コルシア書店の仲間たち の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
須賀さんの11年に渡るミラノ暮らしを振り返る回顧録。 時は1950年代から70年。 戦後のミラノで「人間の言葉を話す場」となった「コルシア・デイ・セルヴィ書店」。 それは自由の波に酔う若者達のための小さな灯台のような存在だった。 職種、人種、宗教は違っても、仕事帰りにふと立ち寄り語り合う仲間達。 政治談義に花が咲き時に喧嘩になっても必ず誰かが仲裁に入る。 日本へ帰国し30年経ってあの頃を振り返る須賀さん。 僅かばかりの給料で、けれど夢や信念は果てしなく大きく希望に満ち溢れた若者達の、少々青臭い言動の数々はなんと輝いていたことか。 人はモノを許容範囲以上に持ちすぎるとだめだな。 ちょっと足りない位が丁度いいのかもしれない。 あの頃のガムシャラでひたむきな若者達を羨ましく思う。 「人間のだれもが、究極においては生きなければならない孤独と隣りあわせで、人それぞれ自分自身の孤独を確立しないかぎり、人生は始まらない」 孤独とは「かつて私たちを恐れさせたような荒野ではない」 須賀さんの厳かな教えを、私もゆっくり噛み締めていきたい。
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彼女の綴るミラノをはじめとしたイタリアの風景、人。書店にかかわるいろいろな人々は、いまもどこかでいきているような、いきいきとした文章に時を忘れて没頭してしまった。
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ひと昔前の伊太利亜。美しき文章。 ミラノのある書店を舞台に、貴族から泥棒まで、強烈な個性をもつ人びとがくりひろげるさまざまなドラマ。
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小さな頃から漠然と感じていた 「ひとは結局のところ一人であり、孤独を受け入れなければ生きていけない」という予感を肯定してくれた。 その確信は、まだ多感であったわたしを悲しませたけれど 同時に「孤独は、かつてわたしたちを恐れさせたような荒野ではない」と諭し、励ましてくれた一冊は暗闇...
小さな頃から漠然と感じていた 「ひとは結局のところ一人であり、孤独を受け入れなければ生きていけない」という予感を肯定してくれた。 その確信は、まだ多感であったわたしを悲しませたけれど 同時に「孤独は、かつてわたしたちを恐れさせたような荒野ではない」と諭し、励ましてくれた一冊は暗闇の揺らめく蝋燭のように心に灯った。 孤独を引き受けなければ個人は確立しないし、人生は始まらない。 そんな話を話すと周りの人間にはペシミストと揶揄され、会話は途絶えてしまう。 この本を語り合える仲間を手に入れたいと、切に願う
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(2003.06.16読了)(拝借) ・須賀敦子 この人の話題が出たのは何時のことだったでしょうか? やっと読みました。かみさんが読んだ本で、「コルシア書店の仲間たち」という本です。 ミラノが舞台ですが、旅行でミラノへ行ったことがあるので、多少親しみもあります。 驚いたのは、イタ...
(2003.06.16読了)(拝借) ・須賀敦子 この人の話題が出たのは何時のことだったでしょうか? やっと読みました。かみさんが読んだ本で、「コルシア書店の仲間たち」という本です。 ミラノが舞台ですが、旅行でミラノへ行ったことがあるので、多少親しみもあります。 驚いたのは、イタリア人にとっても、ユダヤ人は罵倒の対象になるということです。 ユダヤ人をさげすむ台詞をはいた娘に、あなたの父親は、ユダヤ人だからそんなことを言うのはやめなさいという場面が出てきました。 その娘は、なんとドイツ人を好きになって結婚してしまうとは。
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ku:nelの記事で興味を持ったので読んでみました。今まで名前を知らなかったという不勉強具合なのですが…。イタリアから帰国して数十年経った後に書かれたとはとうてい思えないいきいきとしたミラノがそこにありました。文章がきりっとしていて、且つ丁寧な印象を受けます。他の本も読んでみよう...
ku:nelの記事で興味を持ったので読んでみました。今まで名前を知らなかったという不勉強具合なのですが…。イタリアから帰国して数十年経った後に書かれたとはとうてい思えないいきいきとしたミラノがそこにありました。文章がきりっとしていて、且つ丁寧な印象を受けます。他の本も読んでみようと思います。
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