深夜特急(第三便) の商品レビュー
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著者の20代の旅はついにトルコ、ギリシアとヨーロッパまで進む。イタリア、スペイン、ポルトガルと続く旅で、著者は多くのトラブルを越え、多くの方々の想像もつかないような驚きの親切を受けて、ポルトガルではユーラシア大陸の西端サグレス峠へ到達。そこでのペンションでのあっと驚くような凄い歓...
著者の20代の旅はついにトルコ、ギリシアとヨーロッパまで進む。イタリア、スペイン、ポルトガルと続く旅で、著者は多くのトラブルを越え、多くの方々の想像もつかないような驚きの親切を受けて、ポルトガルではユーラシア大陸の西端サグレス峠へ到達。そこでのペンションでのあっと驚くような凄い歓待!著者の感動は読んでいる読者自身が新設を受けたように共有できるように感じた。私自身が同じ年に欧州各地で出会った方々の雰囲気を思い出させてくれるからかも知れない。トルコのアンカラで出会った画家の美人妻、ローマでは高齢の日本人未亡人と過ごした1日の描写も味わい深かった。一期一会で著者はこの中の多くの人たちとはその後も会えていないと思うが、これもまた旅がもたらす情緒かもしれない。サグレス峠からパリ、ロンドンへ至る旅は、いよいよ旅の終わりで日本が近づいてくることを意識するというアイロニカルな日々のように思った。戦争中だったトルコ・ギリシャの国境の橋を渡る場面、死んだような現代のスパルタの町の描写が印象的。マドリードで会った日本のほとんどの若者が視線をそらす行為から、自分の鏡つまりみすぼらしい自分の姿を見たくないという解釈(P268)は全く同感だった。それにしても1974年の世界の人々の生活を生々しく記録にとどめた名著だと思う。
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第1便、第2便とそれなりに旅の雰囲気は楽しめたが、その流れの中で中々最終巻に手がつかず、ブランクの後ようやく読み始めた第3便。 旅もアジアからヨーロッパに入り終盤になる中、旅を人生に見立て、1・2巻とは異なる心の揺れを描きながら、旅の終わらせ方を模索する描写が絶妙だった。 あと...
第1便、第2便とそれなりに旅の雰囲気は楽しめたが、その流れの中で中々最終巻に手がつかず、ブランクの後ようやく読み始めた第3便。 旅もアジアからヨーロッパに入り終盤になる中、旅を人生に見立て、1・2巻とは異なる心の揺れを描きながら、旅の終わらせ方を模索する描写が絶妙だった。 あと筆者がスペインで思い出すタイの駐在員の言葉『わからないということをわかること。』はとても含蓄がある一言だ。 中途半端に知っているとそれらに捉われて誤ってしまう、自分が知らないということを知っていると結局は誤らない。 2022.11.05読了
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ついに読み終わってしまった。 終わりの寂しさを感じながらも、著者自身も良い終わり方を模索していたかのようでなかなかよかった。
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アジアでの旅が終わり、ヨーロッパに足を踏み入れる、漠然たる不安を私が勝手に感じながら読み進めたが、ヨーロッパだから危険で不親切などということは当然なかった。 旅を進めるうちに感じた、心躍らなくなる感覚、旅は人生と同じで時と共に変化をするという感覚がとても面白かった。自分はどこで...
アジアでの旅が終わり、ヨーロッパに足を踏み入れる、漠然たる不安を私が勝手に感じながら読み進めたが、ヨーロッパだから危険で不親切などということは当然なかった。 旅を進めるうちに感じた、心躍らなくなる感覚、旅は人生と同じで時と共に変化をするという感覚がとても面白かった。自分はどこでも生きていける、市場で値切り、ホテルで値切り、逞しくなったが、擦れてくる感も出てくる。同時に危機意識が鈍り、恐怖に鈍感になる。一部の香港編で若者がベッドに寝たまま起きられなくなるという感覚がわかるような気がした。旅を長く続けすぎると無感動無気力になると言う感覚。そして、一人旅で自分が孤独である事を感じる寂しさ。旅は適正な長さでするのが良い。 人は人とのコミュニケーションから学び、感じる。旅の最中で何が心に残るかは人それぞれ、違っていてそれで良い。 わたしは生涯終えるまでにこんな旅はもうできないだろうと思う。娘息子には中学生ぐらいになったら是非読ませたい。旅をすることを疑似体験してもらい、どう感じたか是非聞きたい。 旅の終わりどき。どう決めるかは人生の岐路に似ている気がする。
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刺激に塗れた旅を続けると、心が摩耗されていき、だんだんと腐敗していく。 だけど歩みを止めず、進む。 第一便では旅の興奮、不安、高揚が多かったけれども、第三便では旅の怠惰、腐敗、諦観に溢れている。リアルに溢れているこの本に触れて、また自分も旅に行きたくなりました。 そう、恐れ...
刺激に塗れた旅を続けると、心が摩耗されていき、だんだんと腐敗していく。 だけど歩みを止めず、進む。 第一便では旅の興奮、不安、高揚が多かったけれども、第三便では旅の怠惰、腐敗、諦観に溢れている。リアルに溢れているこの本に触れて、また自分も旅に行きたくなりました。 そう、恐れずに、、
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シンプルにこの本と同じルートを旅したくなった。 南欧はやっぱり魅力的。 ただ一つ違和感を感じたのは、自分もよく海外一人旅をするけどこの主人公ほど多くは声を掛けられない。 物語の進行上、訪れた土地の人との接点が無いと成り立たないところもあると思うけど実際はどうだったのだろうか。 リ...
シンプルにこの本と同じルートを旅したくなった。 南欧はやっぱり魅力的。 ただ一つ違和感を感じたのは、自分もよく海外一人旅をするけどこの主人公ほど多くは声を掛けられない。 物語の進行上、訪れた土地の人との接点が無いと成り立たないところもあると思うけど実際はどうだったのだろうか。 リアリティを追求するとしたらちょっと疑問。
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わかっていることは、わからないということだけ。旅というものは不思議で、新しいものへの気づきと自己の気づきをもたらす一方で、真理をつかもうとすればするほど離れていく。新しさと希望と不安定さと虚無感、それらが矛盾せず同時に存在するのである。 だからこそ、旅に出たいと思う。たっぷりの...
わかっていることは、わからないということだけ。旅というものは不思議で、新しいものへの気づきと自己の気づきをもたらす一方で、真理をつかもうとすればするほど離れていく。新しさと希望と不安定さと虚無感、それらが矛盾せず同時に存在するのである。 だからこそ、旅に出たいと思う。たっぷりの時間を使って、自己との対話を存分にしたいと思う。 深夜特急はそうした感覚をもたらしてくれる作品だ。
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深夜特急シリーズの最終作。トルコからイギリスまでの旅を扱っている。相変わらず、著者の文章は読ませる。自分が著者と一緒に長い旅をしている気分にさせてくれる。だが、実際に旅をしているわけではなく、このような長期旅行の経験もないので、著者が感じていた倦んだような気持ちは生じず、だからこ...
深夜特急シリーズの最終作。トルコからイギリスまでの旅を扱っている。相変わらず、著者の文章は読ませる。自分が著者と一緒に長い旅をしている気分にさせてくれる。だが、実際に旅をしているわけではなく、このような長期旅行の経験もないので、著者が感じていた倦んだような気持ちは生じず、だからこそ、最終目的地であるイギリスに到着してしまい、自分としては旅が終わってしまったという寂しさを強く感じた(著者の旅はまだ続くようだが)。 本書のエピソードで印象に残ったのは、記念に日本のコインを求めた親切なトルコの少年の話、信仰の地として生きるのでもなく、廃墟として徹底的に死に切るわけでもなく、ただ観光地として無様に生き永らえていることを恥じているようだというパルテノン神殿の話、「C」の国と「T」の国の対比、ミケランジェロの未完の捕虜像の話、旅を人生に喩える話などだ。 『深夜特急』全体を通して、旅の醍醐味は、やはり人との出会いだということを深く感じた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
旅の終わりを求めて旅する。 パックツアーでは出発日と帰国日が決まっている。楽だけど、自分が重点的にみたい所は見れない。でも、もし、この本のように自分の好きな時に出発出来て、自分の好きな時に帰国できるのであれば、きっと私の旅はだらだらと緩急のない旅になるだろう。『決められた枠の中の自由』というのが一番自由なのではないか?と思えた。 冒頭の言葉は作者の言葉。 この作者は旅をすればするほど虚無に襲われてしまった。旅の終わり(ユーラシア大陸のロンドンまで)が近付いているのに、気持ちの区切りがつかない。 やっと区切りがついたのは、既視感が伴ったポルトガルのというかユーラシア大陸最西端のサグレスという港町。ここの土地に、前世の自分に呼ばれたのでは???と思った。 何度もいうようだけど、もうこういう旅は私はできない。それに決められた枠の中での自由の方が私にとっては楽しい物だと思う。
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