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「欲望」と資本主義 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2012/11/24
  • ネタバレ

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「消費者」という観点から資本主義を捉える そこには「欲望」が存在し、距離が遠ければ遠いほど、深くなる 読み物的かと思ったら、説得力があって、歴史を新しい視点から振り替えることができた

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2012/07/05

 ヨーロッパの資本主義からアメリカの資本主義への変遷が、外向きの欲望から、マーケティング、広告により内向きにあおられる欲望により形成されたという節。  生産力などには一切触れず、欲望が生産を生み出していくかのように描かれている、ある意味珍説として受け止めた。

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2012/02/01

資本主義を「欲望」という観点から論じている。第4章「外」へ向かう資本主義における、ヨーロッパの消費革命についての記述が面白かった。また、書籍のテーマである「欲望」についても頷かされることが多い。昨今では、これに類似したテーマが扱われることが多いが、本著は20年以上も前に記されたも...

資本主義を「欲望」という観点から論じている。第4章「外」へ向かう資本主義における、ヨーロッパの消費革命についての記述が面白かった。また、書籍のテーマである「欲望」についても頷かされることが多い。昨今では、これに類似したテーマが扱われることが多いが、本著は20年以上も前に記されたものである。そのような点からみても一読の価値はあると思いました。

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2011/11/14

資本主義の精神の根源をたどる。  資本主義と欲望の関係を考察。 それらを歴史を絡めて描いていたので読みやすかったが、最後の方が少しずれてる気がしたのは僕だけ???

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2011/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 資本主義というものが、人間の無限の欲望を前提として形成されて来た歴史について解説した本。著者は資本主義を「人々の欲望を拡張し、それに対して物的なかたちをたえずあたえていく運動」と定義する。  また、著者は資本主義経済においては「過剰」に注目すべきであると説く。以前私は経済学を「有限の資源をいかに効率よく分配するかを考える学問」として「稀少性」に着目すべきだと理解していたが、これまでの人間社会の生産力からして供給過剰になりがちなため(生産物にもよるが)、この説はある意味で正しいだろう。  ミクロ経済学では個人は「効用」の最大化を目指すことを学んだが、本書では今までその効用がどのように形成されて来たのかが無視されがちであったことが指摘されている。その答えとしては、大航海時代以来の貴族の嗜好品や奢侈品への欲望(モノ自体や個人の枠にとどまらない、シンボルの消費)によるものが大きかったことが挙げられる。香辛料、金銀、茶などといったものがその代表例。  資本主義の歴史を語る上で優れた本だと思った。

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2010/11/20

[ 内容 ] 資本主義の駆動力は何なのか。 ゆたかさの果て、新たなフロンティアはどに求められるのか。 差異・距離が生み出す人間の「欲望」の観点から、エンドレスな拡張運動の文明論的、歴史的な意味を探る。 [ 目次 ] ●資本主義という拡張運動  過剰の処理としての資本主義  「欲...

[ 内容 ] 資本主義の駆動力は何なのか。 ゆたかさの果て、新たなフロンティアはどに求められるのか。 差異・距離が生み出す人間の「欲望」の観点から、エンドレスな拡張運動の文明論的、歴史的な意味を探る。 [ 目次 ] ●資本主義という拡張運動  過剰の処理としての資本主義  「欲望」についての考察 ●「外」へ向かう資本主義  産業革命とは何だったのか ●「内」へ向かう資本主義  20世紀アメリカが生みだした資本主義 ●ナルシシズムの資本主義  モノの意味の変容  欲望のフロンティアのゆきづまり ●消費資本主義の病理  「ネオフィリア」の資本主義 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/09/14

1993年発行でそれから17年経つけれども色褪せないのは、欲望を軸においた資本主義論だから。ウォーラースタイン的な世界史観から行くと、水野和夫氏の著書と並べて読むと面白そうだ。 オーソドックスな経済学が構築してきたデカルト的な資本主義の見方から、欲望という人間らしさを軸とした有...

1993年発行でそれから17年経つけれども色褪せないのは、欲望を軸においた資本主義論だから。ウォーラースタイン的な世界史観から行くと、水野和夫氏の著書と並べて読むと面白そうだ。 オーソドックスな経済学が構築してきたデカルト的な資本主義の見方から、欲望という人間らしさを軸とした有機的な見方へと、うまく読書を連れて行ってくれる。 また、外への拡張から内への拡張という欲望の話も面白かった。19世紀の帝国主義から20世紀のアメリカ型消費者主導社会へという動き。本書では触れられなかったがその後のアメリカ文化輸出型、ブレトンウッズ体制崩壊後の金融資本主義、という内から外への動きも興味深い。 それが崩壊した今、次なる動きは内向きか?今の流行りで行くと「正義」の消費か?

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2010/07/19

資本主義の本質を「欲望の拡張」と位置付けた本書。書かれたのが90年代前半だけあって、メディアの役割については「トレンディ」的なものを重視しすぎている感はあるが、70年代までの資本主義については上手く総括しているのではないかと思う。佐伯啓思の新書はどれも非常に読みごたえがあるので、...

資本主義の本質を「欲望の拡張」と位置付けた本書。書かれたのが90年代前半だけあって、メディアの役割については「トレンディ」的なものを重視しすぎている感はあるが、70年代までの資本主義については上手く総括しているのではないかと思う。佐伯啓思の新書はどれも非常に読みごたえがあるので、お勧めです。

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2010/02/15

「資本主義はニヒリズムか」の中で紹介されていた本作品を読んでみた。今日のこの高度に情報化し、グローバル化した社会で「資本主義」という概念をどのように理解すればよいのか、そして文明論的に、歴史的にみればどのような意味をもつのかを問う作品である。 第1章が、社会主義はなぜ崩壊したのか...

「資本主義はニヒリズムか」の中で紹介されていた本作品を読んでみた。今日のこの高度に情報化し、グローバル化した社会で「資本主義」という概念をどのように理解すればよいのか、そして文明論的に、歴史的にみればどのような意味をもつのかを問う作品である。 第1章が、社会主義はなぜ崩壊したのかということで、「効率的」は自明的なことかを問いながらも、社会主義が欠けていたものを論証している。 第2章は、80年代と日本の成功について、理念なきテクノロジズム、歪んだ資本主義?としながらも、消費資本主義を誕生させたということで総括している。 第3章は資本主義という拡張運動ということで、ブローデルの三層理論、バタイユの発想、ジンメルの欲望論などを参照しながら、その時代時代の資本主義の変遷を語っている。 第4章は、「外」へ向かう資本主義ということで、ゾンバルトの説、産業革命とは何だったのかとして、それ以前のアジア・イスラムの商業活動に言及している。 第5章は「内」へ向かう資本主義として、20世紀アメリカが生み出した資本主義について分析を行った。 第6章はナルシズムの資本主義として、欲望のフロンティアのゆきづまり、浮遊する好奇心、情報資本主義における消費者といういままでになかったタイプの資本主義の到来について語っている。 第7章は、消費資本主義の病理で締めくくっている。ゆたかさの果てに、つまり、「成功するがゆえに没落する」資本主義について、シュンペーター、マルクス、ケインズらの予言を紹介している。 最後に、著者は以下のように締めくくった。 モノはほんらい、技術だけではなく文化の産物でもある。経済活動自体が、ほんらいは広い意味で文化という土壌と不可分なのである。今世紀の産業主義は、それを技術の次元に還元し、文化から切り離そうとした。いま限界にきているのはそうした今世紀の産業主義である。だが、その限界地点で、ようやく、欲望を産業技術のフロンティアの奴隷にすることから解放されようとしているのではないだろうか。欲望を文化的なイマジネーションの世界へ取り戻すことができるようになってきたのではないだろうか。わたしはといえば、やはりこの可能性にかけてみたいのである。

Posted byブクログ

2009/12/14

資本主義シリーズで佐伯つながり 三浦雅士と食い違っていた部分を本書にて確認 資本主義的傾向が本来的に人類史にあったんだろうなという疑問は、分かった。 さて次はどうなる?

Posted byブクログ