権力への意志(上) の商品レビュー
実際この『権力への意志』を読むのは相当厳しかったです。まず、流れがないので読み進めるリズムがどうしても上がってこない。しかもやはり「作品にはならなかった」言葉の羅列なわけですからどうしても他の作品よりもぐっとくるものが少ない・・・ しかし、この作品がどういう経緯で作られたのか、...
実際この『権力への意志』を読むのは相当厳しかったです。まず、流れがないので読み進めるリズムがどうしても上がってこない。しかもやはり「作品にはならなかった」言葉の羅列なわけですからどうしても他の作品よりもぐっとくるものが少ない・・・ しかし、この作品がどういう経緯で作られたのか、そしてそれが意味するのはどういうことなのかということを知った上でこれを読むことは文学や哲学、歴史を学ぶ上で大きな勉強になったと思います。この本の制作で起きたようなことはおそらくあらゆるジャンルで起こりうるものでしょう。そうしたことについても思いを馳せる読書になりました。 そうした意味でこの本を読めたことは大きかったなと思います。
Posted by
メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1788136601488662610?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
Posted by
道徳の話が面白かった。道徳家は非道徳であること。目標や理想は、現実を下にしているということ。社会主義も宗教と同じ匂いのすること。「理性で捉えられないものは存在しない」ということは誤りであること。
Posted by
西洋版仏教の境地は「ニヒリズム」である。ということで「ニヒリズム」を徹底解説。もやは時代的には遅れた概念だが、「ニヒリズム」に至る道程で、実は西洋人もかなり考え、苦労したのだということが分かる。
Posted by
ニーチェの幻の著作。それを妹エリザベートがナチに取り入るために、ニーチェの死後に編集したものであり、さらにハイデガーはそれを元に著書『ニーチェ』を執筆しているという曰くつきの著作。 現在のニーチェ研究では、『権力への意思』をニーチェの著作として扱うことはないようである。実際、...
ニーチェの幻の著作。それを妹エリザベートがナチに取り入るために、ニーチェの死後に編集したものであり、さらにハイデガーはそれを元に著書『ニーチェ』を執筆しているという曰くつきの著作。 現在のニーチェ研究では、『権力への意思』をニーチェの著作として扱うことはないようである。実際、Walter de Gruyter版全集には『権力への意思』は収録されていないが、このちくま学芸文庫版ニーチェ全集は、主にNaumann版(Kroener社に引き継がれてGrossoktav版[GA])を底本としているため、『権力への意思』が含まれている。それは、ニーチェの遺稿を再構成したものであるため、各断章は、Gruyter版の遺稿に含まれており、対応表はNietzsche Studienに掲載されている。 つまり、『権力への意思』をニーチェの著作として扱うこと自体がまず問題なのであり、さらにその再構成の根拠もまた正統な根拠のあるものだと思われないという問題を抱えている。とはいえ、彼の遺稿を掻い摘んで目を通す程度の役には立つだろう。 蛇足だが、Der Wille zur Machtを「権力への意思」と訳した点については、「力への意思」と訳す近年の悪しき風潮に比して、的確だったと個人的には考える。
Posted by
権力とは超人の理想、ディオニュソス的精神、さらに自由なる精神が発現される源泉としての生命の根源的な力である。 権力への意志を偏狭な解釈のうちに閉じこめるのではなく、肯定的な価値として深く純粋に捉える
Posted by
- 1