N・P の商品レビュー

3.8

160件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

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  3. 3つ

    48

  4. 2つ

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2023/10/22

吉本ばなな自身が、一番好きな話(思い入れのある話だったかな?)だと、対談で話していた気がしたから、読んでみた。 濃ゆくて、ややこしくて、でも魅力的なメンバー達の夏だった。

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2023/09/25

友達に読んでみて、と貸してもらった。初めて吉本ばななさんの作品を読んだ。終始淋しい、という感想。でもなんだかその中にもキラキラしたものがあったなぁ。

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2023/06/25
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吉本ばななのことを尊敬している。一冊読むと必ずいくつか好きだなと思う文章がある。しかも感情表現の時に多い。僕は、他の作家の惹かれる文章だと、情景描写が多い。 真夏の1、2週間は不思議だ。永遠に変わらないような陽射しの中で、いろんなことが進展していたりする。人の心や、出来事。そうしているうちに、秋が牙をといでいる。時間がたたないなんて錯覚だったというふうに、ある朝突然冷たい風や高い空で思い知る。 覚えておきたい。真夏をこんなふうに感じられたら、その夏はちゃんと過ごせたと思える気がするから。 吉本ばななの小説の主人公は、いつもちゃんと見ている。そこが好きだ。 N・Pでも主人公の語りが好きだった。けれども他の小説に比べて、主人公自体にあんまり動きがなかった気がする。それがイヤだったということではない。ただ僕には莢という女性が、流れ星のように、ふっと目の前をいなくなってしまった気がするのだ。そのまま小説が終わりを迎えたことに淋しさを感じた。

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2023/06/10
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「TSUGUMI」に似ているような感じ。すごく強い何かを放っているのと同時にすごく死とも近い人物が、ばななさんの本にはよく出てくる。最後のスイの手紙が好き。

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2023/06/04

20数年の時を経て、2度目の読了。 読み返してもほぼ内容に記憶がないのですが、当時ものすごく心を揺さぶられたような。 でも今回はあまり心にくることがなくて、これは私の心が疲れすぎているのかもしれない。 また、もう少し心の余裕を作って読んでみたい。

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2023/04/23
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ここまで惹きつけられた本は今までなかったかもしれない。 それだけ愛や死と向き合う人の心情と、どうしようもない状況の中でなんとか生きている情景が浮かんだ。 内容もそうだけど、当人しか感じない空気感が言語化されていた。 ずっとそこに浸っていたいような、恐怖を感じて一旦読むのをやめるような、ふわふわした世界観。 この本自体が翠のようだった

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2023/03/28

10年以上振りの再読。 やはり初期のばななさん作品は面白かった。 勘や見えないもの、思念、死といったものはばななさんにとって永遠のテーマなのだろう。 登場人物のキャラクターが溌剌としていて、若さと暑い夏でこちらも若返った様な気持ちになった。 ただ、乙彦が萃のことを悪女の様に、魔物...

10年以上振りの再読。 やはり初期のばななさん作品は面白かった。 勘や見えないもの、思念、死といったものはばななさんにとって永遠のテーマなのだろう。 登場人物のキャラクターが溌剌としていて、若さと暑い夏でこちらも若返った様な気持ちになった。 ただ、乙彦が萃のことを悪女の様に、魔物の様に風美に脅かす様に伝えていたのはよくわからなかった。 そして、避妊していたのかという問いに対して「避妊していたよ、萃がピルを飲んでいた」という答えにも、それは避妊していたとは言わんだろうと乙彦の勝手な言い分に嫌気が差した。 私の中で乙彦だけがよくわからない人物だった。 とはいえ全体を通して物語として楽しめた。

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2022/11/08

大好きな本。何度読み返したかわからない小説です。 ある小説家が遺した一冊の小説に惹かれつつも囚われて呪われた4人の物語。英文学研究室で働く主人公の風美、小説家の子どもの咲と乙彦、乙彦の恋人の翠。わくわくするようで、切なくて濃密なひと夏のお話。 暑くなりはじめた時から、ぎらぎら...

大好きな本。何度読み返したかわからない小説です。 ある小説家が遺した一冊の小説に惹かれつつも囚われて呪われた4人の物語。英文学研究室で働く主人公の風美、小説家の子どもの咲と乙彦、乙彦の恋人の翠。わくわくするようで、切なくて濃密なひと夏のお話。 暑くなりはじめた時から、ぎらぎらの夏の日射し、少しずつ涼しくなって終わっていく「夏」の描写がとてもいいです。毎年のようにクーラーの効いた部屋で読む作品。 飲食の表現も印象深い。夏の夜に道端に腰掛けて飲む大きな缶の麦茶、久々の再会時に分けあって食べるカニサラダ、屋上で飲むワイン、美しいラストシーン、そこに出てくるたき火で炙ったビスケット。 いつ読んでも面白いのですが、夏に必ず思い出します。

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2021/08/15

あらすじがさもミステリーチックな書き方だったので、初期のものではあってもなかなか手を出せないでいた。TSUGUMIを読んでいると、夏の海の音が聞こえてくるような気がするが、この作品は夏の白い午後の光、真夏真昼の光が浮かんでくる。 夏というのはAZUKI七さんが言うように特別な季節...

あらすじがさもミステリーチックな書き方だったので、初期のものではあってもなかなか手を出せないでいた。TSUGUMIを読んでいると、夏の海の音が聞こえてくるような気がするが、この作品は夏の白い午後の光、真夏真昼の光が浮かんでくる。 夏というのはAZUKI七さんが言うように特別な季節だと思う。何もかもが続くような気がして、終わりがないような感じを抱かせる。彼女がよしもとさんの本を読んでいたかはわからないが、同じように感じていたのだと思う。GARNET CROWには夏が織り込まれた歌がとても多い。 アムリタあたりからだと思うが、自分が自分であるところのもの、そのひとがそのひとであるところの、ことばにならない何かというものが少しずつ芽吹いている感じの作品だと思う。この時はまだ、特別な他者というところに向いているが、これが少しずつ自分というところに向いていくそんな途中のような気がする。

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2021/08/11

97本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げている。彼には2人の遺児がいた。咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。風美は、高校生のときに恋人の庄司と、狂気の光を目にたたえる姉弟とパーティで出会っていた。そののち、「N・P」未収録の98話目を訳し...

97本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げている。彼には2人の遺児がいた。咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。風美は、高校生のときに恋人の庄司と、狂気の光を目にたたえる姉弟とパーティで出会っていた。そののち、「N・P」未収録の98話目を訳していた庄司もまた自ら命を絶った。その翻訳に関わった3人目の死者だった。5年後、風美は乙彦と再会し、狂信的な「N・P」マニアの存在を知り、いずれ風美の前に姿をあらわすだろうと告げられる。それは、苛烈な炎が風美をつつんだ瞬間でもあった。激しい愛が生んだ奇跡を描く、吉本ばななの傑作長編。

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