水族館への招待 の商品レビュー
昔、古本屋で購入したこの本で『観魚室(うをのぞき)』という言葉を知った。 明治15年(1882年)、日本最初の水族館を上野動物園内に作る際、『アクアリウム』をどう和訳するか迷った担当者による造語だった。『水族』という言葉は江戸時代後期に、すでに使われていた記録があるが、『水族館』...
昔、古本屋で購入したこの本で『観魚室(うをのぞき)』という言葉を知った。 明治15年(1882年)、日本最初の水族館を上野動物園内に作る際、『アクアリウム』をどう和訳するか迷った担当者による造語だった。『水族』という言葉は江戸時代後期に、すでに使われていた記録があるが、『水族館』という日本語は当時まだなかったのだ。 水族館について書かれた本はたくさんあるが、この『観魚室(うをのぞき)』という言葉に触れた書籍は本書以外、私はまだ見つけていない。 うをのぞき、という明治に生まれた古い言葉のもつ色気にとらわれたのか、その言葉を今日まで忘れることができず、本を手放した後も何かにつけ文献を探している。 本書は魚類学者、水族館学者である鈴木克美氏による、水族館の成り立ちからその仕組みを解説するとともに、日本人と水族館とのつながりとこれからについて、その課題に光を当てる学術文庫。 西欧での水族館の誕生と発達。動植物の博物展示文化のなかった日本が、明治維新後西欧に倣い、動植物園や水族館を、失敗を重ねつつ進化させてきた歴史を顧みるとともに、未来を考える。 20年程前に出版された本なので、今がまさに「その先」の時。鈴木先生は今の動植物園の展示や人とのかかわりについて、どう見ておられるだろう。
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[ 内容 ] 水族館で楽しく魚を眺めて同時に食欲を感じるのは、魚食文化からくるものか? 水族館で魚を殖やすのは、どのくらい可能になっているのか? 水族館を支える裏方の仕事とは? 水族館ではどのような体験ができるのか? さまざまな話題にふれながら、わたしたちの知らない水族館の内側を紹介。 日本人と水族館とのつきあいをふりかえりつつ、水族館のこれからをみつめる。 [ 目次 ] 1 斜めに読む水族館の歴史 2 日本人の自然観と水族館 3 水族館と日本の社会 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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