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日本の近代建築(上 幕末・明治篇) の商品レビュー

3.9

18件のお客様レビュー

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2022/07/01

もはや建築の小説みたいで、楽しみながら読むことができました。 流れに沿って、日本の近代建築の概要もつかむことができ、良かったです。

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2021/08/04

幕末にヨーロッパの建築様式が入ってきてからの建築様式の流れを説明している本です。今まで個々の建物の様式を説明することは有っても、この本のようにヨーロッパから東回りで入ってきた様式と西回りで入ってきた様式が日本で出会うとか、世界を股に掛けたスケールで様式の変遷を語る本には出合ってな...

幕末にヨーロッパの建築様式が入ってきてからの建築様式の流れを説明している本です。今まで個々の建物の様式を説明することは有っても、この本のようにヨーロッパから東回りで入ってきた様式と西回りで入ってきた様式が日本で出会うとか、世界を股に掛けたスケールで様式の変遷を語る本には出合ってなかったので、とても分かりやすく感じます。とりあえず下巻も買いましたので、引き続き読み進めます。

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2021/04/01

日本が西洋の建築、いわゆる近代建築を導入しはじめた幕末から明治時代を通して、いかに西洋建築を学び、建物を建てていったかを詳細に綴った本。 著者は建築史の第一人者ともいえる藤森照信先生で、多くの建築家と建物についてわかりやすく網羅するとともに、その流れるような文章に引き込まれる。 ...

日本が西洋の建築、いわゆる近代建築を導入しはじめた幕末から明治時代を通して、いかに西洋建築を学び、建物を建てていったかを詳細に綴った本。 著者は建築史の第一人者ともいえる藤森照信先生で、多くの建築家と建物についてわかりやすく網羅するとともに、その流れるような文章に引き込まれる。 ただ、かなり初期の建物や意匠は、文章だけではなかなかイメージできないものがあり、読み手の努力を要する。 下巻(大正・昭和篇)と合わせて読むことにより、日本の近代建築史の流れを概観できる良著。

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2018/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明治時代から昭和初期に日本に導入され、独自の発達をとげた西洋建築、異人館や官庁、東京駅などの成り立ちを説明する。 長崎のグラバー邸は、大航海時代、植民地を拡大し東南アジアから北上したオランダの冒険商人によって持ち込まれコロニアル風の「ヴェランダ」が導入された。しかし、日本の風土(冬は寒い)のため神戸の異人館などではガラスをはめられサンルームの体を成す。 文明開化と共に国威掲揚のため鹿鳴館など洋風の建物の建築が行われた。横浜や神戸は居留地として和洋折衷の建築が試みられた。木骨石造、なまこ壁と洋風の屋根など。 ヨーロッパでは建築はクラッシックとゴシックに二分されるが日本ではそれらが混合されている。見様見真似でつくった 有象無象の冒険建築屋が入りこみ、次第にそれがフランスなどの学識のある建築家にとってかわり、イギリス人による本格的な建築の教育がほどこされた。ドイツの建築家による東京都市計画の構想があったが戦争の影に破棄されることとなる。 大変興味深い内容。

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2017/12/10

ずいぶん前に下巻を先に読んだ。 上巻も気になってはいたけど、この度、やっと入手できた。 明治初期の、西洋建築が導入された時期から、辰野金吾ら、日本の建築家の第一世代が生み出される明治三十年代までが扱われている。 コロニアル様式の伝播(右回りルートと、左回りと)の問題や、疑洋風の...

ずいぶん前に下巻を先に読んだ。 上巻も気になってはいたけど、この度、やっと入手できた。 明治初期の、西洋建築が導入された時期から、辰野金吾ら、日本の建築家の第一世代が生み出される明治三十年代までが扱われている。 コロニアル様式の伝播(右回りルートと、左回りと)の問題や、疑洋風のデザインのことは面白かった。 それから、この時期に日本に渡ってきた西洋人の建築家がどんな人たちだったかも面白い。 富岡製糸場を手掛けたバスチャン、銀座煉瓦街を作ったウォールトスらは、「冒険技術者」とされていた。 世界を渡り歩き、専門家のいない土地で、建物の設計だけでなく土木工事も、治水事業、都市計画、建材の開発などなど、何でも手掛けた人たち。 やがて日本のような新開地でもお払い箱になってしまい、新たな街に活路を求めて移っていく人たち。 建築の向こうに人が見えると、やはり面白くなってくる。 名前をよく聞くコンドルについても、いろいろなことを知ることができた。 コンドルの功績は鹿鳴館のような建物を作っただけではなく、日本に建築科を育てるための教育を体系立てたという。 日本の芸術に傾倒し、永住までしたこの人が、作品の遍歴を見ていくと、特に晩期に様式の混迷が見られるという。 異文化に生きた人の足跡が伝わってくる話だと思った。 札幌時計台のあの木の板を横に張り渡して作った壁を、下見板というそうだ。 そんなことも、この本で知った。 あれはアメリカから、簡単な方法で建てられる寒冷地にも耐えられる工法だそうだ。 だから学校建築や、北海道の洋館などに使われたという。 あの素朴な感じにわけもなく惹かれる。 なんか懐かしい感じがする。

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2017/05/07

建物という構造物とそれについての事実を平明に語りながら、人間と時代が立ち上がってくる、下手な歴史小説よりもよほど素晴らしくわくわくさせてくれる本。幕末、日本みたいな辺鄙な地で「建築家」として活躍していた外人は、うっすら思ってはいたけどやはりアカデミックな建築家というより、冒険家で...

建物という構造物とそれについての事実を平明に語りながら、人間と時代が立ち上がってくる、下手な歴史小説よりもよほど素晴らしくわくわくさせてくれる本。幕末、日本みたいな辺鄙な地で「建築家」として活躍していた外人は、うっすら思ってはいたけどやはりアカデミックな建築家というより、冒険家であり山師であって、彼らの作った洋風建築は結構でたらめだったんだなーとか(だから明治初期の文明開化の興奮が落ち着くと、日本の偉い人たちは彼らが造った建築が何か変だぞと気づいてしまうあたりがおかしい)。コンドルが晩年に手がけた岩崎久弥邸を詳細に見ることでコンドル先生の人となりが伝わってくるとか。ベックマンとエンデによる官庁集中計画の壮大さとか。辰野金吾(国会議事堂の戦いがすさまじい)、片山東熊(迎賓館のエピソードがおかしくも哀しい)、妻木頼黄(ドイツ派。辰野との闘争エピソードが面白い)、彼らの章についてエピローグで明治国家とのかかわりが語られる。司馬遼太郎の本のようにグッと来る。

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2013/03/01

日本の洋風建築のルーツが分かりやすく語られている。一つ一つのデザインに、はるばる極東の地までようこそ、と言いたくなる。そしてエネルギッシュな日本人&お雇い外国人たちの奮闘ぶりも面白い。

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2012/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幕末から明治時代における近代建築の流れを追った一冊。欧化主義の頃のお話です。 冒頭では西洋の構法が幾つかの経路を渡り土着の文化と融合しながら日本に根付いていく様が描かれています。 そこから渡航してきた技術者たちによる工場建築や、棟梁たちによる擬洋風建築が隆盛をみせますが、いずれも建築家であるお雇い外国人による本格的な西洋建築あるいは和様折衷建築の出現の下に立ち消えていきました。 最後は工部大学校で外国人建築家に師事した者達のそれぞれの派閥と生み出した建築に触れることで上巻は締め括られています。 新書とはいえある程度造作についての語彙がないと読み進めづらいかもしれないと思いました。 紹介される建築は多くが図説とともに載せられているので分かりやすいと思います。章ごとに建築名や様式、構法をまとめた年表もあるので便利です。

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2012/08/23

日本近代建築の幕開け 明治期、西洋化へ邁進する日本の指名の一つに近代建築の整備があった。 特に宮家関係は逸早く対応したらしい。少し意外。 お雇い建築家(土木技師)らによるヴェランダコロニアルと下見板コロニアル。 そして、不思議な独自和洋折半を経て、ボアンヴィル、コンドルへと変遷...

日本近代建築の幕開け 明治期、西洋化へ邁進する日本の指名の一つに近代建築の整備があった。 特に宮家関係は逸早く対応したらしい。少し意外。 お雇い建築家(土木技師)らによるヴェランダコロニアルと下見板コロニアル。 そして、不思議な独自和洋折半を経て、ボアンヴィル、コンドルへと変遷していく。 このコンドル氏は正統派の技術をもたらしただけではなく、後継者らの育成にも力を入れ、やがてイギリス式が日本の建築界を席巻していく。 それらと同時期、ドイツ派やフランス派も風靡したが、やはり後継者の存在は大きい。 自分だけがすばらしい技術を持っていても、いつかは居なくなる。 自らの立身に使命を遂すか、流派を残していくことに身命を賭けるか。 そのような観点から見るのも面白い。 そういえば、日本の建築は目的により様式が決まるのに対し、西洋建築は様式により表現したいことを決めるのだね。 言われてみると、確かに。

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2011/08/28

写真は少ないですが、建物の様式や技法、建築家の系図などが書かれていて、見て回るだけの洋館巡りから、もう一歩踏み込みたい人向けの本です。

Posted byブクログ