行動することが生きることである の商品レビュー
心中未遂した直後の東郷青児とその現場である血まみれの布団で同衾したという凄絶なエピソードをしって、宇野千代先生はこまかいことにこだわらない、たいへんおおらかな方なのだな、きっとエッセイでもその無限の包容力で読者を癒してくれるにちがいないとおもい、最近つかれていたわたしは本棚の隅に...
心中未遂した直後の東郷青児とその現場である血まみれの布団で同衾したという凄絶なエピソードをしって、宇野千代先生はこまかいことにこだわらない、たいへんおおらかな方なのだな、きっとエッセイでもその無限の包容力で読者を癒してくれるにちがいないとおもい、最近つかれていたわたしは本棚の隅にあったこの本を手にとったわけなのだけれど、適当にめくった最初のページが「人と人を結ぶルール」と題された章で、冒頭に「世の中には、時間にルーズでも、ほかのことは几帳面で、誠実な人もあるかもしれないが、そんな人は稀であろう。時間を守ると言うことは、人との付き合いの上で、守られなければならない最低の義務である、と私には思われる。また、文明人としての最低の義務でもある、と思われる」などと書かれており、癒されるどころか全人格、全人生を否定された気がした。よくかんがえてみれば件のエピソードはおおらかとかそういう問題じゃなくただの変態だし、心中相手のコンパクトだか鏡だかをそれから何十年もつかいつづけたという後日談からして筋金入りだ。わたしはそっと本を閉じた。が、そのあとも暇をみてはなんとなく開いたページをよんだりしていて、もちろんまったく癒されないのだけれど、料理の章とかはためになるし、参考にもしている。水にさらしたり煮込んだりしないで、根菜は油で揚げてから調理するといいそうですよ皆さん。そうしたら野菜の風味が逃げないらしい。
Posted by
黄金(クガニ)言葉が散りばめられている。取り入れたいこと多々あり。自分の意思に素直に行動し、きらきら輝く自立した女性だったんでしょうね。2011/1/15(60-2)
Posted by
初めての宇野千代さん。 かっこよすぎ。 はまりました。 ぐっとくる言葉は、彼女の経験がちゃんと現れてるから。 もっと作品読んでみたい。
Posted by
宇野千代、なんとドラマティックな女性なこと・・・ 人生経験豊富な女友達ができたわ、くらいの感じで読みました。 共感することもあるけれど、彼女のように生きるのはちょっと怖いなぁと思ってしまう。特に恋愛。
Posted by
破天荒なようで、その実サムライのように一本筋が通って、 でもめちゃくちゃチャーミングで嫌味がない。 大先輩は生き方も書く技術もすごい。
Posted by
永井さん所有 →10/08/29 浦野レンタル →10/10/24返却 浦野レビュー - - - - - - - - - - - - - - - 3度の離婚を経験している宇野千代の小説やエッセイからの抜き書き集。タイトルは『恋することが生きることである』のほうがふさわしいかも。...
永井さん所有 →10/08/29 浦野レンタル →10/10/24返却 浦野レビュー - - - - - - - - - - - - - - - 3度の離婚を経験している宇野千代の小説やエッセイからの抜き書き集。タイトルは『恋することが生きることである』のほうがふさわしいかも。 印象的だったのは次の一文かな~(ちょっと長いけど引用)。 「二、三年前には、庭に苔を集めるのに夢中になったり、野仏を集めたりして、恋愛の対象を、人間ではない、ほかのものに向けていたのです。ところが、去年あたりから、庭に苔を集めたり、野仏を集めたりして、好きだと思うものを、人間ではない、ほかのものに向けているのは、まだ早い。自分には、まだまだ、人を好きになる気持ちが、つまり、恋愛感情みたいな気持が、だいぶん残っているようなことを発見して、自分でも、これは気がつかなかったなぁ、と思い、面白いことに思い始めたのですよ。人間をやめることは、百歳くらいになってからでも遅すぎない、と言うのが、現在の私の心境なのですよ。おかしいとお思いですか」 このストレートな気持ちに圧倒されました。 90を超えてもこんなことをいえる年寄りになりたいものです。
Posted by
美しい桜色の表紙にひかれて購入 「私、死なないような気がするんですよ…」 彼女のデザインした桜色のハンカチを持っていた。 潔く生きた先駆者
Posted by
これはいつも以上に時間をかけてじっくり丁寧に読みました。 潔く力強い。 年齢からは考えられないほどチャーミングで全てに前向き。 おまけに嫌味がない! こういう生き方って素敵です。 読むだけでスッキリします。
Posted by
自信たっぷり、という感じの所も読み取れるのに嫌みがなく(むしろとっても微笑ましい)、全て70代から後に書かれた文章であるのにまるで少女みたいな可愛らしい文章。 彼女自身辛い事や悲しい事もたくさんあったとは思うのだけどそこを全くクローズアップしようとせずとにかく自分は幸せだったと...
自信たっぷり、という感じの所も読み取れるのに嫌みがなく(むしろとっても微笑ましい)、全て70代から後に書かれた文章であるのにまるで少女みたいな可愛らしい文章。 彼女自身辛い事や悲しい事もたくさんあったとは思うのだけどそこを全くクローズアップしようとせずとにかく自分は幸せだったと言い切ってしまう人生観にとても好感を持った。 世の中の人生観を語ったりなんだりしている文章では自分がいかに苦労していかに悲しい思いをして生きてきたかという負の部分にばかり力を入れているものが多いがこの本はそれらのものとは違う。 悲しくても、言わない。悲しいと思わない。 自分も辛い事や悲しい事があってもそれをやたらめったら人に喋って同情を買おうとしたりしない著者のような人間になりたいなあと思った。
Posted by
一つ一つの言葉がしみます… 買ってから最後まで読んでなかったけど、 最近カバーが変わって本屋に売られてるのを見て 久しぶりに読み返しました。 宇野千代さんの生き方はとっても前向きで、 私も頑張ろうって気持ちになれます。
Posted by