないが、CMの映像イメージで白い砂浜・サンゴ礁の青い海と青い空にココナッツの木が浮かんでしまう天国にいちばん近い島だ。 でもこの本を読むと、Ni(ニッケル)資源だけの赤土だらけの島なん...
南太平洋のニューカレドニアのこと。この本が元の同名映画が原田知世主演だった。 その映画は観ていないが、CMの映像イメージで白い砂浜・サンゴ礁の青い海と青い空にココナッツの木が浮かんでしまう天国にいちばん近い島だ。 でもこの本を読むと、Ni(ニッケル)資源だけの赤土だらけの島なんだと。昨今もフランスから独立するかどうか住民投票とかの話題があったようだが、独立国となる日は来るのであろうか? 女性一人でこの島に渡って生活したことについて書かれているが、旅行されたのは昭和40年(1965年)のことのようで、なるほどそれくらい前なら若い女性の一人旅は珍しく、小説のネタにもなったのかなぁなどと思う。 物語は主人公が人生を考え直して立ち直る、素朴な人々との悲喜こもごものふれあいで南の島へ旅に出たくなるないようだった。
Posted by
ニューカレドニアが今のようなリゾート地になる以前の旅行記。 お金もなく、言葉もわからず、ただ「天国にいちばん近い島」と信じた未知の島に出かけて行った若者。 人間不信に陥りそうなこともいろいろあったけれど、最後は「ここが自分にとっての天国」と思えるほどの出会いを得て帰国する。 ...
ニューカレドニアが今のようなリゾート地になる以前の旅行記。 お金もなく、言葉もわからず、ただ「天国にいちばん近い島」と信じた未知の島に出かけて行った若者。 人間不信に陥りそうなこともいろいろあったけれど、最後は「ここが自分にとっての天国」と思えるほどの出会いを得て帰国する。 今の私たちが想像する「青い海・白い砂浜」の描写はほとんどなく、どちらかというとそんなに美しくない風景が描かれているほうが多いような気がするが、だからこそ、思いがけず「青い海・白い砂浜」を目にして涙する著者の感激が伝わった。
Posted by
『そこに日本人がいた!』といふ本を読んだ時に、ニューカレドニアに渡つた日本人のことが書いてありました。出稼ぎニッケル坑夫として、半ば騙されて渡航した先達の苦労話であります。 そこで森村桂さんの『天国にいちばん近い島』にも触れてゐて、彼女が世話になつた林氏のこともちらりと記載があり...
『そこに日本人がいた!』といふ本を読んだ時に、ニューカレドニアに渡つた日本人のことが書いてありました。出稼ぎニッケル坑夫として、半ば騙されて渡航した先達の苦労話であります。 そこで森村桂さんの『天国にいちばん近い島』にも触れてゐて、彼女が世話になつた林氏のこともちらりと記載がありました。 初読から随分経つので、細部はほとんど忘れてゐました。改めて読むと、これが面白い。何しろあの時は原田知世嬢に夢中だつたので、映画の印象しか残つてゐませんでした。恐るべし角川商法。 しかし現在は絶版のやうですね。あれほどのブウムを巻き起こしたといふのに。サブタイトルや本文中にやたら「土人」といふ記述があるからでせうか。 森村桂さんは亡き父(作家の豊田三郎氏)から、「天国にいちばん近い島」の話を聞かされてゐたのですが、具体的な地名は教へてくれませんでした。 それが、彼女が勤務する出版社の編集者から、ニューカレドニアの話を聞いた途端に、「ここだ!と私は思った。そこが父の言っていた、天国にいちばん近い島にちがいない」と思ひ込むのです。いや、森村さん本人も疑つたやうに、豊田氏はでまかせをいつたのだと思ふよ。罪な父です。 今みたいに情報には不自由しない時代ではありません。どうやつたらニューカレドニアへ行けるのか、さつぱり分からないので、現地から鉱石を運搬してゐた会社に、運搬船に乗せてもらへないかと手紙で依頼するのであります。そして、奇跡は起きた! 旅行記として痛快なる読み物になつてゐますが、ニューカレドニアが俗化、いや観光地化する前の貴重な記録としてもその存在意義はありませう。さういへば29年前の映画でもすでに、主人公は旅行会社のパックツアーで、飛行機で渡航してゐました。 ま、本書を知らなかつた人には、一度読んでみりん、と申し上げて筆を擱くものであります。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-108.html
Posted by
純粋な作者とさらに輪をかけて純粋なニューカレドニアで出会った人達。現地で日本人に見捨てられそうになりながらも思わぬ人達の優しさに助けられる。一言のボンジューでつながる盲腸手術費の顛末、そもそもの始まりの岡野氏への手紙からサザンクロス号での出航までの流れなどこの世の天国と神様の存在...
純粋な作者とさらに輪をかけて純粋なニューカレドニアで出会った人達。現地で日本人に見捨てられそうになりながらも思わぬ人達の優しさに助けられる。一言のボンジューでつながる盲腸手術費の顛末、そもそもの始まりの岡野氏への手紙からサザンクロス号での出航までの流れなどこの世の天国と神様の存在を思わせます。著者は既に亡き人ですが、彼女の生きにくかった社会というのは自ら体験した天国とはあえて反対方向へ向かっているような気がします。
Posted by
- 1
- 2