さらば、わが愛 の商品レビュー
名作映画「さらば、わ…
名作映画「さらば、わが愛―覇王別姫」の原作。時代背景も書き込まれ、結末も映画とは異なっているので、映画とは違った楽しみ方が出来ます。
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4K版の劇場公開版を見てきた。DVDでは5年くらい前に初めて見て涙したのだが、大画面でさらに4K版というだけあってさらに迫力を持って時間の大河に翻弄される蝶衣たちに圧倒された。 原作があると知り読んでみたのだが、解説をみると1981年にテレビドラマのシナリオが大元で、小説として...
4K版の劇場公開版を見てきた。DVDでは5年くらい前に初めて見て涙したのだが、大画面でさらに4K版というだけあってさらに迫力を持って時間の大河に翻弄される蝶衣たちに圧倒された。 原作があると知り読んでみたのだが、解説をみると1981年にテレビドラマのシナリオが大元で、小説としてノベライズされたものだった。・・なのでなんというか骨組みの説明が書かれているという読み心地。しかし映画ではよくわからなかった劇場とパトロンとか養成所のしくみがよくわかった。また内容は1929年の養成所入り、日本軍占領、終戦開放、国共合作、共産党支配、文化大革命、文革終了とまさに中国近現代史に翻弄される京劇人の生きざまであるわけだが、小説では映画以上に国共合作や文革を皮肉っている。そこまで書いて逮捕されないか?と思うくらい。蝶衣が日本軍の前で舞う時も映画でもそうだが青木は京劇や中国文化に理解ある人として描いている。 映画は1977年に11年ぶりに蝶衣と小樓が出会い演じるところで始まり終わるのだが、小説ではその後もある。映画の終わり方は劇的だが、小説での終わり方も有りかな、と思った。小説版のその後の方がある面ではつらい、あるいは受け入れた人生、なのかもしれない。 シナリオなりノベライズを読んでそれをああいう映画表現にもっていった監督、また体現した俳優陣がすごいなあと感じた。また訳が英訳からの重訳なので、直接中国語から日本語に訳されたらまたちがったのかも。 1981:テレビの2時間ドラマのシナリオとして書く 1985:シナリオを元に出版 1992:改訂版 1993:映画化 中国、香港合作 :1.1香港で公開、7.26中国で公開 :5.13-26第46回カンヌ映画祭パルム・ドーヌ賞受賞 1994:2.11 日本公開 1993.11.30発行 図書館
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小説としての面白さだと★3個でもいいかなーと思ってしまうけれど、映画版のレスリー・チェンが好きだったので……。 というか、レスリーが好きだったから映画を見た、の方が事実に近いかも。 なにせ年齢不詳の愛らしさと小柄な可愛らしさと妙な色気が持ち味の、ちょっと他にいないタイプの俳優だっ...
小説としての面白さだと★3個でもいいかなーと思ってしまうけれど、映画版のレスリー・チェンが好きだったので……。 というか、レスリーが好きだったから映画を見た、の方が事実に近いかも。 なにせ年齢不詳の愛らしさと小柄な可愛らしさと妙な色気が持ち味の、ちょっと他にいないタイプの俳優だったので、ヤキモチやいて「キーキー」言ってるところなんか、もうたまらん可愛らしさでした。 小説としても、あまり近現代の中国を扱った小説を読む機会がないので、興味深かったです。
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力 山を抜き 気 世を覆う 時は利あらずして 騅ゆかず 騅のゆかざるは 如何んとすべきも 虞や虞や 汝を如何んせん === 秦の始皇帝死後、乱れた天下に覇を唱える項羽と、後に漢王朝の初代皇帝となる劉邦の戦い。 覇王と呼ばれた英雄項羽も天下の駆け引きには疎く、劉邦軍に取り...
力 山を抜き 気 世を覆う 時は利あらずして 騅ゆかず 騅のゆかざるは 如何んとすべきも 虞や虞や 汝を如何んせん === 秦の始皇帝死後、乱れた天下に覇を唱える項羽と、後に漢王朝の初代皇帝となる劉邦の戦い。 覇王と呼ばれた英雄項羽も天下の駆け引きには疎く、劉邦軍に取り囲まれ(「四面楚歌」)死が近づく。 愛姫の虞美人(覇王別姫、の「別姫」)と、愛馬騅(スイ)との最後の別れ。 === 以下、チェン・カイコー監督映画と、そして来日した京劇を観たのでそれらの感想になります。 チェン・カイコー監督は一瞬一瞬の鮮やかな表情や色合いを写す手法が好きなんですよ。ハリウッドに移ってからは派手な歴史作品を撮っていますが、中国にいた頃は実際に生きる市井の人々を描いた『黄色い大地』『人生は琴の弦のように』といった珠玉の映画を撮っています。 映画では文化大革命で京劇役者が迫害されますが、それは実際に行われ、現在男が演じる女形はほぼ壊滅です。(10年以上前に60代男性が「現役唯一にして最後の女形」というドキュメンタリーをみたので、その男性が後継者を見つけていなければ現在の京劇に女形は途絶えたということになる) 京劇では、立ち居振る舞いの役、歌の役、立ち回りの役など各役者により役割が決められています。 また、隈取の色で性格を現したり、肩のあげ方、髭のなで方で表情を表すなどの約束があります。 舞台装置は簡単で、机と椅子が運び込まれれば室内、片付けられれば戦場、みたいな。 派手で見事なのが立ち回り。戦闘を表す場面では機械体操の床競技の団体のような感じで、10人ずつくらいで十字に交差してのバク転バク宙横っ飛び。これはもうお見事の一言。オリンピック器械体操で中国が優勝するはずだよなと納得。 立ち回り役者も、武器を使った太極拳とサーカスのジャグリングを組み合わせたような見事な技を披露してくれます。 元は大衆芸能なので、話も面白く分かりやすくされていて、かなり楽しめます。
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