英国流立身出世と教育 の商品レビュー
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ヴィクトリア朝イギリス期における教育制度の拡充について、英国民的作家チャールズ・ディケンズの小説等をもとに、その実情を語らしめたもの。パブリックスクール、慈善学校、ガヴァネス(住み込みの家庭教師)、小学校教員、階級的な根無し草となってしまった出世組について叙述されている。平易な叙述でどんどん読めるけれども、出世組からみた上層階層に対するルサンチマンを暴くので、痛い内容でもある。ただ、本書で触れられないが、無能な上流階級の人間が、これら有能な出世組を、逆にどのように見ていたのかは興味がある。
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産業革命を生み、セルフ・ヘルプを唱えたヴィクトリア朝英国の教育が如何なるものだったのかをディケンズ、ブロンテ姉妹、ロレンスを挙げつつ論じる。人を教育する、しかも公的機関が人を教育するという営みに付きまとう偽善に果敢に立ち向かうのは、やはりやくざ者の代表、つまり文学者だった。本著の...
産業革命を生み、セルフ・ヘルプを唱えたヴィクトリア朝英国の教育が如何なるものだったのかをディケンズ、ブロンテ姉妹、ロレンスを挙げつつ論じる。人を教育する、しかも公的機関が人を教育するという営みに付きまとう偽善に果敢に立ち向かうのは、やはりやくざ者の代表、つまり文学者だった。本著の言葉、「すぐれた文学というのは、何も高邁な理想の松明を掲げ、時代を大胆に先取りしたものばかりを言うのではない。栄光や前向きの姿勢の下の方に、低迷趣味や醜悪・汚穢の暴露というような「かす」や「おり」が、玉の盃の底に沈んでいる。その苦味をも時には味わってみるべきではないか。美酒のうわずみだけをすすって酔っているのでは、人生の本当の味はわからないのだから」。
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