人間フルトヴェングラー の商品レビュー
現在、CD等で聴くことのできる指揮者では、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、シューリヒト、ワルターが至高の存在であろう。本書は、著者がエリザベット夫人とのインタビューを元に構成したフルトヴェングラー伝である。フルトヴェングラーは、まさしく典型的な前世紀型の指揮者であり、文...
現在、CD等で聴くことのできる指揮者では、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、シューリヒト、ワルターが至高の存在であろう。本書は、著者がエリザベット夫人とのインタビューを元に構成したフルトヴェングラー伝である。フルトヴェングラーは、まさしく典型的な前世紀型の指揮者であり、文字通りに不世出の存在である。ことにベートーヴェンにおいては、まったく他の追随を許さない。我々はフルトヴェングラーによってこそ、ベートーヴェンを真に実感する。1951年バイロイトの第9のコーダの狂奔こそがベートーヴェンなのだ。
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全体として、決して満点という本ではないが、ところどころで、フルトヴェングラーの精神の至高さと思想の深みが感じられ、読んでいて胸が熱くなる。 また、客観的な伝記ではなく、あくまでも、志鳥さんの目から見たフルトヴェングラーなのだが、感動を伝えるにはこういう記述しか無かったとも思え...
全体として、決して満点という本ではないが、ところどころで、フルトヴェングラーの精神の至高さと思想の深みが感じられ、読んでいて胸が熱くなる。 また、客観的な伝記ではなく、あくまでも、志鳥さんの目から見たフルトヴェングラーなのだが、感動を伝えるにはこういう記述しか無かったとも思える。 あのヒトラー政権の中で、ドイツを去らず、音楽を愛し、求めたフルトヴェングラー。表面的に見れば、誤解もされうる。しかし、現実から安易に逃げなかった、という一点が彼の偉大な人格を決定づけていたのではないか。 私はどうか? 逃げるな。現実から学べ。そして、深め、変えていくのだ。自分も社会も。今だけではない。未来を信じろ。
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