村上朝日堂はいほー! の商品レビュー
ジム・モリソンのための「ソウル・キッチン」は素晴らしかった。 ー1971年には1983年なんていう年が本当に僕の身にまわってくるとは想像することもできなかった。それでも1983年は実際に、何の感動もなく僕の上に降りかかってきて、僕は今でもジム・モリソンとザ・ドアーズのレコードを...
ジム・モリソンのための「ソウル・キッチン」は素晴らしかった。 ー1971年には1983年なんていう年が本当に僕の身にまわってくるとは想像することもできなかった。それでも1983年は実際に、何の感動もなく僕の上に降りかかってきて、僕は今でもジム・モリソンとザ・ドアーズのレコードを聴き続けている。僕は34歳で、まだ夜に火をつけることができない。 また、「狭い日本・明るい家庭」の家族に対する認識も彼らしいものだと思った。 ー家庭というのはあくまで暫定的な制度である。それは絶対的なものでもないし、確定的なものでもない。はっきり言えば、それは通りすぎていくものである。
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「僕の中の何かが失われ、損なわれてしまったのだ。」これに似た表現ちょくちょくでてきますが、あまり好きではありません。この本から得た教訓「たぶん天秤座だからかも。」
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「ハイファッション」という雑誌で連載されていた春樹氏のエッセイ。小説も大好きだけど、彼の本はエッセイも好き。お馴染み、安西水丸氏のゆる〜いイラストが絶妙の31編。 中でも、山羊座のやり切れなさを語った「わりくう山羊座」、東京と千葉のタクシー運ちゃんの違いを説く「千葉県タクシー・ドライヴァー」、レイモンド・チャンドラーが小説を書くコツについて持論を語る「チャンドラー方式」、一人旅の若い女の子と電車で相席になったときの戸惑う心境を語る「ひとり旅」、春樹氏御用達のコロッケ定食がとても美味しいお店の話「うさぎ亭」の5編が好みかな。 千葉県のタクシー運ちゃんは、東京に比べるとよく客に話しかけ、また顔つきが「明治のカール」風だという。春樹氏はあまり他人と会話をするのが得意ではないそうだが、タクシー運ちゃんは例外らしい。またその描写が面白い。私はあまりタクシーの運ちゃんとは話さない主義だが、千葉のタクシーにはいずれ乗ってみようかなと思った。 「ひとり旅」はクスッと笑えるいかにも春樹氏らしい話だ。ひとり旅をいていて困るのは、ひとり旅をしている女の子と会うことだ、という。それも二人きりで同席の場合。話しかけた方がいいのか、話しかけたら良いのかがよくわからない、と。そして話しかけた場合のデメリット、話しかけなかった場合のデメリットの春樹氏の妄想劇場が続く。何かこれだけでも短編の小説になりそうだ。 村上朝日堂、とつく彼のエッセイシリーズは、1984年から始まり、全部で6冊あるらしい。そして本著は3冊目。マズい、途中から読んでしまった。ってことで、最初から読みます!これ、面白いです。
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『はいほー!』だなんて、エッセイ集のタイトルとしては、これ以上はないくらいな軽さだ。肩の力を抜いて、気楽に書きましょう、っていうスタンスか。村上春樹のエッセイは、「作家としての村上春樹」と「個人としての村上春樹」のちょうど中間くらいに位置している。だから、我々読者の側も小説とはま...
『はいほー!』だなんて、エッセイ集のタイトルとしては、これ以上はないくらいな軽さだ。肩の力を抜いて、気楽に書きましょう、っていうスタンスか。村上春樹のエッセイは、「作家としての村上春樹」と「個人としての村上春樹」のちょうど中間くらいに位置している。だから、我々読者の側も小説とはまた違った春樹を楽しめる。『ラ・ボエーム』のように貧乏だった青年期を回想したり、あるいは南部のチャールストンに想いを馳せたり、はたまた時にはちょっと理屈っぽく考えてみたり、ついでにハイファッションの編集部をからかってみたり。
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このエッセイは、村上春樹さんがぶーたれている気がする(笑)でもこの反骨心というか懐疑的な感じが好き。やっぱりわたしは人間のこういう部分に惹かれるんだろうな、、 ご本人は、懐疑というのはカレーライスに対する福神漬くらいの割合で存在するのが健全だとおっしゃっているけれども。(笑) 黒...
このエッセイは、村上春樹さんがぶーたれている気がする(笑)でもこの反骨心というか懐疑的な感じが好き。やっぱりわたしは人間のこういう部分に惹かれるんだろうな、、 ご本人は、懐疑というのはカレーライスに対する福神漬くらいの割合で存在するのが健全だとおっしゃっているけれども。(笑) 黒子さんと白子さん、貧乏の話が好き。時計の話は、10年後にもう一度読みたい。
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村上春樹らしい一冊。 村上春樹の歴史を考えると、やっぱりあの頃かかれたものっていうことに納得。鋭いなあって思うところもあれば、ちょっとはっきりいいすぎじゃない?、ってところもあった。
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いろいろなタイプの全31編。 ジム・モリソン、ジャズ、うさぎ亭、チャールストン、オペラ。 全部軽い感じ、でもやっぱり村上春樹ワールド。
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村上春樹さんのエッセイ 小説は難解でついていけないが 村上さんの言い回しやものの捉え方は好き という私にとってはエッセイはありがたいです “家庭というのはこれはあくまで暫定的な制度である” こういったことをはっきり言えるのは素敵だなと感じました “たとえ37でも同い年の女の...
村上春樹さんのエッセイ 小説は難解でついていけないが 村上さんの言い回しやものの捉え方は好き という私にとってはエッセイはありがたいです “家庭というのはこれはあくまで暫定的な制度である” こういったことをはっきり言えるのは素敵だなと感じました “たとえ37でも同い年の女の人って、 僕にしてみればみんな女の子なんだ” 村上さんのキザさはストレート過ぎないので好きです
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はじめて村上 春樹 さんのエッセイを読む。 作品とはちがって作者を身近に感じる。 エッセイを読むと自分が勝手に作った作者イメージとズレることが多いのだが、村上さんは大丈夫だった。 あらためて「ノルウェーの森」が30代後半の作品だと思うと凄いよね。環境が人間を作るのか。人間が環...
はじめて村上 春樹 さんのエッセイを読む。 作品とはちがって作者を身近に感じる。 エッセイを読むと自分が勝手に作った作者イメージとズレることが多いのだが、村上さんは大丈夫だった。 あらためて「ノルウェーの森」が30代後半の作品だと思うと凄いよね。環境が人間を作るのか。人間が環境を作るのか。
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せっかちで気が短い。占いには興味がない。最近の映画の邦題はよくないと思う。ときどき無性にビーフ・ステーキが食べたくなる。双子の恋人が欲しい。フィッツジェラルドとチャンドラーとカポーティが好き。この中で三つ以上思い当たる方は、誰でも村上ワールドの仲間です。はいほー!と軽やかに生きるあなたに贈る、村上春樹のエッセンス。安西水丸画伯のイラスト入り、全31編
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