ガラスの鍵 の商品レビュー
ハードボイルド界の巨…
ハードボイルド界の巨匠、ダシール・ハメットの代表作。文体がいい。
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小さな街の黒幕の血な…
小さな街の黒幕の血なまぐさい抗争の中を、飄々とクールに行動する賭博師、ネド・ボーモン。彼の男の矜持が、ひたすらかっこよいのであります。これを読まずして、ハードボイルドを語るなかれ。
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次の市政の実権を握ろうとするポール・マドヴィック。上院議員の息子テイラー・ヘンリーが殺され、窮地に陥った親友のためにネド・ボーモンが事件の渦中に飛び込んでいく、といった話。 対抗勢力であるシャド・オローリとの戦いも辞さないボーモンが、ハードボイルドの骨頂をみせる。 テイラーの娘ジャネットをめぐり、2人は三角関係となり、やがて2人は…。 マルタの鷹よりは主人公のボーモンに感情移入しやすいため、読みやすいです。 ハヤカワ文庫本が絶版なので残念なところです。 「顔から赤みが完全に消えると、“幸運”をの一言だけがかろうじて聞き取れるせりふをつぶやき、ぎこちなく踵を返して戸口に近づき、ドアを開け、開けたドアをそのままにして、おもてに出て行った。 ジャネット・ヘンリーがネド・ボーモンに目をやった。彼はドアを凝視していた…」
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ダシール・ハメットの4作目。 1954年発行版を読む。 もはや探偵でもない。 登場人物紹介には「賭博者」とあった主人公ネド。 そんな単語が当時はあったのだろうか。 今で言えば、ごろつき。 いやその表現も古いか。 ごろつきネドは、 上院議員も警察も検事も抑え込む街のボスに気に入られている。 上院議員の選挙を控え、街に緊張感がただよう中、 ネドは議員の息子の死体を発見する。 ボスは議員の娘と結婚しようてしている一方、 ボスの娘は議員の息子と恋仲だった。 恋愛または結婚がらみの殺人なのか、 ボスの失墜を狙っている敵対勢力の陰謀か。 怪文書が飛び交い、 ネドはボスと仲違いをし敵の手に落ちる。 登場人物の気持ちが描写されないせいか、 性格というかキャラクターもつかめないし、 話の展開も行き当たりばったりで、ついていけない。 「マルタの鷹」の期待外れとはまた違った肩透かし。 というよりかは、 読むたびに、前の作品の方が良かったかもと思わされる不思議。
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いろいろな意味で私にとって凄く良かった一作。 この人の話は、ミステリーを主軸に読むとがっかりしてしまうと思う。登場人物の姿や行動を見ているのが一番。喧嘩の場面が好き。時折考え込む主人公の姿が好き。 心理描写を小説でしないとは、なんとメインの武器を使わずに戦うようなものだと思うけど...
いろいろな意味で私にとって凄く良かった一作。 この人の話は、ミステリーを主軸に読むとがっかりしてしまうと思う。登場人物の姿や行動を見ているのが一番。喧嘩の場面が好き。時折考え込む主人公の姿が好き。 心理描写を小説でしないとは、なんとメインの武器を使わずに戦うようなものだと思うけど、それでも味があるなんて! それこそ映像や絵で表現するほうが合っているのかと思いきや、文字だけでも、巧みな表現が!! 訳者の小鷹氏の解説も秀逸。 私はこの作家が好きなのかもしれない。 大久保康雄訳のもぜひ読みたい!
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