侠骨記 の商品レビュー
短編集。表題作「侠骨…
短編集。表題作「侠骨記」は、魯の荘公に仕えた曹カイのお話です。「斉軍に三度敗れても荘公は彼を罷免せず、曹カイは会盟の場で、斉の桓公に匕首を突きつけ失地を回復した」という故事でよく出てきます。「布衣の人」は、世にも珍しい五帝時代のお話。帝といっても伝説時代ですので、始皇帝などの皇帝...
短編集。表題作「侠骨記」は、魯の荘公に仕えた曹カイのお話です。「斉軍に三度敗れても荘公は彼を罷免せず、曹カイは会盟の場で、斉の桓公に匕首を突きつけ失地を回復した」という故事でよく出てきます。「布衣の人」は、世にも珍しい五帝時代のお話。帝といっても伝説時代ですので、始皇帝などの皇帝とは趣が異なります。どの帝の話かは、読んでみてのお楽しみ。「甘棠の人」とは商周革命を成功させ、幼い成王を支えた召公のことです。太公望も登場します。「買われた宰相」は、秦の宰相百里奚のお話。管仲が「嫉妬深い男」として出てきます。百里
文庫OFF
春秋時代は難解ですが、宮城谷さんの作品を読んでいるうちに、「あっこの人物は…」と自分の知識がだんだんとついてくる喜びを感じます。 「布衣の人」が特に良かった。伝説をつなぎあわせて素敵な物語になっている。 宮城谷氏の「管仲」「天空の舟」を先に読んでおくとより楽しめるのでは。
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百里奚の話「買われた宰相」に関心があり読み始めましたが、一番良かったのは伝説の帝舜を描いた「布衣の人」。宮城谷先生の作品らしい爽やかで香気漂う作品でした。
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文化は一級ながら軍事は二級の大国魯の書生曹劌は、隣国斉との戦気が激しくなる中、若き英王同に見出され、軍略の才を存分に発揮する。 智謀の賢相管仲が牛耳る斉との、和戦両様の戦いが大詰めをむかえた柯の盟約の場で、曹劌がとった驚くべき策・・・・・ 君臣のあり方と政治の理想を描く、中国歴史...
文化は一級ながら軍事は二級の大国魯の書生曹劌は、隣国斉との戦気が激しくなる中、若き英王同に見出され、軍略の才を存分に発揮する。 智謀の賢相管仲が牛耳る斉との、和戦両様の戦いが大詰めをむかえた柯の盟約の場で、曹劌がとった驚くべき策・・・・・ 君臣のあり方と政治の理想を描く、中国歴史小説集。 歴史を多角的に見ることができる一冊です。 本のタイトルともなっている「侠骨記」、このエピソードは前出の「管仲」での公子小白時代の桓公のことや、桓公が中心となって開催した、柯における盟約の場でのエピソードなどを魯公・同(壮公)と曹劌主従の目線から読み解くことができます。 様々な視点から同一の出来事を見、そこで起きたことを理解するのが歴史小説の醍醐味とでもいいましょうか。 「買われた宰相」も面白いですね。秦の百里奚といえば管仲と並ぶほどの名宰相ですが、彼の前半生もまた明るいものではありませんでした。 本書に収められた4短編は、いずれも「仁」者を描いた作品と評することができ、「仁」という概念を理解する手助けとなって、読後さわやかな気持ちになれるお薦めの好短編集です。
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2019/1/6 文字の無い頃から社会はあり、人々は生活していた。その頃の王はどんな感じだったのだろう。なぜリーダーは生まれたのだろう。
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時代と言うより、人物に焦点を当てた歴史小説。何となく「伝記」という感じがします。 一つ一つが短く、個人に焦点が当たっているために、比較的シンプルで読みやすい短編集です。 しかし、こういう話を読むと中国の歴史を知らない事に、我ながらいらつきますね。太公望なんて有名な名前が出てき...
時代と言うより、人物に焦点を当てた歴史小説。何となく「伝記」という感じがします。 一つ一つが短く、個人に焦点が当たっているために、比較的シンプルで読みやすい短編集です。 しかし、こういう話を読むと中国の歴史を知らない事に、我ながらいらつきますね。太公望なんて有名な名前が出てきても、何時の時代の人かピンと来ない。歴史年表でも作ってみようかと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中国古代を扱った歴史小説の短編集。 無数の資料から導き出された、説得力のある説明や推定が、決して物語の流れを損なわないよう注意深く述べられていて、読んでいて心地良い。 宮城谷昌光の書く人物はいつも魅力的だが、本書のいずれの作品も、やはり爽やかな風韻を感じさせる。 『布衣の人』の、読み進めていくうちに登場人物が古代史上の誰なのか、明らかになっていく作りもまた小気味よかった。
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組織人としての駆け引きや革命の起こし方など、今の世と全く変わらない。。とても、勉強になります。孔子、孟子、孫子、韓非子。全て読みたくなってきました。
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▼本を読んだ理由(きっかけ・動機) タイトルの”侠骨”に惹かれ購入。宮城谷晶光氏の本をいずれ読みたいと思っていたこともあったが、何から手をつけるか悩んでいた。 ▼作品について 中国古代、春秋時代の人物を描いた短篇集。短編ということもあるので、時代背景を深遠にりかいすることは難し...
▼本を読んだ理由(きっかけ・動機) タイトルの”侠骨”に惹かれ購入。宮城谷晶光氏の本をいずれ読みたいと思っていたこともあったが、何から手をつけるか悩んでいた。 ▼作品について 中国古代、春秋時代の人物を描いた短篇集。短編ということもあるので、時代背景を深遠にりかいすることは難しいが、作者独特の視点から描かれているので新鮮である。 ▼感想を一言 参考になった ▼どんな人におすすめ(気分、状況) 中国古代の歴史を知りたい(覚えたい)と考えている人。 特に春秋戦国はたくさんの人が入り乱れるので体系的に覚えづらい。 『史記』や『春秋左氏伝』とともに読むと参考になるかも。 ▼作者について 作家としての腕はストーリー構成、キャラクターの確率、表現力(人物描写含む)が三大要素だと考えているが、その点は司馬遼太郎氏や池波正太郎氏の方が優れており、読みやすい。 しかし、日本人作家で中国古代にスポットを当てて作品を作ってくれている作家も少ないので、これからも意欲的に作品を発表して欲しいと思う。 ▼その他 タイトルに惹かれて購入したが”侠骨”ではない(自分が考える侠骨だが)。
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宮城谷昌光入門に、と講師の先生に貸した本。 短編集なので読みやすいかな~とか。 「買われた宰相」が私はお気に入り。
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