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東京の空間人類学 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2013/04/02

 何度も自転車で辿ったことのある街道が、通学していた学校の周辺が、お出かけで歩いたことのある街並が、どうして「この形」なのか。ちょっとでも不思議に思ったことがある人なら、この本を読んでスッキリすることうけあい。  東京湾北側の自然地形を見渡すことからはじまり、江戸の町の成立、元禄...

 何度も自転車で辿ったことのある街道が、通学していた学校の周辺が、お出かけで歩いたことのある街並が、どうして「この形」なのか。ちょっとでも不思議に思ったことがある人なら、この本を読んでスッキリすることうけあい。  東京湾北側の自然地形を見渡すことからはじまり、江戸の町の成立、元禄以降の発展、明治維新以降の大名屋敷・長屋地域それぞれの土地の使われ方、関東大震災からの復興政策、戦後の経済発展と土地利用。これだけ追うと、東京の町が読み解ける。逆に言えば、これだけ歴史文脈を把握しなければ、東京の街の文法は理解できない。ヨーロッパの街と違って、雑然と感じられるのは、トップダウンの秩序がしかれていないから。ごちゃごちゃしているといって批判されてることもあるけれど、この本を読めば、その「ごちゃごちゃ」の面白さに気づけるようになるはず。

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2012/02/29

 東北新幹線の行き帰りで読了。  陣内先生の東京ものは2冊目だが、今回の本は、山の手、そして水からの視点など、さらに進展している。  いろいろ、手厳しいことを言っているが、それでも、まだ、東京は捨てたものではない、という陣内先生の姿勢が大事だと思う。  高層ビルができて、昔...

 東北新幹線の行き帰りで読了。  陣内先生の東京ものは2冊目だが、今回の本は、山の手、そして水からの視点など、さらに進展している。  いろいろ、手厳しいことを言っているが、それでも、まだ、東京は捨てたものではない、という陣内先生の姿勢が大事だと思う。  高層ビルができて、昔の情緒がなくなった、とか言っても始まらないので、今の現状で、どういういいところがあるのか、大事な雰囲気がどこに残っているのか、をよく考えて、今後の都市計画に反映させていく必要がある。  気にいったフレーズ (1)適度に狭くて視界がさえぎられ、その中に混沌とした人間の情感を流し込むことのできる猥雑で賑やかな町の空間こそ、日本の都市で、唯一生命感の張った場を形作っているようにみえるのである。(p195) (2)(震災復興時の)橋梁と橋詰め広場は行政内で部局が異なっていたのにかかわらず、橋の高r欄と広場の手すりが同じ意匠で統一されているのが目をひく。(p262) (3)大正末期から昭和初期につくられたもののなかには、それ(コンテクスチュアリズム)を先取りしたかのように、立地条件を巧みに読み込んで設計され、見事な都市空間を生み出すのに貢献しているすぐれた建築が多いのである。(p269)  復興まちづくの造成計画、建築計画でも、是非、立地条件にうまくあわせて、設計をしてほしい。その意味でも、マスターアーキテクトが必要だと思う。  今、市町村はそんな余裕はないが、全体として景観設計、あるいは、関東大震災の小学校と公園のように、公民合築の効率的で小規模な建築設計など、配慮する仕組みが必要。  そのために、復興まちづくり会社が貢献できないか?

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2011/07/20

2011/03/18 成毛ブログ→石原天罰発言の件でKoushoublog紹介→その過去記事で本書紹介

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2010/11/02

西欧が守っているのは建築であり、そのに表徴されている人々の営みの歴史である。 日本の都市に見られるのは、土地の歴史であり場所の特性である。東京の都市空間は理念ではなく、人々の我によってつくられた。ゆえに、人が見苦しいのと同じように、都市も見苦しい。 土地に宿る歴史性を守っている、...

西欧が守っているのは建築であり、そのに表徴されている人々の営みの歴史である。 日本の都市に見られるのは、土地の歴史であり場所の特性である。東京の都市空間は理念ではなく、人々の我によってつくられた。ゆえに、人が見苦しいのと同じように、都市も見苦しい。 土地に宿る歴史性を守っている、とは言いがたいほどに都市は我に覆われているけれど、街並みの下敷きになっているのは尾根であり谷。普段歩いている坂道は、何百年も前からある坂道かもしれない。   

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2010/06/18

少し古い時代のものだが、古臭さは一切なく実に内容深い記述ばかりで参考になった。 江戸から明治大正昭和、戦後から現代に至るまでの東京の姿を多角的な見地と見事な記述で綴る。 江戸や東京の都市計画論としては最上の一書だろう。

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2010/02/18

内容(「BOOK」データベースより) 東京、このふしぎな都市空間を深層から探り、明快に解読した、都市学の定番本。著者と紙上の探訪をするうちに、基層の地形が甦り、水都のコスモロジー、江戸の記憶が呼びおこされ、都市造形の有機的な体系が見事に浮かびあがる。日本の都市を読む文法書とし...

内容(「BOOK」データベースより) 東京、このふしぎな都市空間を深層から探り、明快に解読した、都市学の定番本。著者と紙上の探訪をするうちに、基層の地形が甦り、水都のコスモロジー、江戸の記憶が呼びおこされ、都市造形の有機的な体系が見事に浮かびあがる。日本の都市を読む文法書としても必読。サントリー学芸賞受賞。 目次 1 「山の手」の表層と深層 2 「水の都」のコスモロジー 3 近代都市のレトリック 4 モダニズムの都市造形

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2009/10/04

都市について考えるのが好き。 おもしろい街と退屈な街。 おもしろいとは、商業建築にあふれていることではなく、有機的であるということ。

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2009/10/04

都市の表面だけを見るのではなく、そこに隠された真相を読み取っていく内容です。東京のことはあまり詳しくないけど、なかなかどうして面白いっす。物事の真実をつかむって重要なことですね。

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2009/10/04

江戸と東京には深いつながりがある。そういわれてもピンと来ない人にはぜひ読んで頂きたい一冊。「見えがくれする都市」と共通した視点を持ち、東京という街の魅力を江戸との連続性から解明している。読み物としても非常におもしろく読みやすい本であり、江戸から東京までの変化を追体験するような課題...

江戸と東京には深いつながりがある。そういわれてもピンと来ない人にはぜひ読んで頂きたい一冊。「見えがくれする都市」と共通した視点を持ち、東京という街の魅力を江戸との連続性から解明している。読み物としても非常におもしろく読みやすい本であり、江戸から東京までの変化を追体験するような課題がでた時には持ってこいである。読み終わったときにはなぜ今の東京ができあがったのか、かなりの部分まで納得がつくであろう。

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