デパートを発明した夫婦 の商品レビュー
当時の中産階級が、どんな行動パターンで動いているのかが想像できる、という観点の方向から面白かった。 デパートそのものは、なんかもう黎明期から、今のデパートとあんまり変わらないんだな…と思うと、わけもなく感心してしまったり。 ただ、衝動買いすることはほとんど無いので、自分にとって...
当時の中産階級が、どんな行動パターンで動いているのかが想像できる、という観点の方向から面白かった。 デパートそのものは、なんかもう黎明期から、今のデパートとあんまり変わらないんだな…と思うと、わけもなく感心してしまったり。 ただ、衝動買いすることはほとんど無いので、自分にとっては色々と他人事かも(笑)
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世界初のデパートにおける広告・人事・販売・仕入れ戦略の様子を簡潔に述べた。現在に通じる顧客志向のパターンを19世紀で一時に構築した、天才の先見性が興味深い。目的ある購買から、需要を渇望させるマーケティングと宣伝へ。意識そのものを展開する、デパートの至上戦略の転換がここで起こったと...
世界初のデパートにおける広告・人事・販売・仕入れ戦略の様子を簡潔に述べた。現在に通じる顧客志向のパターンを19世紀で一時に構築した、天才の先見性が興味深い。目的ある購買から、需要を渇望させるマーケティングと宣伝へ。意識そのものを展開する、デパートの至上戦略の転換がここで起こったと実感した。
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実に150年前のパリで現代の大衆消費社会を生むきっかけとなったデパート「ボン・マルシェ」を築いたブシコー夫妻の経営戦略が、あまりに現代に通じているので驚かされます。商法のみならず福利厚生まで含めて社会的階層としてのサラリーマンを生んだとすら言える。
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デパートという近代になってから出現したビルディングタイプ を通じて近代を見ることができます。デパートの商品は白さの追究だったことが分かります。モダニズムの白い箱が連想されれます。
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ある夫婦が継いだマガザン・ド・ヌヴォテが今日のデパートの先祖ですよ、というお話。のみならず、通販・リゾート・子供服から養老年金・社員持株まで、欧米中流階級の文化と経済がボン・マルシェに塗り替えられた痕跡を鮮烈に暴いていく一冊。
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デパートが好きだ。 きれいで、いろんなものがたくさんある。嬉しくなる。でも、デパートっていつからあるんだろうか。そもそもデパートと他のお店のちがいってなんだろうか。 その謎を解き明かすには、十九世紀半ばのパリまでさかのぼらなくてはいけない。そこには「プシコー夫妻」という天才...
デパートが好きだ。 きれいで、いろんなものがたくさんある。嬉しくなる。でも、デパートっていつからあるんだろうか。そもそもデパートと他のお店のちがいってなんだろうか。 その謎を解き明かすには、十九世紀半ばのパリまでさかのぼらなくてはいけない。そこには「プシコー夫妻」という天才抜きには語れない物語があったのだ。 プシコー夫妻は自分の店にさまざまな販売戦略を展開していく。「バーゲン」「ディスプレイ」「高級商品」…。今日では常識となったそれらは、全てプシコー夫妻が考えついたもの。しかもそれは単に「ものを売るための作戦」だったんじゃない。二人が生み出したデパートとは、客の買い物心理を根底からくつがえす、近代の怪物だったということが明らかになってくる。 幅広い読者層に応えることのできる好著と言えるだろう。(けー)
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