日本の近代建築(下 大正・昭和篇) の商品レビュー
内容(「BOOK」データベースより) 明治の時代とともに展開した近代建築も、大正に入ると大きな転機を迎える。第二世代が登場し、彼らは建築とは何かを内省し、社会性、技術の表現、実用性などのテーマを発見する。新しい感性に目覚めアールヌーヴォーを手がける。昭和に入ると、モダニ...
内容(「BOOK」データベースより) 明治の時代とともに展開した近代建築も、大正に入ると大きな転機を迎える。第二世代が登場し、彼らは建築とは何かを内省し、社会性、技術の表現、実用性などのテーマを発見する。新しい感性に目覚めアールヌーヴォーを手がける。昭和に入ると、モダニズムの影響のもとに第三世代が花開き、ファシズムの洗礼を経て、その流れはいまに続く。 目次 8 明治から大正へ―自覚の世代の表現 9 新世紀の歴史主義―アメリカ派の隆盛 10 社会政策派―都市と社会の問題 11 モダンデザイン―表現派にはじまる 12 初期モダニズム―バウハウス派とコルビュジエ派
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下巻は大正・昭和の近代建築についてです。 前半はまだ歴史主義だからちょっと飽きてきてしまったけど、社会政策派のあたりからまた面白くなってきた。モダニズムの時代になると、スラスラと読めたし、後期表現派、バウハウス派、コルビュジェ派に分けると確かに捉えやすくなる。 物語(物語というに...
下巻は大正・昭和の近代建築についてです。 前半はまだ歴史主義だからちょっと飽きてきてしまったけど、社会政策派のあたりからまた面白くなってきた。モダニズムの時代になると、スラスラと読めたし、後期表現派、バウハウス派、コルビュジェ派に分けると確かに捉えやすくなる。 物語(物語というにはちょっと説明的すぎるけど)としてもおもしろかったので、そのうちまた読みたいと思う。 大正からの第二世代・第三世代は、自分の足許と内側を見つめ、建築とは何か、を内省することからはじめ、「社会と建築」「技術と表現」「アメリカ的実用性」といったテーマを発見し、また、新しい感性に目覚めて、アールヌーヴォーを手掛け、さらに、前の世代から引き継いだヨーロッパ建築の更新にも取り組んだ自覚の世代であった。彼らは、歴史主義の延長上で新しい形の生命を探さなくてはならなかった。それには、新興アメリカのパワフルな歴史主義様式を輸血する「アメリカ派」、ヨーロッパの歴史主義への理解を深化させた「ヨーロッパ派」、モダンデザインの新しいセンスを取り込んだ「新感覚派」の三つがあった。 その次に現れたのが、「社会政策派」である。彼らは、「耐震」「防火」「都市」「住宅」というそれまで放置されてきた領分に初めて手をつけ、研究するだけでなく、法制と行政を通して実践し、社会に還元した。その成果は大きいが、その反面、工学的かつ行政的な志向のゆえに、デザインや歴史といった芸術的・文化的領分に無言の圧迫を加え、その後日本の建築界に長い影を落とした。 そして、モダニズムの時代である。 当初は、歴史主義の包囲の中での一部の青年の運動として始まり、昭和に入る頃から急速に力を伸ばして歴史主義にも深刻な影響を与え、昭和10年代に入って、後期表現派、バウハウス派、コルビュジェ派の三派が県立するほどの充実を見える。同じ時期の歴史主義の陣営の代表作とモダンデザイン三派の代表作を数え、姿を思い浮かべるなら、量も質も天秤は後者に傾いている。昭和10年を境に、モダンデザインは歴史主義を凌いだのである。
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長い歴史を経て確立した西欧の建築を、いかに日本は学び吸収していったのかという学習の記録(上下巻)。 鎖国を終え倒幕とともに封建社会は終わりを告げ、日本は世界における立ち位置を意識する。 西欧の進んだ学問・科学技術・思想、様々なものを移入し己が物とするための努力は、西欧列強と肩を並...
長い歴史を経て確立した西欧の建築を、いかに日本は学び吸収していったのかという学習の記録(上下巻)。 鎖国を終え倒幕とともに封建社会は終わりを告げ、日本は世界における立ち位置を意識する。 西欧の進んだ学問・科学技術・思想、様々なものを移入し己が物とするための努力は、西欧列強と肩を並べるべく、近代国家の体裁を整える為には必然だった。それは建築においても例外ではない。 「コピー文化」などと揶揄されることの多い日本だが、「ただ真似る」だけでもキチンとできるようになるまでどれだけかかるのか、この本を読んで考えた。
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図と写真を飛ばし読み。 藤森照信氏が書いているので、専門性が色濃く出ていたように感じる。丹下健三氏のコンペ案や卒業設計の絵が載っていたので、収穫ありだったと思う。
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上下巻とも,大学院に進学して建築のことを全く知らなかった僕の一番基礎の教科書とも言える本です.系譜というものを習った気がします.
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非常に読みやすいので、話半分として聞くべき本(嘘)。最後の前川さんのエピソードは上手いけど、正面からの評価を逃げたとも言えるか?上巻とあわせ必読。
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