テレヴィジョン・シティ(下) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
文体に慣れたせいか、上巻よりはスムーズに読むことができた。 バッドエンドのディストピア小説であることもわかった。 そのうえで、読むのしんど! 内容的にも難解なことを書いてはいるのです。 多分に哲学的なこと。 どうせ失われるのなら、体が先がいいか、心が先のほうがいいか。 でも、慣れたとはいえ、好きじゃないんです、こういう勿体つけた書き方。 イーイーもシルルもジロもみんな、アナナスに説明をしない。 説明をしないのに、「○○をしてくれ」とか「××はするな」とかばかり。 アナナスが説明を求めると「今は言えない」とか言って、結局最後までいわない。 終焉が迫っているのが分かっている時に、それってどうなの? 何も信じることのできない世界で、みんなアナナスのことだけは信頼している。 だから話さない。 「なめるなよ。バカにするなよ。僕だって!」とアムロのように怒れアナナス。 最終的には閉じた環というよりも、下降する螺旋を想起しました。 だって、彼らの世界って、生産がなくて消費からの廃棄ばかりじゃない。 究極の資源の無駄遣いとして紙は使わない。 お金すら現物ではなくネット上のチケットで、管理もコンピュウタ任せ。 あら、今の私たちの世界とあまり変わらないわね。 でもって、知らぬ間にデータ改ざんされ放題。 明るい未来を思い描きようがない。 ただ、1970年代に青春時代を送った人に多い、「○○だヨ」とか「○○なのサ」みたいが語尾が耐えがたいほど古臭く感じられて、今どきこんな文章で未来を書くなら、同人誌にして、って思ってしまう。
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上巻よりもより世界観にどっぷり浸かれて、ぐんぐん読み進めていたのですが、最後の最後はもう何が何だかわからず…。 衰弱していくイーイー、記憶喪失のアナナス…ビルディングが崩壊し始めてからはもう切なくて…「イーイー…!消えないで。」って心の中で思っていました。 ことばは消えても、文字...
上巻よりもより世界観にどっぷり浸かれて、ぐんぐん読み進めていたのですが、最後の最後はもう何が何だかわからず…。 衰弱していくイーイー、記憶喪失のアナナス…ビルディングが崩壊し始めてからはもう切なくて…「イーイー…!消えないで。」って心の中で思っていました。 ことばは消えても、文字は残る。それが、ぼくの望みだ。 また、夏休みが始まる。
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文庫版を何度も読んでいたので、一応再読?何となーく意味は摑みかけてきたけど、つまるところはまだよく分からない…(ハッピーかバッドか、そんな終わりの心理すら)でも切ないシーンが多くて、途中何度も泣きそうになりました。特に別れのシーンは、何度読んでももうもう。アーティのラストが意外に...
文庫版を何度も読んでいたので、一応再読?何となーく意味は摑みかけてきたけど、つまるところはまだよく分からない…(ハッピーかバッドか、そんな終わりの心理すら)でも切ないシーンが多くて、途中何度も泣きそうになりました。特に別れのシーンは、何度読んでももうもう。アーティのラストが意外にびっくりです。怖っ。
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何度くりかえし読んでも読み切れていない、 読解力が足りてないんじゃないかと思う。 でも長野作品ベスト3に入るくらい好きな作品。 世界観が好き。 http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-117.html
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下巻。この作品に登場する少年たちが、本当に大好きです。それだけに下巻での展開は切なくなります。少年達のたどり着く真実は何なのか……永遠の夏休みを送る少年。読み終えた後、無性にむなしさやさみしさが襲う一冊です。
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途中までは順調に想像がついていっていたのに、ラストで、頭が回らなくなってしまった。 結局、最後はどうなったんですか?教えてください。(感想じゃない・・・) 2007.5.2〜5.4。
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